- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560095294
作品紹介・あらすじ
酒瓶に秘められた物語たち!
アブサンは約100年前に製造が禁止された「伝説」の酒として、これまで開高健など限られた好事家の想像力と好奇心をくすぐってきた。
本書は、その「禁じられた酒」について、歴史的・社会的・科学的に「図解」してゆく本邦初の本格的な文化史。19世紀末ヨーロッパに漂うデカダンスな雰囲気の象徴としてアブサンを紹介してゆくその語り口は、じつに痛快だ。
まず本書前半においては、マネ、ドガ、ロートレック、ゴッホ、ゴーギャン、ピカソ、ボードレール、ヴェルレーヌ、ランボー、ワイルド、ジャリ……日本人に馴染み深い芸術家とアブサンとのエピソードが数珠つなぎに繰り広げられてゆく。なによりも興味深いのは、酒にまつわる巨匠たちの「失敗談」が数多く物語られている点である。そして後半においては、アブサンの起源、医療や政治や戦争との関わりが繙かれる。それはすなわち、にがくて飲めないハーブが人びとを虜にした真実に迫る、酒瓶に秘められた物語たち!
19世紀〜20世紀にかけて多くの芸術家に愛飲された「緑の妖精」──ニガヨモギからつくられる蒸留酒アブサンについて、図版もたっぷりと解説。本文パートカラー。
感想・レビュー・書評
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最近まで各国で禁止されていたニガヨモギのお酒、アブサンの研究書です。
アブサンの歴史的かつ科学的な考察は後半にあり、前半はそれを嗜む文化人の酩酊伝記といった構成です。
アブサンは多くの人生を破壊してきた犯人とされていますが、どの成分が原因かは解明されていません。
どのお酒も飲み方を違えれば同じ結果になるのではないでしょうか。
密かにアブサン復活を望みたくなった一冊。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
この本に出会うまでアブサンという言葉を聞いたことがなかった。謎のお酒という情報しかないままに読んだので、新しい発見ばかりで面白かった。
19世紀の文化人達が飲んだくれて荒れまくっていたのを知って、自分はそれなりに真面目に生活してて偉いなと思うと共にちょっと前向きな気持ちになれた。ピリピリしないでお酒を飲みながら適当に生きていいのかなーと思えたのは収穫だ。
中表紙や栞紐が緑色で遊び心がある装丁はおしゃれ。挿絵も多く視覚的にも楽しめた。
調べてみるとAmazonでもアブサンが入手できるようだ。いつか飲んでみたい。 -
2019年8月8日読了。
●アブサンの禁止
スイス…1910年
ベルギー…1905年
オランダ…1910年
アメリカ…1912年
各国の禁酒法
アイスランド…1908〜1934年
ロシア…1914〜1924年
ノルウェー…1916〜1927年
フィンランド…1919〜1932年
アメリカ…1920〜1933年
●アブサンはスイスで生まれ、フランスで大量消費される
●ヨーロッパで最大のドカの絵のコレクター
ヘンリー・ヒル大尉は、ドカの「アブサン」も所有。
●ヌーヴェル・アテーヌ
マネ、モネ、ゾラ(小説家)、セザンヌ、サラ・ベルナ
ール、ゴッホ、ロートレック、ゴーギャン
ナルシス・ディアス、シャルル=フランソワ・ドービニ
ー、オノレ・ドーミエなどが集った。
●ゴッホはモンティセリの作品に強く影響されてると
テオへの手紙にも書き記している。
●P137
ニガヨモギ…学名はキク科ヨモギ属アブシンチウム
ヨーロッパおよびアジアを原産とする。
寿命が長く、生命力の強い植物で、灰色が
かった葉を茂らせて61〜90cmの高さに成
長する。
●スイスのヴァル=ド=トラヴェールは、およそ80年もの
間、アブサンの密造を公然と行ってきた村として知られ
ている。
●フランスのポンタルリエ(ブランシュ=コンテとして知
られる地方)にアブサン博物館がある。
ジョエル=ギロー氏が管理。
●ボードレールはフランスの偉大な詩人で、マネに多大な
影響を与えた。
※オスカー・ワイルド、ヴェルレーヌ、ドガ、ロートレック
ゴッホ、ボードレール、ランボーなどがアブサンの飲みだ
った。
またピカソも含めた多くの人が、アブサンを題材にした
作品を制作している。 -
アブサンの文化史: 禁断の酒の二百年
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【新着ピックアップ】「アブサン」はアルコール度数がたいへん高いことで知られるお酒。19世紀にはフランスの芸術家たちを虜にしました。詩人のヴェルレーヌは中毒で身を滅ぼしたほどです。一時期、製造禁止になったものの、また復活しました。そんなアブサンの本です。カエルと魚を使った動物実験の話は必読!
【Newly arrived!】Absinthe is a highly alcoholic beverage or anise-flavored spirit. It rose immense popularity in late 19th century France. Paul Marie Verlaine, a poet, died from its poisoning. Here is its origin, popularity, ban, and revival. Addict yourself to reading it. -
配置場所:摂枚普通図書
請求記号:588.58||C
資料ID:95170525
※「選書フェア2017」でも取り上げられました。 -
日経か何かのレビューにあったので購読
アブサンをここまで深く言及した本は後にも先にもないのではないか?