- Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
- / ISBN・EAN: 9784535563292
作品紹介・あらすじ
「なんで勉強しなきゃいけないの?」──誰もが一度は考える、でも誰も答えられないこの疑問に、哲学を使って「納得解」を出す!
【目次】
はじめに
第1章 「一般化のワナ」と「問い方のマジック」
1 落とし穴その1:一般化のワナ
「経験」は人それぞれ/学校の先生と塾の先生、どっちがいい?/先生だってひっかかる/少年少女は凶悪化した?/みんなが納得できるだろうか?
2 落とし穴その2:問い方のマジック
二者択一のワナ/一〇人乗りの救命ボートに、一一人が乗り込んだ……/第三のアイデアを
コラム1 超ディベートについて
第2章 なんで勉強しなきゃいけないの?
1 どうして答えが出ないのか?
「納得解」を見つけよう/ニヒリズムという〝どん詰まり〟/「神は死んだ」
2 「答え」を出すにはこう考える
ニヒリズムを乗り越える/「問いの立て方」を変える/自分にとっての正解を/条件を整える
3 〈自由〉になる――だれもに共通する「答え」
「生きたいように生きる」には/〈自由〉になるため/この章のまとめ
コラム2 「唯一絶対の正解」ってほんとにないの?
第3章 なんで学校に行かなきゃいけないの?
1 なんで勉強を強制されるの?
二つの〝正論〟/やっぱり勉強なんて役に立たない?/学力=とどのつまりは「学ぶ力」/探求型の学び/「学び」のこれから
2 学校に行くのは何のため?
どうすれば〈自由〉になれる?/〈自由〉をめぐる戦争の歴史/戦争がなくならない理由/〈自由の相互承認〉の原理/〝感度〟をはぐくむ
3 学校に必要なこと
がんばってきた日本の学校/日本の教育は悪平等?/何が必要な「平等」か?/いじめ、体罰、そして教育の未来……
コラム3 道徳教育のジレンマ
第4章 いじめはなくせるの?
1 いじめはどうして起こるのか?
いじめの根源/厳罰主義か、更生主義か/自己不十全感/逃げ場のない教室空間
2 いじめのなくし方
人間関係の流動性/信頼と承認/教師の多様性/教師への信頼/なぜ体罰はダメなのか?
コラム4 「コミュニケーション力」は一つじゃない
第5章 これから学校はどうなるの?
変わりゆく学校/学校に代わるもの?/教育の未来のために
ブックガイド・参考文献
あとがき
感想・レビュー・書評
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小学生が読むならいいかもしれないが…
うーん…
一般化のワナ、問い方のマジック
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孫を育てる子どもたちに、読んでもらいたい内容だ。
わたし自身も初めて知った根本的な勉強することの意味。学校に行く意味。こういうことを分かった上で、あるいは見つめたうえで、学ぶことができたら(もちろんそういったことを実現しょうとする環境も必要)きっと子どもたちは、もっと多様な姿勢で意欲的に学ぶことに向かっていける。
中学生向けに書かれているので、子どもに直接読ませたいが、彼らの生きる環境をになっている親にまず読んでもらいたいと思った一冊。 -
これは良書だと思います。タイトル通り、子ども達に読んでもらいたいのはもちろん、子を持つ親も一読する価値がある本です。
「人間」として「自由に生きる」ために学ぶ。
「社会」の中で「自由に生きる」ために、世界を学ぶ場として学校に行く。
二者択一を迫る問いには注意しなくてはいけない、唯一の答えなんてないのが普通、だから「その時の自分にとっての答え」を他の人にも納得できる形で考え続ける必要がある、という自分にとっての哲学を教えてくれる本です。大人も学びを得られる本です。 -
大学の卒業制作のときに参考文献として読んだ本。
教育の道に進もうとしたとき、「そもそもなんのために学校に通うのか、なんのために人は学ぶのか」を知っていなければ、本当の意味で子どもたちのためになる教育はできないと考えて「学ぶとは何か」をテーマに研究をした。
理科のゼミに所属していたのに、最終的には教育哲学的な卒業制作が完成した。笑
とてもわかりやすく簡単な表現で書かれているため、教育哲学について興味がない教育学部生さんでもサラッと読める!
学ぶ側はもちろんのこと、教える側になる人にも是非読んでもらいたいおすすめの本♪ -
著者の答えは
「なんで勉強しなきゃいけないの?」→自由になるため
「なんで学校に行かなきゃいけないの?」→「自由の相互承認」を身に付けるため
いじめやこれからの学校についても語られています。
「一般化のワナ(自分だけの限られた経験を、ほかの人にも
あてはまるものとして考えてしまうこと)」と
「問い方のマジック(二者択一問題を提示されると、
思わずどちらかが正しいんじゃないかと思ってしまう)」に
引っかかってはいけない、肝に命じたいと思います。 -
誰もが一度は疑問に思うことで、子どもから聞かれたらどう答えたらいいだろうと思っていたこと。答えではなく納得解が提示されていたが、なるほど納得できた。個人の経験を世間一般論に置き換える「一般化のワナ」と、二者択一でどちらが正しいかを対立させる「問い方のマジック」で語られがちだが、絶対的な正解は存在しないと認めることが大事らしい。自らが自由に生きるため、他者の自由も尊重するために、その子なりの答えを見つけられるよう手助けできたらいいな。読みものとして面白い本だった。
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腹落ちしました。
苫野さんの本は2冊目ですが、考え方の大切なところに深く入ってくるように思います。
私たち人類は1万年以上もの間「自由になりたい」という欲望を達成するために相手の自由を奪い合って来た。
しかし二百数十年ほど前にようやく争いをできるだけ無くすことのできる考え方を掴み取った。発見したのはヨーロッパの哲学者たち。とりわけルソーやヘーゲルであった。
ひとはなぜ戦争を止めることができないのか?
それは
「人間がそもそも自由になりたいという欲望を持っているから」
相互自由承認の感度を身につけるために
わたしたちは学校に行く。
みんなが自由になるために
平等に感度を育てる機会を与えられるべきである。またそのかたちは多様にある。
納得のできる内容でした。