二万年の奇跡を生きた鳥 ライチョウ

著者 :
  • 農山漁村文化協会
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784540121180

感想・レビュー・書評

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  • ライチョウについての様々な事柄について研究調査した結果が、詳細に書かれていた良い本だった。日本古来の山岳信仰がライチョウの「人を恐れない」行動に繋がっていると知った。以前私も山の中腹でライチョウに出会ったが、逃げなかったことを思い出した。地球温暖化、里山の衰退による野生動物の高山進出などによりライチョウの個体数が減ってきているのは非常に深刻である。現在、地元の動物園でも繁殖が試みられライチョウの中央アルプスへの野生復帰を目指して研究調査が進んでいる。日本の自然に長く根付いて暮らしていた「神の鳥」から学ぶことはたくさんある。一度壊した、無くしたものは戻らない。行政と研究者が同じ方向を向き、同じ熱意を持って知恵を出し合うことこそ保全活動の成功に繋がると改めて感じた。

  • 雷鳥のことを詳しく掘り下げていて、読み応えがありました。

  • ふむ

  • やっと読めた。面白いけど、もうちょっと専門的なこと知りたいなぁ。

  • たまたまフィギュアが手に入ったので読んでみました。
    生で見てみたいですけど、生息場所が高地なのでなかなか難しそうですね。

  • 近年、乗鞍岳にて行われた研究結果から、ライチョウの生態が次々と明らかになったことが綴られています。ライチョウに関して大変興味深い内容が多々あり、そしてこれまでの疑問が解決され、ページをめくる手が止まりませんでした。
    中でも最も興味深いお話は、70年ぶりに地元白山で見つかったライチョウは、DNA判定の結果、北アルプスから70kmもの距離を移動してきたことが分かったこと。発見された後も1羽だけで生き続けているとのこと、どうかもう一度奇跡が起こりもう1羽雄が移動してきて繁殖に成功するといいのですが…
    その他、厳冬期の過ごし方、天敵との戦い、雛の育て方、死ぬまでつがいが継続されることなど興味深いお話が多々ありました。
    本書を読むことで、氷河期から生き続けてきたライチョウと高山植物の魅力をあらためて感じ、そしてこの研究結果から行われている保護活動がどうか成功しますように。このままいくと温暖化や天敵となる野生動物の増加により近いうちに絶滅する恐れのあるライチョウが何とか行き続けていけますように。あらためてこの貴重な自然が失われないことを心から祈らずにはいられません。

  • これまで北アルプスに登山に行った際によく雷鳥を見かけた。それほど天候に恵まれない登山をすることが多いということなのだけど、その辺を自分たちの庭だという感じでこちらが近くで見ているのも気にせず歩いている姿には人なっつっこさも感じられつい笑顔になる。この本によると人から逃げない雷鳥というのは日本の雷鳥だけらしい。雷鳥研究のこれまでの歴史と乗鞍岳の120羽余りの雷鳥へのナンバリングと十年以上に及ぶ追跡調査からわかった雷鳥という鳥の謎、そして今雷鳥が置かれている危機的な状況を知ることができる。次に雷鳥を見かけた際はもう少ししっかり見てみようかな。

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著者プロフィール

理学博士・財団法人中村浩志国際鳥類研究所代表理事・信州大学名誉教授。専門は鳥類生態学。 小林 篤(こばやし・あつし) 理学博士・財団法人中村浩志国際鳥類研究所理事兼研究員・東邦大学訪問研究員。専門は鳥類 生態学および個体群生態学。

「2018年 『ライチョウを絶滅から守る!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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