- Amazon.co.jp ・本 (620ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560096253
作品紹介・あらすじ
森達也氏推薦! 受賞多数のリーガル・サスペンス
本書は、英国ノンフィクションの最高峰「ベイリー・ギフォード賞」(旧サミュエル・ジョンソン賞)、「英国最優秀図書賞(ノンフィクション部門)」をダブル受賞した、英国の勅撰弁護士・国際法学者によるリーガル・サスペンスだ。
「人道に対する罪」を国際裁判で初めて導入した国際法教授のラウターパクト、「ジェノサイド」という犯罪概念を創り出した法律家のレムキンというユダヤ系の二人、ナチ・ドイツのポーランド総督で悪名高き法律顧問のハンス・フランク、そしてユダヤ人迫害に翻弄される著者の祖父や家族たち……それぞれの人生と運命が交錯し、戦後のニュルンベルク裁判でそれぞれが合流するまでの探索の物語を、手に汗握る筆致で描いている。
裁判の日、ラウターパクトは法廷で英国検察チームに挟まれて、フランクの間近に座っていた。かたやレムキンは、パリの米軍病院のベッドで、裁判のラジオ放送に耳を傾けていた。裁判長が「被告人ハンス・フランク」と呼びあげる……。
森達也氏の推薦文を引用する。「展開はまるでサスペンス。……これは映画や小説ではない。歴史の重みに圧倒される」。
感想・レビュー・書評
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イギリスの国際法学者フィリップ・サンズによるノンフィクション。第二次世界大戦後のニュルンベルク裁判で世界で初めて「ジェノサイド」と「人道に対する罪」が取り上げられることとなった背景を、それぞれを発案した当時の国際法学者レムキンとラウターパクトの人生を振り返りながら描く。レムキンもラウターパクトもユダヤ系で、運良く国外に逃れ生き残ることができたが、家族の多くがナチスに殺された背景を持つ。フィリップ・サンズ自身もユダヤ系であり、祖父のレオンがレムキンやラウターパクトと同時期に同一都市にいたという繋がりを有する。著者は、各都市の図書館や公機関での調査、子孫へのインタビューを通して、これまでばらばらになっていた家族の歴史を解き明かして行く。
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4.38/90
内容(「BOOK」データベースより)
『「人道に対する罪」を国際裁判で初めて導入した国際法教授のラウターパクト、「ジェノサイド」という犯罪概念を創り出した法律家のレムキン、ナチス・ドイツのポーランド総督で悪名高き法律顧問のフランク、ユダヤ人迫害に翻弄される著者の祖父レオンや家族たち…それぞれの人生と運命が交錯し、戦後のニュルンベルク裁判へ。英国ノンフィクションの最高峰「ベイリー・ギフォード賞(旧サミュエル・ジョンソン賞)」「英国最優秀図書賞(ノンフィクション部門)」をダブル受賞!英国の勅撰弁護士・国際法学者による、リーガル・サスペンス。』
原書名:『East West Street: On the Origins of "Genocide" and "Crimes Against Humanity"』
著者:フィリップ・サンズ (Philippe Sands)
訳者:園部 哲
出版社 : 白水社
単行本 : 620ページ
発売日 : 2018/4/12 -
基本的には歴史エッセイなのだが、人道に対する罪とジェノサイドの起源についても理解が深まる、あまり類例のない本。大部だがハマればあっという間。
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ナチスの戦争犯罪人を裁いたニュルンベルク裁判。歴史上初めて「人道に対する罪」と「ジェノサイド」の概念が登場した。この二つの概念はそれぞれ別々のユダヤ系ポーランド人法律家によって作り出された。国際法学者のハーシュ・ラウターパクト(Hersch Lauterpacht)と検察官のラファエル・レムキン(Rafael Lemkin)である。この本は、二人の背景と二つの概念が作られた経緯、そしてナチス時代のポーランド総督でポーランドのユダヤ人を強制収容所に送ったナチスの法律顧問であるハンス・フランク、そして当時のポーランドに住んでいてユダヤ人絶滅の手に落ちた祖父祖母、親戚の人々の後をたどる。ミステリーを読むような緊張感。偶然と偶然が織りなす驚き。500ページを超える著作だが、ページをめくる手が止まらなかった。
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東2法経図・6F開架 329.6A/Sa62n//K