イタリア広場

  • 白水社
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  • Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784560080221

作品紹介・あらすじ

三十歳で死ぬことが宿命づけられている男たち三代の物語。激動のイタリア現代史を、ある家族の叙事詩として描く。作家の小説第一作、待望の邦訳なる。

感想・レビュー・書評

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  • 統一イタリア王国から戦後の共和国まで約1世紀、激動の近代イタリアのある村の3世代にわたる一族の歴史。国王からドイツ軍そして大資本家へと村の「主人」は変わっていっても、貧しいながらも気骨ある生き様を見せる一家の男たちは、ガリバルディ、パルチザン、共産党のシンパとして安易に屈しない生き方を選ぶ。それゆえに早世する悲劇的な人生模様を、寓話のスタイルをとりながら淡々と語っていく。ごく初期の作品のためタブッキらしい幻想的な作品を期待すると戸惑うかもしれないが、イタリアの真髄を描いた傑作だと思う。

  • イタリアの小説は初めてかも。一つ一つのエピソードが短く、淡々と時間が進む不思議な感じ。生きるも死ぬも結婚も別れも淡々と進む感覚は、これぞイタリアということなんだろうか。何かに似ていると思ったらニューシネマパラダイスを見終わった後の不思議な感覚。あなたとは全く違う人生があるんだよと、垣間見せられたような。

  • 『百年の孤独』に似ているという感想を見るたびに、読んでいない自分に忸怩たるものが。主人公の祖父母や親の代から物語が始まるって、すごく正統的。モダンとオーソドックスの共存。

  • 実にひさしぶりのイタリア文学。タブッキは、初めて。「読書メーター」の感想と表紙の写真に魅かれて読んでみた。物語は、なんとエピローグから始まる。1つ1つの章も短かく、映画のカットのように構成されている。トスカーナの西部マレンマにある村を主要な舞台にしながら、いわばイタリアの激動の時代が描かれるのだが、性急さや熱っぽさはなく、淡々と語られるところに特質があるだろう。ただ、そんな作品だけに、どの登場人物にも感情移入しにくく、通常の小説とは違った読後感だった。

  • 面白かったなぁ!ニューシネマパラダイスも同様で、イタリアの広場は人生を語るようなので大好きです。人生讃歌ですね。

  • タブッキの処女作。どれを読んでも裏切らない作家だが、その中でも一番好きかもしれない。男も女も、主役も脇役も魅力的。きっと何度も読み返すだろう。

  • 「村」に暮らすプリニオとエステリーナ夫妻とその子どもや孫たちまでの三世代の物語。
    2度の戦争を経て変わっていく村や人々。
    イタリアの近現代の歴史がわかっていないため、いまひとつピンとこなかった。
    窓の話が印象的。何かを象徴してるのかだろうか? そういうのがよく分からない。
    子世代の双子たちの話をもっと読みたかった。

    読書会10月課題本。

  • 時系列がバラバラで初見はわかりづらいです。訳はとても読みやすいです。

  • 百年の孤独が読みたくなった。

  • タブッキの第一作。

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著者プロフィール

1943年イタリア生まれ。現代イタリアを代表する作家。主な作品に『インド夜想曲』『遠い水平線』『レクイエム』『逆さまゲーム』(以上、白水社)、『時は老いをいそぐ』(河出書房新社)など。2012年没。

「2018年 『島とクジラと女をめぐる断片』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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