サバイバルボディー:人類の失われた身体能力を取り戻す

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560096536

作品紹介・あらすじ

寒くて快適!

 中年に差しかかり、膨らむ一方のウエスト周りを気にしつつ運動不足解消にあまり積極的ではなかったジャーナリストが、呼吸法と寒冷刺激によって人間の眠っている身体能力を引き出すトレーニング法を編み出したという、「アイスマン」ことヴィム・ホフのトレーニング・プログラムに参加した。当初は、このいかにも怪しげなホフの正体を暴いてやろうと意気込んでいたのだが……。
 著者のスコット・カーニーは、以来4年にわたって世界各地に足を運び、文字どおり体を張った取材を敢行。ヴィム・ホフ・メソッドに一定の効果があることを身をもって体験し、さらに、ホフの呼吸法を取り入れているという著名なサーファー、レアード・ハミルトンや、高強度インターバルを提唱しているブライアン・マッケンジーから学んだのち、キリマンジャロ登頂に挑む。しかも、短パン姿で。
 過酷な環境にわが身をさらし、ついに「凍えぬ体」を獲得したジャーナリストが、最新の医学研究や自然人類学の知見のほか、トップアスリートのトレーニング法、エクストリーム・スポーツの現状を紹介しながら「潜在的な身体能力を引き出す方法」の一部始終を明かした体当たりサイエンス・ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 5km 週2,3回走る、短距離ダッシュ、朝の呼吸法(吐く、止める、半分吸う、止める)、冷水

  • 身体を寒冷な環境に置くことで、代謝を上げたり、免疫効果をあげたりするという、なんとも怪しげな健康メソッド、著者ははじめ、インチキを暴くつもりでこのメソッドの創始者を追いかけるが、体当たり取材を続けるうちに、実際に効果を(自分の身体で)感じはじめ、ついには厳冬期キロマンジャロ登山を、ほぼ薄着のまま(命の危険を感じた時などに防寒服を着たものの)登頂時間最短記録で成し遂げる。

    冷水シャワーを浴びる、冬の薄着ランニング、粗く激しい呼吸法…、寒さが極端に苦手で沢登りや厳冬期の登山を諦めた身としては非常に興味ある内容だったが、実際やってみようと踏み切るには勇気が伴わず…。

    とりあえず、冷水浴と冷水シャワーを少しずつ習慣化し、冬の薄着を恒例化させてみようかなぁ。

  • 呼吸法と氷水トレーニングによってジャーナリストが最終的に上裸でキリマンジャロを登るという。パーキンソン病やリウマチ性関節炎にも有効な例が紹介されていてすごい。

  • いろいろ無茶な事やってます。
    読み物としては面白く読めます。効果の検証をする気にはならない

  • ★人体の不思議を、身を以てかつ一歩引いて★呼吸法と寒さへの慣れは、身体の失われた能力を取り戻すーー。ヴィム・ホフという(有名らしい)オランダ人の実践をやや疑いながら、体験しつつ追いかける。荒々しいジャーナリスト兼文化人類学者だからこそだろう、批判的な視線と実践と歴史的な位置づけに幅広く目配りしている。一気に読み進めた。

    意識して呼吸を深く早くし冷水シャワーをあびることによって、ダウンジャケットがないころの人間に備わっていたはずの耐寒や免疫、エネルギーの消費の仕方を取り戻す。氷の海に長く潜っていられたり、上半身裸でキリマンジャロに短時間で登る結果を見せつけられたら、原理はどうあれ何となく納得してしまう。確かにほぼ裸で暮らしていた人類もいるのだから。深く早く呼吸する具体的な方法をもう少し示してくれたら、より物語に没頭しやすかったのにというのだけが残念。

    どこまで人間が過酷な状況に耐えられるかという軍隊の研究、泥沼や急勾配を上るタフガイレースの人気、セレブや一般の人の間に広がる肉体改造など、肉体を巡る現代のトピックの折り込み方もうまい。

  • 過酷な環境で進化してきた人間の生理機能を、極寒環境における呼吸法とトレーニングで呼び覚ます。褐色脂肪が活性化し、体温のコントロールが可能になり、免疫機能も強化される。トレーニングの結果、キリマンジャロを上半身裸で28時間で登頂できた。

    過酷な環境に、耐えられれば強靭になる。ほんとに、現代人って柔だと思います。

  • 呼吸法だけで寒さに耐えられるようになるという、ちょっと胡散臭い話だが、実際に上半身裸でキリマンジェロに30時間以内に登頂している!
    ヴィム・ホフ自身の著書「ICEMAN 病気にならない体のつくりかた」も昨年出ているので読んでみよう。

  • 息を止めて寒さを我慢する。

  •  ほぼ上半身裸でキリマンジャロの頂上(5895m)を目指すところから始まる。
     頭は大丈夫ですか!?

     かつて人類は外の寒さに耐え凌ぎ生き残った。
     アメリカ大陸に到着したピルグリムファーザーズが見たのは、極寒の地で腰布一枚巻いただけの現地人だった。
     しかし、現代人は外の環境に関係なくテクノロジーで守られている。
     かつて人類が耐え忍んだ環境に置かれると、すぐにギブアップ。
     人類は進化したのか、退化したのか。

     オランダ人ヴィム・ホフは自らの免疫をコントロールできると主張する。
     彼は氷風呂の中でも、全く寒さを感じないという。
     それは本当なのか。
     それを確かめるため、著者は彼のメソッドを習得し、そしてキリマンジャロに挑むことになる。
     
     寒さによる褐色細胞が活性化されることで、氷の中でも少しも寒くないわ♪の状態になるそうです。
     というわけで、冷水シャワー浴びてみました。
     冷たい。ムリ。

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著者プロフィール

ジャーナリスト、人類学者。ウィスコンシン大学マディソン校で人類学を専攻し、修士号(M.A.)を取得。ブランダイス大学シュスター調査報道研究所シニアフェロー、コロラド大学ボルダー校環境ジャーナリズムセンター・フェローなどを務める。Wired、Mother Jones、Foreign Policy、Playboyなどに寄稿。ストーリー仕立てのノンフィクションとエスノグラフィーを融合した記事を多く執筆している。著書に、『ニューヨーク・タイムズ』ベストセラーとなった本書のほか、『レッドマーケット――人体部品産業の真実』(講談社)、The Enlightenment Trapがある。妻ローラ、愛猫ランバートとともにコロラド州デンバー在住。

「2018年 『サバイバルボディー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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