知的生産術

著者 :
  • 日本実業出版社
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感想 : 93
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534056689

感想・レビュー・書評

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  • 長時間労働は、悪、という観点で、いかに生産性を上げるかを説く。いつもの話も多いが、無減代、無くす、減らす、代替する、など新しい話も多い。
    代替する、は、過去の資料を使い回す、など、目的に合わせて最上の努力ですませる、が参考になった。

    怒る意味がない話も面白い。
    意欲だって賢い人は、ちょっといえばわかる。
    意欲なく賢くないひとは、何を行ってもわからない。

  • レジュメ

    生産性を上げるには同じ仕事を
    より短い時間でこなすこと

    同じ時間でたくさんの量をこなすこと

    同じ時間で仕事の質を高めること

    自分の頭で考えること

    知的=自分の頭で考える

    自分の頭で考えて成長すること

    飯風呂寝るから人本旅に切り替える

     同じような人と会わずいろいろな
    本を読み似通った場所には行かない

    イノベーション=知識×考える力

    おいしい生活=いろいろな知識を身に付ける×自分の頭で考える

    サービス産業における購買の主体は女性

    女性の活躍を妨げているのは長時間労働
    を容認する労働慣習

    知的生産性を高めるには社会常識を疑い
    根底から考える以外に道はない

    考える=腹落ちるする

    ワーキングマザーは知的生産性が高い

    仕事と子育てを一緒にした方が生産性が上がる

    他人に宣言すると自己暗示につながる

    紙に書いてあったりFacebookやTwitterに
    投稿すると自分の思いが言語化される

    生産性を上げるにはすぐにアウトプットする

    サッカーで大事なのは瞬時の決断力

    人に話す
    文章に書いて人に見せる

    影響力=仕事量(アウトプット) ×スピード(時間)

     歴史上衰退した国は決して改革を怠っていたわけではない改革のスピードが市場(世界)のスピードより劣っていたがゆえに衰退していった

    人間が1番刺激を受けやすいのはロールモデル具体的な
    行動や考え方の模範になる人物を真似ること

    やれば手の届く身近なロールモデルを見つける
    ことが大事

    自分の観察できる範囲の中で学び取りたいことが
    できる人をお手本にする方が具体的

    世の中の全てはトレードオフ

    すなわち何かを選ぶ事は何かをすてること

    人生のすべてトレードオフ

    すてた場所に新しいものが入る余地が生まれる

    人生を無駄にするのは
    済んだことに悪口を言う
    人をうらやましいと思う
    人に褒められたいと思う

    素人こそが最善のアイデアを出し得る
    素人がチームに加わると業界の慣習や常識に
    縛られない素朴な疑問が出る


  • 非常に読みやすく
    かつ説得力のある方。
    読んで良かった本!

    第1章 日本の生産性が低い理由



    長時間労働は生産性が低い

    →今までは長時間働けばOKだった。
    (工場モデル)
    しかし、
    ①冷戦(地理上、ロシアや中国に近い日本がアメリカのスネをかじることを許容した)
    ②キャッチアップモデル(アメリカに追いつこうとすること)
    ③人口の増加

    と言う外的条件が揃っていたからこそ。

    これからは、労働時間ではなく、労働生産性で評価

    人・旅・本で学ぶ


    おいしい生活(教養、リテラシー、イノベーション)=
    いろいろな知識を身に付ける×自分の頭で考える

    ☆女性が活躍しなければ、生産性が上がらない
    →サービス産業に起きる購買の主体は女性
    女性の活躍を妨げるのは、長時間労働を容認する労働慣習
      残業上限規制とインターバル規制を導入すれば、生産性は上がる



    第二章新しいアイディアを生み出す「考える技術」


    ① 無限大ではなく、無減代を考える

    無→仕事をなくす
    減→仕事を減らす
    代→使い回したり、代用したりする

    これを考えて知的生産性を高める




    ②「なぜ」を3回繰り返す
    腹落ちするまで深く考える。

    新しいアイデアが生み出しやすくなる。
    原動力になることも。





    ③「枠」や「制約」の中で考える

    上限枠や規制を設けた方が時間あたりの
    知的生産性が高まる


    ④数字、ファクト、ロジックで考える

    成功体験に頼らないこと
    エピソードよりもエビデンスに基づいて考えることが大切


    ⑤考えても仕方ない事は考えない



    マイルールを設けると
    ①判断の省力化ができる
    ②気づかない時に大きな成果を得ることができる
    (習慣による日々の蓄積)





    第3章最小の労力で最大の成果を上げる
    「インプットとアウトプットの技術」


    忘れないためには思い出す訓練をすること。
    記憶力は、詰め込むの、覚えるもの、入力するものではなくて、出力しないと鍛えられない



    頭の中を整理する2つの方法
    ①人に話す
    ②文章に書いた人に見せる


    影響力=仕事量(アウトプット) ×スピード(時間)



    意思決定は早く!


