- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784560049686
作品紹介・あらすじ
世界で一番難民の多い国に開設した診療所での奮闘の日々-。
感想・レビュー・書評
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アフガニスタンの過酷な環境を知るものと思って読み始めると、著者のコミカルな語り口に一瞬肩透かしを食らうが、やはり戦地で働くお医者さん。シビアな面がどんどん描かれていく。
国際協力というと、漠然と”いいこと”くらいにしかわかっていなかったが、かなり具体的な目標を設定し、それを細かく期限を決めて一つ一つ達成していく、という地道な行いらしい。こんなことを無償で、危険な異国の地でやっている人がいるというのは本当に頭が下がる。
毎日、「南西に○○㎞のところで戦闘」などという連絡が入る中で、支援団体への報告レポートを英語で打ち、健康意識改善のための講演会を現地人に対して行いつつ、通常の診断業務も...優秀だからだけではできない所業だ。
20年近く前の本なので、環境問題などに対する知識などはその時代のものだな、という印象はあるが、同時多発テロ直後?のアフガニスタンの空気感を知ることができる貴重なものだと思う。
イラクに攻め込むことへの国際的な言い訳として、見かけだけのボランティアを行うブッシュ率いるアメリカ軍の
一つだけ、異議を唱えたいのは、避妊を教える時に女性に特に教える、というところだ。望まぬ妊娠をする女性が世界中に山ほどいて、それは男性によって起こるということを忘れないでほしい。
印税等は全て非営利扱いになっているとのことです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
・国際協力の世界で有名(らしい)山本さんの本を片っ端から借りてみた
・アフガニスタンでの国際協力を、臨場感たっぷりに綴ってある本。砕けた文体で馴染みやすかった。「持続可能」っていうのがキーワードなんだろうなぁ -
とても勉強になった。
国際協力という堅めのお話から、人間の機微に関わる柔らかめのお話、アフガンの過酷な現実、興味深い習慣など、絶妙なバランスで織り交ぜた盛りだくさんの内容。ご自分で撮られたプロ級の写真、おもしろおかしく興味を引く文章力。筆者の山本さんのお人柄も素敵なんだろうなあと思いながら、読みました。 -
国際協力とは、な話なんだけれど、20年前と現在とどちらがマシなんだろう?と思うレベルの世界に心が。
持続可能な手助けって大変なんだなーって、思いながらも、話の内容がとっちらかるので深刻に読んで良いのか悩む。
内容はかなりシビアなんだよ、あっさり人が死ぬし。
日本は国際協力不毛地帯ってのはやっぱり語学の壁が高いのかな、とか若者マジで金ないし、生きるのでいっぱいいっぱいなの珍しくないしね。
命の危険まではないけれども。
そして志がある人ほど現実の辛さが堪えそう。 -
国際支援、特に医療関係者の人には面白い内容だと思う。
支援のあり方とはどのようにあるべきか。
持続可能であることが一番大切。
国際支援というと、医者や看護師になりたがる人が多いが、実はそれよりも公衆衛生学の方が大切である。しかし、公衆衛生を講義できるのはある程度落ち着いた国であるという皮肉。
国際支援は医療関係だけでなく、人類学や宗教学で新たな停戦の視点を与えることによっても可能。 -
やっと手にすることができた本(タイミングがあって)
国際協力をするにあたって、忘れてはいけない視点がたくさん詰まってた。自分も忘れないよにカンボジアいこう。 -
111203fromMixi
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最初の難民の女の子の話で泣きそうになってしまった。
前の本と二冊読むことでこの人の見方がだいぶみえてきた。
パシュトゥン人ってきれいだなーとも思った。
米国が軍事行動前に中途半端な救済活動して、そのせいで攻撃後にほかの国際協力の団体までもがテロの対象になってしまった、というのは興味深い。 -
豊富な知識や経験ベースにありながら、一般の人にもとてもわかりやすく、「ぷふっ」と笑えちゃうエピソードなんかも交えて、国際協力の現場と理論をかいてくれている。
すばらしい本です!! -
著者が面白く、分かりやすく書いている。けど、本当にすごく真面目な方で多くの葛藤を抱えているのだと思う。