- Amazon.co.jp ・本 (418ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560083697
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【書誌情報】
著者:Nicholas Phillipson
訳者:永井大輔
ジャンル 社会 > 経済
出版年月日 2014/06/01
ISBN 9784560083697
判型・ページ数 4-6・418ページ
定価 3,080円(本体2,800円+税)
誘拐された幼少期から、母との閉じた日々、ヒュームの友情、執拗な隠匿癖まで、「経済学の祖」の全体像を初めて示した決定版評伝。「暗い」精神が産んだ明るい世界!
〈https://www.hakusuisha.co.jp/book/b206074.html〉
【簡易目次】
カーコーディでの生い立ち
グラスゴー、グラスゴー大学、フランシス・ハチソンの「啓蒙」
独学(一七四〇~四六年)―オックスフォードとデイヴィッド・ヒューム
啓蒙初期のエディンバラ
スミスのエディンバラ講義―推測的歴史
グラスゴー大学道徳哲学教授・その一(一七五一~五九年)
『道徳感情論』と商業のもつ文明化の力
グラスゴー大学道徳哲学教授・その二(一七五九~六三年)
ヨーロッパ大陸でのスミスとバクルー公爵(一七六四~六六年)
ロンドン、カーコーディ、『国富論』の執筆(一七六六~七六年)
『国富論』とスミスの「グレート・ブリテンにおける商業の構造全体に対する…激越きわまる批判」
ヒュームの死
エディンバラでの晩年(一七七八~九〇年) -
アダムスミスの生涯を単に時系列に追うのではなく、その状況下での思想を分析しながら記述を進めていて、非常に読みごたえがあった。
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アダム・スミスといえば「国富論」であり、「神の見えざる手」に代表される自由主義経済信奉者としての印象が強い。しかし、この本を読めば「人間本性」を巡る議論の一つの側面に過ぎないことが明らかになる。特にこの本では「国富論」ではなく、もうひとつの主著「道徳感情論」にスポットを当てる。あくまで、いかに良い社会を作るかであり、経済発展というのは法や政治と同様にその手段に過ぎない。あくまでルソーやヒュームといった人文思想の流れの中にあるのである。
結局、彼の思想は完成した訳ではない。いかに良い社会を作るかという問いに経済やら法やら深掘りしていくのだから当然と言えるが...
細分化が進んで人文思想と切り放された経済発展至上主義に一石を投じる本と言える。 -
難しい!!
再読が必要。 -
スコットランド啓蒙史の中でのアダム・スミスの思想の成立ちを位置づける。グラスゴー大学、エジンバラ大学の状況とデイビッド・ヒュームとの交遊を通じて、人間学を打ち立て、道徳感情論と国富論を書き上げ終世手を入れて行く。他にも人間学として2つの芸術、法の書物を出す用意があったらしいが、本人の完璧主義ぶりから2つにとどまる。