ドラッカー・スクールで学んだ本当のマネジメント

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  • 日本実業出版社
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  • Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784534050984

感想・レビュー・書評

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  • マネジメント職ではないですが、部下を持つ会社員として、興味深い内容でした。

    マネジメントは、「管理」よりも「創造」に近い概念です。この一言で、日本でのマネジメントという言葉の意味が正しく捉えられていないことがよくわかります。

    マネジメント職に就きたくない、と思っている人は、仕事内容を間違えて解釈しているかもしれません。あるいは、会社のマネジメント職の方々が、本当のマネジメントを行なっていないのかもしれません。

    事例を交えて、わかりやすく説明された良書だと感じました。

    --以下内容メモです。

    本人すら気づいていない強みを仕事ぶりや会話から発見していくことがマネージャーの重要な役割。

    肩書きではなく、責任で仕事をする。
    上の方針だから仕方ない、やるしかないよ。というのと、同意できないとこもあるけど、意義があると思う。一緒にやろう。と言われるのでは、部下のやる気も変わってくる。

    マネジメントとはリベラルアーツである。
    誰でも学べるし、人間に関わることなので、幅広い知見が必要。
    また、マネジメントは、人間が自由になるための教養である。

    顧客創造的な会社になるために、マネージャーは顧客は誰か、何を購入するのか?と言う本筋の議論に引き戻す、焦点を向け直すと言う意識が不可欠。

    お客さんに今起こっている変化は何か?その変化に対し、何ができる?社員自らが考えることをやめなければ、イノベーションが生まれる。
    変化を見つける方法→「予期していなかった成功と失敗」
    ・予期せぬクレーム
    ・意外なお客様からのお褒めの言葉
    ・予期せぬ他社サービスのヒット

    一つの方向に向かう組織をつくる=マネージャー
    組織を創るために最初に行うべきは、ドキュメントなどを論理的に整備することではない。
    まず、目的を共有し、互いに協調する意思を持ち、コミュニケーションするという、本来の組織、チームとしての条件をしっかり固めること。

    部下に与える仕事を生産的に設計してあげることで、おのずとモチベーションが高まる。

    間違った業務を高速にこなすことほど、危険なものはない。無闇に情報システムを取り入れても意味がない。

    データを、情報、さらには知恵にして初めて競争力に繋げられる。この地域に住んでいる顧客。そこでこれが売れてる。→なぜ売れている?潜在需要はなに?それを引き出すのは何?まで広げること。

    情報を知恵につなげるには、真のコミュニケーションが必要。それにはマネージャーの手腕が問われる。
    相手の知覚、期待、要求まで考慮しないとコミュニケーションは成り立たない。好ましくないことを伝えるときでも、相手が受け入れやすい伝え方を選択せねばならない。

  • ドラッカー・スクールを通して、
    マネジメントとは?リーダーシップとは?
    についてまとめた内容。

    結構誤解している人が多いと思いますが、
    マネジメント=管理ではない。
    マネジメントが出来る=管理職ではないのです。
    マネジメントとは、推進力つまり巻き込む力を持って
    目的に向かって進んで行くこと。
    ただ口だけ言う人にはマネジメント力は無い。
    日本の管理職は管理(コントロール)が中心で、
    マネジメント力が無いと言われているのは上記の理由から。
    結構な人が指示をしているだけで、巻き込むことは出来ていない。
    上下関係が無ければ、誰も言うことを聞かないでしょう。

    今出来ていないことをしっかり理解して、
    それを改善するため日々精進していくことで、
    真のマネージャーが増えることを切に願います。
    みんなと信頼しあって仕事やプライベートを過ごすほど、
    楽しいことは無いと思います。

    【勉強になった内容】
    ・「組織」の方向性を考える前にまず「自分」の軸を
     しっかり見つめ直すことが重要。(セルフマネジメント)
     自分の強み、価値観、成長の仕方、自分の活躍出来る場所を知り、
     なすべき貢献が明らかになることで、やるべきことが明確になる。

    ・マネジメントが目指すもの
     ①まず、その組織に特有の使命を果たすこと
     ②働く人たちを、仕事を通じて活かし、生産的にすること
     ③事業を通じて社会の問題解決に貢献すること

    ・組織形成で必要となるのは、個の強み。
     つまり強みを理解していない人は組織に入れない。
     まずはセルフマネジメントを行い、自分の強みを理解すること。
     マネージャーはメンバーの強みが何かを理解することを
     決して怠らないこと。

    ・マネジメントとは、人と組織を活かして社会的な成果をあげること

    ・顧客の創造に必要なのは、
     マーケティングとイノベーション

    ・強い組織とは、全員が常にお客思考で考え続ける組織。
     考え続ける=変化に気づく→お客さまに価値を提供出来る
     自分たちのことしか考えない組織も駄目だし、
     また言われた通りのことしかやらない(意見が無い)組織も
     良い組織とは言えない。
     強い組織以外は、遅かれ早かれ淘汰されていく。

    ・イノベーションの7つの機会
     ①予期していなかった成功と失敗
     ②社会におけるギャップを見つける
     ③ニーズの存在を知る
     ④産業構造の変化を見る
     ⑤人口動態の変化を見る
     ⑥認識の変化を探る
     ⑦新技術を活かす

    ・あらゆる組織が3つの領域における成果を必要とする。
     すなわち、直接の成果、価値への取り組み、人材の育成である。
     これらすべてにおいて成果をあげなければ、組織は腐り
     やがて死ぬ。したがって、この3つの領域における貢献を
     あらゆる仕事に組み込んでおかなければならない。

    ・マネージャーとは本来その強い責任意識、働きぶり、
     貢献、生み出す成果で判断されるべきものであって、
     決して権限や地位で定義されるものではない。

    ・組織とは結局、人と人とがどうコミュニケーションし、
     どう協力して成果をあげていくかにその存続がかかっている。
     これはツール導入で改善されるものではない。
     最近の組織における勘違いの最たるはこれ。
     SNSを入れたら改善するなんてことはあり得ない。
     コミュニケーションを改善したければ、
     何故コミュニケーションが上手く行かないかを
     ツール導入前に考えるべき。

  • 良書

  • 「ノルマは逆効果 〜なぜ、あの組織のメンバーは自ら動けるのか〜」を読みたかったが、図書館にこの本があったので読むことにした。

    22 セルフ・マネジメントの本質的な意味は、「自分自身という貴重な資源を最大限に活かし、成果をあげやすい準備をする」という意味

    管理ではなく、周囲を巻き込んでいくのが、マネジメント。

  • ドラッカーの教えを体系的に知る良書と思った。まずはセルフマネジメント、なんですね。

  • 2013.10.21 Facebook上で倉貫さんが紹介。「改めてドラッカーの良さを確認できた本。ナレッジワーカーの会社を経営をしていく上で大事なことは、既にドラッカー本に書かれてた。」

    https://www.facebook.com/photo.php?fbid=10200092718915203&set=a.1762166868431.2081351.1666865675&type=1

  • 基本を振り返るには、最適な1冊だと思います。

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著者プロフィール

大阪市立大学名誉教授

「2020年 『注釈モントリオール条約』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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