コルナイ・ヤーノシュ自伝: 思索する力を得て

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  • Amazon.co.jp ・本 (459ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784535554733

作品紹介・あらすじ

ハンガリーの経済学者コルナイが綴る20世紀中欧の証言。歴史と理論創造の営みを語る。

感想・レビュー・書評

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  • コルナイ・ヤーノシュ自伝―思索する力を得て

  • 【書誌情報】
    原題:A gondolat erejével - Rendhagyó önéletrajz
    著者:Kornai, János
    訳者:盛田常夫
    出版社:日本評論社
    ISBN:978-4-535-55473-3 
    発刊日:2006.06
    判型:A5判 
    頁数:480
    定価:本体 4,700円

     1928年に生まれたハンガリーの経済学者コルナイの自伝。第二次大戦後の社会主義計画経済から現在までのライフヒストリーを語る
    https://www.nippyo.co.jp/shop/book/2849.html


    【目次】(全21章)
    前書き(2005 年 2 月 10 日 ブダペスト コルナイ・ヤーノシュ) [iii-ix]
    目次 [xi-xvii]
    凡例 [xviii]

    第1章 家族、青年時代(1928年-1944年) 001
    父のこと
    家族のこと
    ドイツ帝国学校
    精神の彷徨
    1944年:父の運命
    1944年:私の逃亡

    第2章 共産主義者になる(1945年-1947年) 022
    共産党への親近度
    1944年トラウマへの反動
    精神的変革、共産主義者の政治思想の受容
    カリスマ的な人々
    共同体への帰属
    偶然の効果と能力

    第3章 「自由な人民」編集局時代(1947年-1955年) 039
    急速な昇進
    ヴォランティア精神
    編集局の日々
    実経済から学んだもの
    知的荒廃
    倫理的釈明

    第4章 覚醒の始まり(1953年-1955年) 055
    「新時代」
    監獄から戻った友人たち
    啓発的な会話と読書
    初めての「命令拒否」
    ナジ・イムレの著書
    「自由な人民」編集局の反乱
    「自由な人民」時代の終焉

    第5章 研究生活の始まり(1955-1956年10月23日)――『経済管理の過度集権化』をめぐって 070
    先行事情
    精神的衝動
    マルクス政治経済学との決別
    研究生活の開始
    論文の主要な命題
    著書への反応
    政治的背景

    第6章 革命とその帰結(1956年10月23日-1959年) 098
    ナジ・イムレの新プログラム
    「マジャールの自由」
    虐げられた日々
    『経済管理の過度集権化』への批判
    研究所からの追放
    監獄の影を背負った自由
    友情と連帯

    第7章 私の大学(1957年-1959年) 124
    自己研鑽
    ランゲ-ハイエク論争
    軽工業の研究
    「一線を画す」
    袋小路
    人生の決断

    第8章 経済学への数学的手法の適用(1957年-1968年)――「二水準計画化」をめぐって 136
    リプターク・タマーシュとの出会い
    利潤分配の数学的検証
    繊維工業の計画化
    二水準計画化
    中央計画化の理想モデル
    国民経済計画化の出発的原理
    コンピュテーション
    意味有りや?
    数学者との協働

    第9章 西側への旅行(1963年-) 162
    先行した出来事
    英国ケンブリッジ
    ロンドン経済大学
    諜報部員の報告から
    旅行と外国出版のメモワール
    謀略の失敗

    第10章 価格に挑む(1967年-1970年)――『反均衡』をめぐって 181
    出版にいたる経緯
    著書執筆の動機
    類似性への思索
    一般理論から期待されるもの、期待されないもの
    合理的意思決定者
    非価格的シグナル
    均衡、買い手市場、売り手市場
    政治的視点から解釈した一般均衡理論
    科学における改革、革命
    最初の反応、長期の影響
    書いて良かった?
    主観的なコメント

    第11章 研究所、大学、アカデミー(1967年-) 204
    経済科学分野の公的な第一人者
    何もなかったかのように
    信頼と忍耐
    挫折した研究所改革
    禁じられた教育活動―それでも教育した
    アカデミー会員になった事情
    アカデミー会員の特権

