「安全な食べもの」ってなんだろう? 放射線と食品のリスクを考える

著者 :
  • 日本評論社
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  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535586048

作品紹介・あらすじ

「ただちに健康に影響があるわけではない」は正しい。リスクを無視した、怖がらせ、センセーショナルに感情に訴え騒ぎ立てる手法に異議あり。長年、発がん物質の研究を続けてきた著者が、食品中の「ヒ素、ダイオキシン、アクリルアミド、アフラトキシンなど」と放射線の発がんリスクを比較し、「ものさし」としての使い方を伝える。食品の安全性や放射線影響に不安を感じている人にとって、不安を解消する一冊。

感想・レビュー・書評

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  • 食べ物にはいろんなリスクがある。当たり前だけど。それと昨今の放射線リスクとを定量的に比較している。この本はなんとなく信頼できる。文体等から判断するに。

  • ◆きっかけ
    『各分野の専門家が伝える子どもを守るために知っておきたいこと」で同著者がおすすめ関連本として紹介していて。2016/11/14

  • 賛否両論あると思うけど,少なくとも,科学に携わる人なら,この言葉だけは強く共感するはず.
    ”科学を「やさしいことば」で説明すると,実は全く理解できていないのに理解した気になってしまうことでかえってコミュニケーションがうまくいかなくなることがあり,難しい問題です.”
    この一文に出会えただけで読む価値があったと思う.

  • 食品中で発がんリスクが最も高いものがヒ素で、ヒ素を桁違いに含んでいるヒジキは、海外では輸入・販売を禁じられている、つーのは結構ショック。

  • 放射性物質の危険性について、他のリスクと比較しながら書いてあり、放射性物質をはじめ食品のリスクについて気になる人にはお勧めです。

  • 請求記号・498.5/Un 資料ID・100056983

  • そもそも「リスクのない食べ物はない」という認識を持つことが大切だと思う。昨今、放射線による食品の安全基準が問題になっているが、それ以外にも発がん物質はあるし、食品そのものの安全性がよくわかっていないケースも多いのだ。

    たとえば、これまで知られている食品中でもっとも発がん性の危険があるのはヒ素。ヒジキや米にも大きく含まれており、英国では輸入や摂取を禁止していたり、乳児に摂取させないように提言している学者もいる。ヒジキ、ご飯を食べ続けたときと、放射線による影響を比較すると、確かに高い。(ただ、確実にがんになるかといえば、必ずしもそうではないので、注意が必要)。リスクを正しく認識するには、そのリスクを共通のものさしで比較することが大切で、一部だけにとらわえれて、全体を見失わないようにすることも大切だ。

    というわけで、食品のリスクを理解しつつ、何がメリットかをよく考えて、バランスよく食事することが大切だと思う。食事は楽しくおいしくいただくことが大事だよね。

  • そもそも食品中の放射性物質による健康被害は、食品がもともと持つ有害物質によるものに比べてどの程度のものだろう?そんな疑問に対して、正しく怖がるためのイメージをつかむ手掛かりになる一冊。

  • 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部第三室長で、
    薬学博士の著者が 食品のリスクについて説明している。

    農薬や食品添加物のリスクと
    放射線による汚染リスクとの比較を
    実際に計算して 数量比較をする

    その計算方法がなかなか複雑で、
    そのため、説明も簡単には読み進められない。
    それが、けっこう辛い。

    が、主張されている内容は しっかり考えるべきもの

    食品には未だ解明されていない多くのリスクがあるなかで、
    少ない量でも正確に測定できる放射性物質は
    むしろ管理しやすい部類のリスクだと 言う

    健康被害が出る危険のある量よりはるかに少ない量の放射線物質、
    BSEや遺伝子組み換え作物など、
    実際には極めてリスクが小さいのに大騒ぎされる。
    他方で、
    例えばコメであれば、カドミウムやヒ素など、
    もっと大きなリスクが検討されていない。

    震災以降の、私たちの過敏な対応に、
    食品リスクの専門家はいらだちを覚えているのだろう。

    「実際に損なわれているのは安全ではなく、信頼であることの方が多い」
    (p.15)

    本当に安全を問いたいのなら、
    冷静に全体を見渡して、自分で判断すること
    それが求められているのだろう。


    著者のブログ
    食品安全情報ブログ
    http://d.hatena.ne.jp/uneyama/

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著者プロフィール

国立医薬品食品衛生研究所安全情報部第三室長

「2016年 『「健康食品」のことがよくわかる本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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