    ☆論文を書くことが一石三鳥である理由
    ①原稿料が出る
    ②論文を書くと賢くなる
    ③論文が賞をとれば業界で有名になれるし、社内の評価も高くなる


    人生トレードオフ


    人間として幸せな生活とは、

    ご飯が食べられて
    温かい寝床があって
    子どもを安心して産めて、
    どこへでも移住できて、
    上司の悪口が自由にいえること

    というのが面白いと思った


    第4章チームの力を引き出す
    「マネジメントの技術」


    ☆上司にできることは
    部下に対して
    「今持っている能力を最大に発揮できる仕事」を
    上手に与えて、
    見守ることだけ

    適材適所


    人材配置のポイント

    ①部下の適性や意欲を把握する

    ②短所は無視して長所を伸ばす

    ③全員を管理職に育てる必要はない

    ④サボる社員がいてもいい




    生産性を上げる会議の進め方

    ①会議室を減らす

    ②会議の時間を区切る

    ③会議の資料をペーパーレスにする

    ④検証可能なデータ(数字、ファクト、ロジック)を出し合う

    ⑤資料には先に目を通しておく


    多様な人材がいるからこそ
    アイデアが生まれる



    第5章明るく楽しい職場をつくる「コミュニケーションの技術」


    部下を叱るときの3原則

    ①3回褒めて、1回叱る

    ②1対1で叱る

    ③具体的に叱る



    仕事のイノベーションの真髄は
    「楽しい」という感情が原点

    リーダーの3つの鏡

    ①銅の鏡(本当の鏡)
    ②歴史の鏡
    ③人の鏡
    他の人を手本とする



    リーダーのもっとも重要な役目は
    スタッフにとって、元気で明るく、
    楽しい職場をつくること



    4Ps
    ①project
    どんな仕事でも目的はある

    ②passion
    どんな仕事でもやる気は不可欠

    ③peer
    あらゆる仕事はチームでpeer

    ④play
    遊び心は必要


    人生で1番大切なことは「正直」であること



    人脈は「つくる」ものではなく、
    結果的に「できる」もの




    おわりに
    「プライベートを削ってでも
    仕事に集中しろ」はまちがっている

    1年間
    1日24時間×365日=8760h
    仕事に費やしている時間の割合は
    8760分の2000
    わずかに2〜3割

    仕事以外の7〜8割は
    食、寝、子育て、遊びだから、仕事はどうでもいい

    3割のワーク(仕事)に集中し、
    7割のライフ(人生)を充実して過ごす社員が
    多ければ多いほど企業は成長していく


  • 最高です。全社会人に読んでもらいたい。

    先日熟成させておいた(?)"自分の頭で考える〜"を読んでからもっと出口さんの方が読みたい!!!と思い図書館で借りた本。

    コレ、めちゃくちゃ良かった。
    例に漏れずこの本も付箋だらけですが、買って夫にも読んでもらおうと思いました。

    一番共感出来たのは、ダラダラ長時間働けば良いってもんじゃないよね!!というところです。

    社会人になって、何故残業するのが当たり前なのか、何故残業ありきなのかということにずっと疑問を抱いていました。

    自分の仕事も終わったし、「何かお手伝い出来ることありますか?」と(一応)声がけしてから退勤するようにしていたけれど、(余計な仕事増えるの嫌だからそんなことも言いたくなかったけれど)定時で帰ると大体変な顔される。
    先輩より先に帰れないなんて言ってる人がいた時は心底驚いた。

    自分の貴重な24時間のうちの8時間以上も捧げてるのになんでまだ椅子に座ってないといけない?!!!この時間何?!!ってなる。

    私はオンとオフを完全に分けたいタイプなので、朝通勤中に一日の仕事のスケジュールを考えて時間内に終わらせようと本気で努め、終わったら速攻帰って無になりたいので、ダラダラ居残るとか本当理解できない。

