幾世の底より 評伝・明石海人

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  • Amazon.co.jp ・本 (516ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560095225

作品紹介・あらすじ

ハンセン病と闘った幻の大歌人
 昭和13年、改造社が『新萬葉集』を刊行する際、全国から募った短歌の中に、齋藤茂吉、釈迢空、与謝野晶子ら審査員をひときわ驚かせる作品があり、うち11首が収録され、全く無名の歌人が彗星のごとく世に躍り出た。
 それらの作品は、国立らい療養所・長島愛生園で療養しているハンセン病患者からのものだった。のちにベストセラーとなる歌集『白描』の作者、明石海人である。
 当時彼はすでに失明しており、作品は口述筆記での応募だったが、『新萬葉集』刊行後、彼の歌を絶賛する評論が相次ぎ、「現代の万葉調」随一の作者だという世評も高まっていった。しかしその2年後、幻の大歌人はわずか37年の生涯を閉じることになったのである。
 本書は前作『知の巨人 評伝生田長江』に続き、ハンセン病作家への並々ならぬ畏敬の念を抱く著者が、酷い差別偏見にさらされ、過酷な宿命に翻弄されながら、生きる希望と家族への愛を歌い続けた歌人の生涯を、地を這うような取材を基に浮かび上がらせた、渾身の力作である。
 表題は代表作の一つ「さくら花かつ散る今日の夕ぐれを幾世の底より鐘の鳴りくる」から。

著者プロフィール

1951年静岡県生まれ。静岡工業高校(現・科学技術高校)土木科卒。作家・評論家。19歳のとき作家の堤玲子と出会い文章の手ほどきを受ける。38歳のとき京大名誉教授で歴史家の会田雄次と出会い、物の見方を教えられる。以来私淑。主要著書『火だるま槐多』、『青嵐の関根正二』、『よみがえる〝万葉歌人〟明石海人』、『知の巨人 評伝生田長江』、『幾世の底より 評伝・明石海人』等。

「2023年 『生きねばや 評伝 村越化石』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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