岡本太郎歓喜

著者 :
制作 : 岡本敏子 
  • 二玄社
3.96
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本棚登録 : 81
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784544020717

感想・レビュー・書評

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  • 青春は暗いと岡本太郎は言う、抑えられた青春は内向する、破壊か抑圧か。いずれにしても他を傷つけ、おのれが傷つく。それが青春の必然だ。と岡本太郎は言う。だが、岡本太郎の言う青春は年齢のことではなく、世界に対して瞬間瞬間に全自分で挑んでいる人間のことを言うのだと思う。瞬間瞬間に生きていない人間には青春すら来ないだろう。

  • 生きるエネルギーを湧かせる源。太郎ちゃんの思想が凝縮されてていつ見ても涙出るほど心揺さぶられる

  • 『だれでも、青春の日、人生にはじめてまともにぶつかる瞬間がある。そのとき、ふと浮かびあがって来る異様な映像に戦慄する。それが自分自身の姿であることに驚くのだ。それはいわゆる性格とか、人格とかいうような固定したものではない。いわば自分自身の運命といったらいいだろうか。
     自分自身との対面。考えようによっては、きわめて不幸な、意識の瞬間だが。
     そのとき人は己れを決意しなければならない。人間誕生の一瞬である。
     それからは生涯を通じて、決意した自分に絶望的に賭けるのだ。変節してはならない。精神は以後、不変であり、年をとらない。ひたすら、透明に、みがかれるだけだ。
     もちろん貫くには、瞬間、瞬間、待ちうける膨大な障害がある。それはこちらをねじ曲げ、挫折させ、放棄させようとする。だが、そのようなマイナスは、それと徹底的に対決することによって自分を豊かにし、純化し、深める、いわば触媒であるにすぎず、そのたびに己れは太く、強くなるのだ。どんなことがあっても、自分がまちがっていたとか、心をいれかえるとか、そういう卑しい変節をすべきではない。一見、謙虚に見えて、それはごま化しであるにすぎないのだ。』


    高校入学前、図書館でこの本に出会ってしまったのがそもそもの間違いというかなんというか・・・。
    「無人島に持って行く一冊」を訊かれたらこれを選ぶかも。

  • この人の作品、言葉、全てが強烈な力で迫って来る。一番好きな作品は「傷ましき腕」

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著者プロフィール

岡本太郎 (おかもと・たろう)
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、30年代のパリで抽象芸術やシュルレアリスム運動に参加。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。70年大阪万博で太陽の塔を制作し、国民的存在になる。96年没。いまも若い世代に大きな影響を与え続けている。『岡本太郎の宇宙(全5巻)』(ちくま学芸文庫)、『美の世界旅行』(新潮文庫)、『日本再発見』(角川ソフィア文庫)、『沖縄文化論』(中公文庫)ほか著書多数。


平野暁臣 (ひらの・あきおみ)
空間メディアプロデューサー。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。『明日の神話』再生プロジェクト、生誕百年事業『TARO100祭』のゼネラルプロデューサーを務める。『岡本藝術』『岡本太郎の沖縄』『大阪万博』(小学館)、『岡本太郎の仕事論』(日経プレミア)ほか著書多数。

「2016年 『孤独がきみを強くする』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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