    …という感じなのでばっちり浮いていたし、空気の読めない協調性のない組織に向いてないって思われてたと思う。

    自分は社会人向いてないな…ま、それでもいいやってずっと思ってたけど、出口さんのこの本を読んでとても元気をもらった気がした。


    仕事と家庭はまた違うのかもしれないけれど、上司はいつも機嫌が良い方が部下もイキイキ仕事できるというのは、家庭にも通じるものがあるのではないかと思う。母親がいつもニコニコ楽しくイキイキ過ごしてたら子供たちや夫にも良い影響があるのかなと思う。
    なので、私もそういう母親でいたいと思った。

    私は今専業主婦で小さな子供たちを育てているけれど、今の夫の働き方はちょうど良いと思ってる。(欲を言えばもっと働かなくても良いと思ってる)

    正直そんなに稼がなくて良いから残業もほぼなしで子育てを手伝ってもらえるのが本当に有難い。

    人によるのかもしれないけど、超激務なのに給料がめちゃくちゃ高いわけじゃなくて、平日は朝から晩までお母さんが一人で子育てしててって本当に悲しくなる。。それでも良いっていうお母さんもいるのかもしれないけど、普通に生活していけるだけのお金さえあれば、休日出勤とか頼まれてもないのにする必要ないし、その分育児を一緒にして欲しいって思う。小さい子供がいるのならなおさら。本当に大変なんだよ。小さい子供を育てるの。仕事は誰にでも出来るけど、お父さんはあなたにしか出来ないんだよと思う。

    どうやったら夫は外で仕事、妻は家事育児って概念が変わっていくんだろう。
    今は共働きの家庭が増えているし、働いてるお母さんからしてみたら「?」って感じかもしれないけど、専業主婦の私は本気でそんなことを思う。


    出口さんの本にはいつも元気をもらえる。

    私は完全に感覚的、直感的、感情的な人間なので、合理的にとか全然出来ないし、エビデンスを確認するのは好きだけど、数字やファクトを用いて発信するのはとても苦手なので出口さんの考え方で勉強させてもらってるし、良いやり方はどんどん真似して取り入れたいと思っている。

    働くの向いてないな、社会不適合者かなって自分のこと思ってたけど、そんな私でも天職が絶対あると思うし、自分を活かせて心から楽しい仕事に就けるはずだって信じてる。その為に本を読んだり勉強をしながら、その時を迎える準備をしたいと思う。
     

  • イノベーションはサボりたいと言う気持ちから生まれる
    ・椎名悦三郎(政治家)
    省事(しょうじ)
    →物事を処理するには、些細で煩雑なことは切り捨てて、本質的なものを簡単明快につかむのがよい。本質でない小さなものに心を奪われると目が眩んで大切なものを逃してしまう
    →自分を怠け者だと言っていた
    →→★この考えはビジネスで大事。一番簡単にやるには、と言う視点を常に持つ

    ■知的生産とは
    自分の頭で考えて、成長すること
    →自分の想像や自分の力量を超える仕事を任された時、今までと同じやり方考え方では今までと同じ結果しか出ない

    ■背景
    超高齢化社会
    →みんなで貧しくなるか
    →一人一人の生産性を上げるか
    どちらかしかない。

    日本の労働生産性は低い
    →ヨーロッパは一ヶ月バケーションがあり、日本より生産性が高い

    日本の働き方はいまだに戦後の工場モデル
    →製造業(工場)では365日24時間稼働が究極の生産性の高い働き方だった
    →男性は、飯、風呂、寝る、で、女性は専業主婦

    ただし、今はGDPの四分の三がサービス業
    →労働時間ではなく、成果を評価すべき
    →生産性を上げるべき

    日本が戦後高い経済成長率だったのは3つの理由
    1.冷戦
    →日本は化石燃料、鉄鉱石、ゴムの資源をいずれも産出しないが、製造業を中心に成長した
    →繊維、鉄鉱、自動車、半導体とアメリカというお父さんのすねをかじり尽くしたため
    →でもアメリカは許した→冷戦で地政学上欠かせなかったため
    2.キャッチアップモデル
    3.人口の増加

    ■長時間労働を続けると、生産性は落ちる

    脳をフル回転させる労働は、人間の脳のメカニズム上、「1日2時間」、休憩を挟んで、「1日3回」が限度
    →ハリウッド映画も2時間

    ■学ぶための3つの方法
    人に出会う
    本を読む
    旅をする(現場に出る)

