演技と演出のレッスン ─ 魅力的な俳優になるために

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  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560081761

作品紹介・あらすじ

『発声と身体のレッスン』の続編!アマチュアからプロまで、表現力を豊かにするための「演技のバイブル」ついに登場。

感想・レビュー・書評

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  • 考えることと、かんじることを同時に行う、ってカウンセラーですな。演技って面白そうだぞ。

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  • 主に、スタニスラフスキーシステムを元にした演技論。
    台本を読んでどのように状況と設定を作りこみ、それをどのように表現するのかの方法論が具体的に書かれている。私は演技はしないが、なぜあの役者の演技が素晴らしくて、なぜあの役者の演技は拙いと感じるのか、その理由が明確に見えるようになったのがとても収穫だった。

  • 鴻上さんの演劇ノウハウ系は全て読んでいますが、これが1番、具体的でとても分かりやすかったです。
    俳優を目指す人たちは、演劇学校やワークショップで、こういう授業を、毎日やってるんだろうなと想像できました。
    なので、一人でこのトレーニングを行うのは、ちょっと難しいかもしれません。
    「スタニスラフスキーシステム」のメソッドについて、分かりやすく説明がまとめてありました。

  • なんども読み返すことになります。
    毎年、少しずつ上達の道を歩いていきたい。

  • 帯文:”堤幸彦さん大絶賛!” ”アマチュアからプロまで、表現力を豊かにするための「演技のバイブル」ついに登場。”

    目次:はじめに、レッスン1 自意識と集中の輪、レッスン2 「与えられた状況」、レッスン3 魔法の「もし」、レッスン4 目的または意図、レッスン5 「障害(じゃまをするもの)」、レッスン6 行動、レッスン7 状態ではなく行動、レッスン8 感覚の記憶、レッスン9 感情の記憶、…他

  • とてもお世話になりそうです。

  • デートに誘う演技を人前でした時の気恥ずかしさを思い出しました…。演技中に特に気になる、自意識を誘導する方法・演技の幅の出し方が紹介されています。

  •  正直、職業的な興味でふっと衝動買いした本です。
     割と面白かったです。

     内容は所謂ワークショップ本とでも言いますか、鴻上尚史さんが、あちこちで若い人向けにワークショップをやるときに、やることや言うこと、を効果的にまとめました、みたいな感じです。

     面白かったのは、何が良い演技・良い俳優なのか、という定義不可能な問題について、鴻上さんは、

     「それはまあ分かんないし、天才とかいるし、才能とかあるし。でもとりあえず、あなたが職業俳優になった場合に、"なるたけ失業期間の短い職業俳優"、になるには、どうしたら良いか?」

     という、もうちょっとブレイクダウンした具体的な次元で、まず課題を設定していることですね。

     その上で、スタニスラフスキーシステム。昔、スタニスラフスキーの本はちょっと読んだんですが、正直まったくピンときませんでした。訳が悪いのか・・・。スタニスラフスキーって、名前からして早口言葉ですよね。

     で、鴻上さんは、スタニスラフスキーシステムは、テレビドラマ的大量生産の現場での演技術の中で崩壊した、と考察していて、まずそれが、うんうん的確だなあ、と思うんですね。それだけでも興味深いんですが、鴻上さんは、

    「記憶と感覚、みたいなスタニスラフスキーシステムは、スタニスラフスキーの前期の考え方です。
     それはそれで無論価値はあるんですが、僕はそれよりもスタニスラフスキーが晩年に至った考え方、内面よりもまず外面、体の動きを重視する考え方が好きです」

    と、立場表明する訳ですね。
     面白いですねー。ちょっとドキドキしますねえ。・・・普通、何が何だかワカラナイですよね。

     ものすごーく大雑把に言うと、役柄とか芝居を考えるときに、

    「自分がいちばん傷ついた記憶をさぐる」 とか
    「内面を深く掘り下げて感情の源からどうのこうの」 とか

    そういう、そりゃーほとんど新興宗教じゃねーか?
    と聞こえかねない言葉があって、
    それはそれで言葉がいい加減に使われているだけで考え方は悪くなかったり、方法の一つとしてはアリだったりするんですね。

    ただ、そういうことよりも、

     「悲しい」 という状態は、表現はできない。無理にしても紋切りになるだけ。
     悲しいなら、何をする?
     どういう状況にいるのか、自分で細部まで妄想する。
     例えば、17歳で川沿いで失恋して誰も見てなくて夕焼けがあるならば、「叫んでみる」とか「川に飛び込んでみる」とか「しゃがみこんで空を見つめる」とか。
     とにかく、「悲しい」ということを自分の中で具体にブレイクダウンして、外面化する、みたいなこと。

     その辺を妄想する思考力?想像力?それを表現できる身体性。
     例えば声の出し方のバリエーションを持っているか。
     しゃべりかたのテンポのバリエーションを持っているか。
     自分で集中するときに、集中の段階を使い分けられるのか
     (独りの内面に入る。相手とふたりの関係に没頭する。周辺の社会まで意識する。みたいなパターン分けができるか)。

     みたいに、とにかく切れば血が出るような具体性を意識して書かれている。結構面白かったです。

     というワケで、ヘンに過剰に超人的内面性に依拠した演技論とか、スタニスラフスキーの前期の思想をなんだかヘンテコに衒学的に訳した本に依拠した、一見カッコイイけど具体的には 「結局そりゃアンタの主観次第じゃん」、 となってしまうような演技論とか、そういうものを読むよりは、俳優志望の人や、実際俳優の入口に立っている人、入っちゃった人とかには、お薦めですね。

     なーんて言いつつ。
     僕は実は、かつて鴻上さんの監督映画「ジュリエット・ゲーム」を封切りロードショーで観たんですね。誰も知らないだろうなあ・・・。
     村上弘明さんと国生さゆりさん主演で、一目惚れ映画で、とにかく劇中でRCサクセションがバンバン流れて、それが好きだったんです。
     それから、ずーっと後年ですが、鴻上さん作・演出の演劇「リンダリンダ」を観た事があります。山本耕史さん主演で、ブルーハーツが流れまくるんですが、僕はコレも感動しちゃいました。
     不勉強なことにそれだけで、第三舞台とか観たことないんですけど、その二つの体験は割と覚えてるんですね。
     そんな体験があるから、何となく説得力があるように読めちゃうだけかも知れませんけどね。

     ま、でもコレ、シリーズなんで、いつか別のモノも読むかもです。

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著者プロフィール

著者等紹介
鴻上尚史[コウカミショウジ]
1958年8月2日生まれ。愛媛県新居浜市出身。早稲田大学法学部卒業。劇作家・演出家・エッセイスト・小説家

「2023年 『ヘルメットをかぶった君に会いたい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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