風の演劇:評伝別役実

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  • Amazon.co.jp ・本 (358ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560096505

作品紹介・あらすじ

日本の演劇を塗り替えた劇作家の半生
 日本のベケットとも称賛され、はじめてわが国の不条理演劇を確立、発展させてきた偉大な劇作家の半生を、日本経済新聞編集委員である著者が、7年間にわたるロングインタビューや周辺取材をもとに、畏敬の念を込めて書き下ろした力作評伝。
 別役実は満洲で生まれ、敗戦とともに実家のある高知へと引き揚げてきた。別役作品の多くに登場する電信柱とベンチ、そこに吹く風は、少年時代の原風景といってもいい。
 評伝の魅力の一つが縁戚関係を辿ることにあるという点では、別役家と寺田寅彦や安岡章太郎が遠縁にあたるのも、文学好きには興味深いところ。
 父を満洲で失った家族はその後、母方の実家を頼って静岡県清水市に移住。小学校の1年下には、のちに早稲田小劇場をともに創立する演出家の鈴木忠志がいたが、二人に面識はなかったという。
 家族の移動はさらに続き、長野を経て東京へ。別役実は大学時代に演劇の魅力に開眼、以後孤高の道を歩み続けてきた。著者は豊富なエピソードを紹介しながら、演劇のみならず、童話や歌詞、エッセイなども含め、別役実の全身像に迫る。付録の全作品解説は、貴重な資料。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。83年早稲田大学政治経済学部政治学科卒後、日本経済新聞社入社。84年から文化部で舞台芸術を中心に美術、音楽などを幅広く取材、2004年から編集委員。著書に『あの日突然、遺族になった 阪神大震災の十年』(白水社)、『風の天主堂』(日本経済新聞社)、『現代演劇の地図』『危機と劇場』(いずれも晩成書房)、編著書に『日本の演劇人 野田秀樹』(白水社)。

「2018年 『風の演劇 評伝別役実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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