    島崎藤村
    「人の世に三智がある。
    ・学んで得る智
    ・人と交わって得る智
    ・みづからの体験によって得る智力 がそれである」


    →会いたいと思った人には、すぐ会いに行く
    →食事やお酒に誘われたら、原則、断らない
    →10人以上集めてもらったら、可能な限り、何処へでも話に行く

    多様な脳が集まれば、集まるほど、アイデアが生まれやすくなる。
    自分とは異質な脳を持つ人に出会うことが大切。
    ★Oさんはすごい、ああいう人がいるとブレイクスルーが起きる


    →どんなジャンルの本も読む
    →判断基準は面白いかどうかだけ


    →身を以て体験すると、理解のレベルがぐんと上がります
    仙巌園のベンチに座ったらお尻が真っ黒になった→→桜島の灰をじっかんした

    ■イノベーション
    既存知間の距離が遠いほど劇的なイノベーションが生まれる
    という法則がある
    →ラーメンと聞いて、チャーシュー、卵、メンマは、ラーメンと距離が近い
    →ニンジンやムール貝は距離が遠い
    →→ベジソバというイノベーティブなラーメンが誕生

    ■知的生産性を高める

    社会常識を疑い、根底から考える以外に道はない
    →他人と同じことや、昨日までの自分と同じことを考えていたら、知的生産性は横ばいのまま

    ・ゼロベースで考える力
    ・一を聞いて十を生み出せる力

    ・無限大では無く無減代
    →無 無くせないか
    →減 減らせないか
    →代 代用できないか
    ★仕事にも大事な考え

    ・なぜを三回繰り返す
    →誰も疑わないことでも、腹落ちするまで深く考え直してみる

    ・枠や制約の中で考える
    →たくさんの時間を費やすより、上限枠や規制を設けた方が、時間当たりの知的生産性が上がる

    ・数字、ファクト、ロジックで考える
    →成功体験に頼らない
    →エピソードよりもエビデンスに基づき考える
    数字→相互に検証可能なデータ
    ファクト→データに関連する事項や過去に起こった事実のこと
    ロジック→数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること


    ・考えても仕方がないことは考えない
    →悩んでも結論が出なければ、コインやあみだくじで決める

    人間は、自分が見たいものしか見ない生き物
    あるいは、見たいように変換する習性がある
    →森の姿を素直にみることができなければ、一本の木すらきちんと植えることは不可能

    将来何が起こるかは誰にもわからない。
    人間にできることは、
    運(適当な時に適当な場所にいること)
    と適応だけ

    ■モチベーション
    行動の源泉になるのは、責任感や義務感以上に、腹落ち感

    ルール化する
    →ルールを決めたら例外は認めない
    →判断の省力化ができる
    出口さんルール
    ・どんなに疲れていても就寝前に1時間は本を読む
    ・毎朝新聞を3紙読む
    ★これは真似しよう

    義務感が強すぎると、遊び心が消えてしまう
    責任感が強すぎると、もっと頑張らなければと、追い込まれてしまう
    →それをしなければいけない理由に納得し、腹落ちしていれば、すき、嫌い以前に一生懸命やろう

    言語のようなある程度発達し、考えるツールが欲しくなった。それが言語。
    コミュニケーションから始まったのではない。

    アイデアが天から降ってくることはない。
    自分の脳に格納されていたもの(意識していなかったもの)が何かの拍子に顕在化したというだけのこと
    →宇宙や異次元からの発信を脳柄キャッチしたわけではない

    仕事が思うようにいかないのは、大抵の場合、インプットの絶対量が少ない

    仕事とはアウトプットすること

    忘れないためには思い出す訓練をする

    記憶は詰め込むもの、覚えるもの、入力するものでは無くて、出力しないと鍛えられない

    インプットした情報を、自分の言葉で置き換える(自分オリジナルの辞書を作る)ようにすると、思考の軸ができるようになる

    スピードこそが、極めて重要な経営資源
    →意思決定のスピードを上げると、単位時間内にできることが増えていくため、生産性が上がる
    →一旦結論を出す、仮決めでいい

    ■人生を無駄にするもの
    ・すんだことに愚痴を言う
    →もう元には戻らない
    ・人を羨ましいと思う
    →変身はできない
    ・人に褒められたいと思う
    →一番難しい
    →誰にでも褒めてもらおうとすれば、八方美人になってしまう。
    それでは発言が時や場所によって異なることになってしまうので、結局、誰からも信用されない。

