愛と障害 (エクス・リブリス)

  • 白水社
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本棚登録 : 88
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560090312

感想・レビュー・書評

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  • 主人公は著者本人とおぼしき、サラエヴォ出身でアメリカに暮らす作家。紛争により祖国を離れることになった暗さ、重さ、そういったものが全編にあふれています。この感覚だけは作者自身が感じたこと、そしていまも感じていること、更には今後も作者の人生にずーっとついて回るものなのだろうと思います。

  • ボスニア出身の著者による短編集。
    ユーゴスラビア・ボスニア紛争など、世界の火種と
    呼ばれる地での戦争と家族の物語。
    なかなか平和な日本からでは、わからないところ
    もありますが、力強い文脈と虚実の表層から
    引っ張られて読み進められる内容です。

  • "甘い幻想に流されず、現実に起きたことにだけ忠実に、疑問の余地のない堅固さにしがみつくことだけが書き手に求められる"
    これって『HHhH』の語り手が目指した小説の書き方だ。

  • 筆者はユーゴ紛争を機に現在アメリカに移住したそうだが、故郷と家族への思いを綴った私小説形式の短編集。見たり聞いたりした光景を繊細なおかつユーモアを踏まえて描いている。
    平和な時代に日本という小さな島国で生活をしている私には、故郷に対して筆者がどのような思いで移住を決意したか計り知れない。その思いが詰まっており、なかなかの良作でした。

  • [ 内容 ]
    サラエヴォに生まれ、ユーゴ紛争を機にアメリカに移住した主人公の思春期のほろ苦い思い出、アメリカでの奇妙な日々、家族と失われた故郷への思い…。
    ボスニア出身の鬼才による、“反”自伝的短篇集。

    [ 目次 ]
    天国への階段
    すべて
    指揮者
    すてきな暮らし
    シムーラの部屋
    蜂第一部
    アメリカン・コマンドー
    苦しみの高貴な真実

    [ 問題提起 ]


    [ 結論 ]


    [ コメント ]


    [ 読了した日 ]

  • 青春、そして性春。過剰な自意識が生々しく迫ってくる。サラエヴォやボスニアに無知な自分を悔いた。

  • 連作短編集。主人公はすべて著者本人とおぼしき、サラエヴォ出身でアメリカに暮らす作家。若い頃に羽目を外して馬鹿なことをやっていた時期の話、作家としてそれなりに名を成してからの話、作家自身の人生の区切りごとに描かれているようです。もちろん物語がそのまま作者自身に起こった出来事ではないでしょうが、紛争により祖国を離れることになった暗さ、重さ、そういったものが全編にあふれています。この感覚だけは作者自身が感じたこと、そしていまも感じていること、更には今後も作者の人生にずーっとついて回るものだろうと思います。ちなみに、若い頃の話では、<エクス・リブリス>の一つ、『デニーロ・ゲーム』のような趣を感じました。

  • 「ノーホエア・マン」(白水社)を先に読むべきか?短編で感じを掴んでからにするか、悩むところです。。。

    白水社のPR
    「思春期のほろ苦い思い出、移住先のアメリカでの奇妙な日々、家族と失われた故郷への思い……「ナボコフの再来」と称されるボスニア出身の英語作家による、〈反〉自伝的な連作短篇集。 」

    • 1685jsbさん
      「21世紀の世界文学30冊を読む」の紹介を読んで気になっている作家です。私はこの短編から行こうと思います。
      「21世紀の世界文学30冊を読む」の紹介を読んで気になっている作家です。私はこの短編から行こうと思います。
      2013/11/10
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「私はこの短編から行こうと」
      やっぱり、そうするのが良さそうですね!
      新・世界文学ナビ:北米編/5 アレクサンダル・ヘモン=ナビゲーター...
      「私はこの短編から行こうと」
      やっぱり、そうするのが良さそうですね!
      新・世界文学ナビ:北米編/5 アレクサンダル・ヘモン=ナビゲーター・岩本正恵- 毎日jp(毎日新聞)
      http://mainichi.jp/feature/news/20130806dde018070007000c.html
      2013/11/20
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著者プロフィール

アレクサンダル・ヘモン(Aleksandar Hemon)
1964年、旧ユーゴスラヴィアの構成国だったボスニア・ヘルツェゴビナ社会主義共和国の首都サラエヴォで生まれる。大学卒業後、メディア関係の仕事を経て、1992年に文化交流プログラムによって渡米。滞在中にサラエヴォがセルビア人勢力によって包囲されたことで帰国不能になり、そのままアメリカに留まる。母語ではない英語で作品を発表するようになり2002年に発表した長編『ノーホエア・マン』で高く評価される。ほかの代表作に『ラザルス計画』(未訳、2008年)や『世界とそれがかかえるすべて』(未訳、2023年)などがある。現在はプリンストン大学でクリエイティブ・ライティングを教えるほか、『私の人生の本』のようなエッセイ、音楽、映画・ドラマ脚本といった分野でも活動している。映画『マトリックス レザレクションズ』ではラナ・ウォシャウスキー、デイヴィッド・ミッチェルと脚本の共同執筆も務めた。

「2023年 『ブルーノの問題』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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