新訳ベケット戯曲全集1 ゴドーを待ちながら/エンドゲーム

  • 白水社
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感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560093313

作品紹介・あらすじ

前代未聞の、笑える「沈黙劇」。

 田舎道。木が一本。夕暮れどき。ウラジミール(ジジ)とエストラゴン(ゴゴ)という二人組のホームレスが、救済者ゴドーを待ちながら、ひまつぶしに興じている───『ゴドーを待ちながら』。
 なにもかも失われていく「最後の物たち」の世界で、盲目のハムが、召使クロヴに暴君として振る舞っている───『エンドゲーム』。
   *
 本全集の監修者代表の岡室美奈子氏もいうとおり、〈ベケット作品の言葉は決して抽象的で小難しいものではなく、むしろリアルな身体感覚をベースにした情感豊かな台詞が多く、笑いのエッセンスも散りばめられている。新訳では、ベケット作品が本来持っているそうした魅力が伝わり、かつ、二十一世紀を生きる私たちの身体や言語の感覚に馴染むよう、日常的な現代口語を用いてわかりやすく訳した〉(本書「はじめに」より)ことで、ベケットが、わかるようになってきます! 
 不条理演劇の最高傑作が楽しめる「ゴドー」と、チェスの終盤戦になぞらえられる「勝負の終わり」の新訳を2 in 1で収録。前代未聞の笑える「沈黙劇」を、わかりやすく明快な翻訳でお届けします。

感想・レビュー・書評

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  • 【モンテーニュとの対話 「随想録」を読みながら】(146)「待つ」ことの積極的意味 - 産経ニュース
    https://www.sankei.com/article/20230204-ZLEN6THOANMRBIB7ZQECU7W4TA/

    新訳ベケット戯曲全集1[ゴドーを待ちながら/エンドゲーム] - 白水社
    https://www.hakusuisha.co.jp/book/b345232.html

  • 不条理劇の代名詞ともなっている戯曲である。
    とても難解と言われている。なので意味やメッセージを読みとることはハナから諦めて、ただ読み進めた。

    そして、戯曲を読書するということについて思うのであった。
    文字をたどってゆく通例の読書は、戯曲にはしっくり来ない。
    では戯曲はどうやって「読書」するのがいいのだろう。声に出して読むのがベターだと思う。とりわけこの『ゴドーを待ちながら』はそうである。さらに理想的なのはパートナーと二人一緒にゴゴとジジの役になって本を手にしながら声に出して、舞台稽古をするようにやってみるのがベストだと思うのであった。

    そして、思ったのだが、もし初見で( 事前に戯曲を読むこと無しで )この戯曲の舞台演劇を観たとしたら、きっといくつかの場面で「 この部分はきっと即興だな 」と感じたに違いない、ということだ。それほどに、ジジとゴゴの掛け合いはのびのびと自由な様子に書かれている。
    深く秘められたテーマ…を読み解くことに拘らず、そういう当意即妙の掛け合いの面白さそのものを味わってね、というのが狙いなのかもしれない。そう感じた。

    ※ウラジミール(ジジ)。エストラゴン(ゴゴ)

  • 箇条書きのような劇。理解ができなくて、誰かと語り合いたい気持ちと、もはや誰とも語り合いたくない気持ちがある。舞台で観てみたいという気持ちは湧いた。

  • ホームレス二人がゴトーを待ちながら
    時間つぶしのように掛け合いを続ける戯曲。
    ぽんぽんと掛け合いが続くものも話が
    展開しなくて、気がつくと
    ゴトーの存在も明かされないという
    シュールな物語。

    ゴトーが”人”なのか
    ”概念的なもの”なのか
    謎は解けないまま、読んだ人の心の
    描くものが正解になる面白い戯曲でした。

  • 「じゃあ、行こうか?/うん、行こう。/二人、動かない」(ゴドーを待ちながら)

    「おしまい。終わりました。終わりそうです。もうすぐ終わるはずなんです」(エンドゲーム)

  • 記録

  • いつか読んでみようとおもっていたベケット作品。
    最近読んだ本で、言及されてたので、一読。

    読後、正直まったく何が起こったかわからず..!
    生きてるのか死んでるのか、いつどこで何をしているのか、とにかく状況はよくわからないけれど、会話がぽんぽん続いて、興味深かった。
    実際の劇でわけわからなさを追体験したいなとも。

    あとがきで、自分の中で不足していた知識と、訳者さんの心掛けを聞けてよかった。「不条理演劇の最高傑作」だったそう。納得。

  • まだまだわからん。が、今季のレポートの題材に使おうかな。

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著者プロフィール

1906年アイルランド生まれ。小説家・劇作家。『モロイ』『マロウン死す』『名づけられないもの』の小説三部作や、戯曲『ゴドーを待ちながら』を発表。1969年ノーベル文学賞受賞。1989年没。

「2022年 『どんなふう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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