    「天知る、地知る、我知る、人知る」(中国の故事)
    2人の間だけの秘密でも、天地の神々が知り、自分が知り、相手が知っているから、いずれは他の知るところとなる。
    →自分が本心から正しいと思うことを実践していれば、人にどう思われて時にする必要はない

    ■マネジメント

    上司にできるのは部下に対して今持っている能力を最大に発揮できる仕事を上手に与えて見守ることだけ

    マネジメントとは、人を上手に使うこと
    →適材適所で人材を配置する

    人材配置のポイント
    1.部下の適性や意欲を把握する
    →何にチャレンジしたいと思っているのか、どんなことが得意なのかを見極める
    2.短所は無視して長所を伸ばす
    →尖った部分は削ってはいけない
    →小さい丸より、大きい三角や四角
    3.全員を管理職に育てる必要はない
    →職場の役職は、決して偉さを表すものでは無くて、あくまでも「機能」による役割分担
    →管理職は人の管理に適した人がやればいい
    →社長も会長も1つの機能
    4.サボる社員がいてもいい
    →2.6.2の法則
    サボる人をなくしても、また、この割合に戻る
    →上位2割にどんどん仕事を任せる

    部下の叱る三原則
    1.三回褒めて一回叱る
    2.一対一で叱る
    3.具体的に叱る

    リーダーは3つの鏡を持たなければいけない
    (中国の古典 で述べられている 三鏡)
    1.銅の鏡(鏡)
    →じぶんをうつすもの
    →元気で明るく楽しい表情をしているか

    2.歴史の鏡
    →過去の教訓から学ぶ

    3.人の鏡
    →人を手本として、自分の行いを正す
    ・あなたは間違っている、と直言してくれる人を側に置く必要があります
    →直言してくれる人がいなければ、自分の本当の姿を見ることはできない

    一番大事なのは正直さ

    「世界に真の勇気はただ1つしかない。
    世界をあるがままに見ることである。
    そうしてそれを愛することである。」
    (ロマンロラン)
    "

  • これまで様々な著書を出版されており、企業経営、歴史など幅広い知識を持つ著者が、現状の少子高齢化の打開策として生産性の向上と個人として知的生産術を述べた一冊。
    現代の日本における少子高齢化の状況から、工場モデルの社会経済体制からの脱却の必要性、消費税などの捉え方など、鋭い視点や提言が所々に散りばめられており、参考になる点は多いと思います。
    新たに大学の学長となられ、今までとは異なる挑戦を始めた著者の言葉は、誰にでも示唆に富んだものになると思っています。


    ▼人口ピラミッドが正常な姿をしている社会では、「敬老原則」(多数の若者が働き、少数の高齢者を支える)が基軸。
     超高齢社会では、敬老原則の継続は不可能。これからは、解雇の自由化とセットになった定年制の廃止、同一労働・同一賃金への移行など、「年齢フリー原則」をベースとして社会のインフラを組み替えていく必要
    ・敬老原則の世界では、働いている若者から所得税を集め、住民票で敬老パスを配れば事足りる
    ・年齢フリー原則の世界になると、全員が社会を支えるわけなので、消費税に切り換える以外の方法はない。経済的に不利な人に給付を集中しようとすれば、マイナンバーを整備するしかない。
     少子高齢化とは、こうしたパラダイムシフトが伴うもの
    ▼わが国では、「消費税といえば弱者に厳しい仕組みだ」という、紋切り型の意見が出されます。しかし、弱者にやさしいヨーロッパの社会が、すべて消費税を基幹としているという事実が、そういった意見は皮相的に過ぎないことを何よりも雄弁に物語っていると思います。

    ▼生活の基本を「メシ・風呂・寝る」から、「人・本・旅」に切り換える
    ▼新しい情報や知識を自分の頭の中に取り込むためには、幅広く学ぶことが必要
     学ぶための方法:たくさんの「人」と出会い、たくさん「本」を読み、たくさん「旅」をして(現場に出て)経験を重ねること

    ▼「おいしい生活」=「いろいろな知識を身につける」×「自分の頭で考える」
     「おいしい生活」はイコール「教養」もしくは「リテラシー」であり、イコール「イノベーション」でもある