    第12章 模索と準備(1971年-1976年)――『強いられた成長』と『非価格シグナルによる制御』をめぐって 223
    強いられた成長か、調和的成長か
    英国ケンブリッッジへの招聘
    腰までギプス-ケインズとハーシュマン
    プリンストンでの講義
    スタンフォードとワシントン
    自律的制御
    きしむ適応機械
    新しい住居の完成
    市場化改革―カルカッタ毛沢東主義者の見解

    第13章 全体像の完成(1976年-1980年)――『不足』をめぐって 243
    刺激的な環境
    著書のメッセージ
    自己検閲
    校閲
    最初の反応
    「不均衡」学派との討論
    「ソ連正統派経済学者」との討論
    体制腐食化への貢献
    出版の政治的・倫理的ディレンマ再論

    第14章 突破(1979年)――「予算制約のソフト化」をめぐって 263
    概念の意味と意義
    先行事情
    経験による証明
    現象の数学モデル化
    最初の総括論文のこと
    そして、出来事の教訓

    第15章 友情溢れる批評と距離を置く批判(1968年-1989年)――「ハンガリーの改革プロセス:展望・希望・現実」をめぐって 278
    半ば実現し、半ば消滅した希望
    ナイーヴな改革者から批判的分析家へ
    「何を為すべきかを言う代わりに」
    効率性と社会主義倫理
    所有権の重要性
    ランゲ・モデルとハンガリー改革の現実
    回り道:もうひとつのハンガリーの現実
    今から回顧してみれば

    第16章 ハーヴァード(1984年-2002年) 297
    プリンストン高等研究所
    ハーヴァード大学教授招聘事情
    ケンブリッジへの引っ越し
    講義の喜びと難しさ
    多様性と寛容
    倫理的厳格さ

    第17章 ハンガリーの内と外(1985年-) 315
    ハンガリーに繋げるもの
    日常生活の比較:ケンブリッジとブダペスト
    世界文化のひとつの中心
    友人たち
    ヨーロッパと世界の経済学者の共同体
    中国への旅行
    どこが我が家

    第18章 統合(1988年-1993年)――『社会主義システム』をめぐって 336
    著書執筆の経緯
    総括を意図する
    実証分析と諸価値
    一般理論
    遅すぎた? それとも、早すぎた?
    東と西からの評価
    そして、右と左からの批判
    ある不快なエピソード

    第19章 運命の転換(1989年-1992年)――『感情的ビラ』をめぐって 351
    予測の限界
    決断
    『感情的ビラ』出版の経緯
    最初の反応
    スィミュレーションはもう沢山だった
    民間セクターの健全な発展のために
    公的資金に対する責任
    安定化のための手術
    収支バランス

    第20章 学問と政治の境界領域(1990年-)――模索、苦悩と希望、健全な改革をめぐって 371
    ハンガリーのマクロ経済政策に対する見解
    医療改革について
    「質問に来るか、君の意見を聞くか?」
    実際の効果
    金融政策決定への参加
    他国の体制転換

    第21章 ただ持続あるのみ(1990年-)――体制転換の意味するもの、意味しないもの 391
    体制転換の解釈
    期待と失望、悲観主義と楽観主義
    コレギウム・ブダペスト
    人生のインターメゾ:70歳の誕生日
    ハーヴァード大学:講義と別離
    我が家のオフィス
    「何をしている?」

    訳者後書き(二〇〇五年九月 ブタペストにて 盛田常夫) [411-417]
    補注 [35-42]
    参考文献 [19-34]
    付録 写真集 [13-18]
    事項索引 [7-11]
    人名索引 [1-6]

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著者プロフィール

1928年、ブダペストのユダヤ人家庭に生まれる。ハンガリー共産党に入党し『自由な人民』紙経済部記者として活動後、ハンガリー科学アカデミー付属経済研究所に移る。その後、ハーバード大学教授、ハンガリー国立銀行理事などを歴任。2021年逝去。著書に、『反均衡の経済学」『「不足」の政治経済学』『コルナイ・ヤーノシュ自伝』などがある。

「2023年 『資本主義の本質について イノベーションと余剰経済』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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