    ▼知的生産性を上げる5つの視点
    ①無限大ではなく、「無減代」を考える
    ②「なぜ」を3回繰り返す
    ③「枠」や「制約」の中で考える
    ④「数字、ファクト、ロジック」で考える
    ⑤考えてもしかたがないことは考えない

    ▼社会常識に頼っていると、社会の中に芽吹きはじめている小さな変化を見落としてしまう
     社会一般の価値観や、常識や、成功体験や、前例を鵜呑みにしないで、すべてを一度くらいは自分の頭で徹底的に疑って考え抜くことが大切
    ▼数字:相互に検討可能なデータのこと
     ファクト:データに関連する事項や過去に起こった事実のこと
     ロジック:数字とファクトに基づいて実証的に理論を組み立てること

    ▼「インパクト(=影響力)=仕事量(アウトプット)×スピード(時間)」

    ▼世の中のすべての物事は、トレードオフの関係にある。すなわち、何かを選ぶことは、何かを捨てることと同義

    ▼人生を無駄にするもの
    ①済んだことに愚痴を言う
    ②人を羨ましいと思う
    ③人に褒められたいと思う

    ▼「得意・不得意」「向き・不向き」といった部下の適性を見抜いて、正しく人材を配置するのがリーダーの役割
    ・人材配置のポイント
    ①部下の適性や意欲を把握する
    ②短所は無視して長所を伸ばす
    ③全員を管理職に育てる必要はない
    ④サボる社員がいてもいい

    ▼アメリカの心理学者マーシャル・ロサダ「ポジティブな感情とネガティブな感情がおよそ3:1以上の比率になっていると、人は意欲的に働く」(理想的な職場では、6:1)

    ▼『貞観政要』の「三鏡」
    ①銅の鏡(本当の鏡)
    ②歴史の鏡
    ③人の鏡

    <目次>
    第1章 日本の生産性が低い理由
    第2章 新しいアイデアを生み出す「考える技術」
    第3章 最小の労力で最大の成果を上げる「インプットとアウトプットの技術」
    第4章 チームの力を引き出す「マネジメントの技術」
    第5章 明るく楽しい職場をつくる

  • 「出口さんは私のメンターである」と言えるぐらい、私の生き方や考え方に影響を与えた一人である。

    語り口は明快そのもので、かつ、昔からブレがない。今回も期待していたが、やはり期待以上であった。

    読み込むごとに今の自分のレベルや(会社を含む)世間とのズレを覚知することになるので、それはそれで辛くはあるものの、やはり自分が正しいと思うことを反芻する上で欠かせない一冊となりそうである。

    今後も、悩んだ時や自分をみうしなったときに帰ってきたい場所として大切にとっておきたいので、星5つ。

  • 高度成長期時代の働き方の価値観が今もなお根付いているから(我が社の上の方)、定時までに仕上げる努力や生産性を上げることへの評価について違和感があるんだと腹落ち。出口さんの本は数冊読んだことがあったので、真新しいことはなかったが、楽しめました。とにもかくにもAPUは魅力的。プロモーションとしては大成功では。

  • ダラダラと作業するを行い無駄な残業を増やし生産性の低い仕事をしてしまうそんな人が多い世の中でどうしたら生産性をあげて行動できるようになるか詳しく書かれておりわかりやすかったです。

    特に印象に残っているのが自分もそうなのですがダラダラと作業を行なってしまう人の特徴として「なぜその作業をやらなきゃいけないのか」自分の中で腹落ちしてないまま作業を行なっている点があると書かれてました。

    仕事でも勉強でもモチベーションを高く維持するためには自分の中で心の底体納得した上でやることイゴール腹落ち感がとても重要なことを学ぶことができました。

  • 人、本、旅
    アウトプットの速さ
    楽しく仕事する

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著者プロフィール

出口 治明(でぐち・はるあき):立命館アジア太平洋大学(APU)学長。ライフネット生命創業者。1948年、三重県生まれ。京都大学法学部卒。日本生命入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月、生命保険業免許取得に伴いライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年より現職。著書に『全世界史(上・下)』(新潮文庫)、『0から学ぶ「日本史」講義』シリーズ(文春文庫)、『歴史を活かす力』『日本の伸びしろ』(文春新書)、『哲学と宗教全史』(ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『ぼくは古典を読み続ける』(光文社)等多数。

「2023年 『人類5000年史Ⅴ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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