税と社会保障の抜本改革

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532491239

作品紹介・あらすじ

政争から政策へ。税と社会保障の問題から逃げてはならない。超高齢社会を迎えた国で危機的な財政難は解決できるのか。消費税、所得・住民税、年金、医療、子ども手当、給付付き税額控除など税と社会保障の諸テーマを制度・財政両面から徹底分析。未来にツケを回さないために、今、抜本改革を提言する。

感想・レビュー・書評

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  • マイナンバーは税と社会保障の一体改革のツールであるのに、その議論が現実には深まっていない。市町村の税務行政を国税庁と統合する歳入庁構想や、給付付き税額控除など、そろそろ財務省が全面に出てきて議論を進めて欲しい。

  • ちょっと古いんだけど、まだまだ役に立ちそうな本。
    税等の構造の基礎から解説してくれているので、議論は置いといて単純な豆知識本としても役立つ。

    消費税が、全額徴収されている訳じゃなくて、仕入に掛かった税額は引いてから支払う、とか、超大構造の要素なのに、実は知らなかったし(^-^;。
    いろいろ、まじかぁ~てなった。。

    とりあえず、本と、この赤字国債問題、早くなんとかしてほしい。
    最近は災害とかコロナでどんどん赤字でがんばるしかないとこあるし、普段の事業費相手に、赤字垂れ流している場合じゃないー。

  • 図書館
    挫折

  • これほど書いてある中身をそのものズバリで言い表している本は、最近はむしろ珍しいかもしれません。「なぜ○○は××なのか」といった、今となっては使い古されてしまったレトリックで読者の関心を惹こうという意図は全く見られないと言っていい。
    「一体改革」ではなく「抜本改革」としているのも好い点で、この本を読んでいると、税制や社会保障に関する制度の見直し、組み替え、刷新というものが、本当に喫緊の課題となっていることが分かります。

    この著者の本で最初に読んだのは『年金制度は誰のものか』でした。それに比べると、タイトル通り扱われている分野は遥かに広くなってます。
    10章立てで、日本の税制と社会保障について前提として触れた後には消費税、個人所得課税、年金財政と年金制度、健康保険財政、国民皆保険、子ども手当、給付付き税額控除と、主な税と社会保障に関するトピックはほぼ網羅されていると思われます。

    中身は結構、いやかなり難解です。税と社会保障について触れるため、必然的にそれらの算出根拠となるグラフや数字が出てくるんですが、それを読み込むのが大変。税や社会保障に関する予備知識が全くない状態でこの本を読み進めるのは厳しいかも。
    その意味で、入門書としてではなく、ある程度は税や社会保障について知っていて、より深く問題点を明らかにしたい人や、問題意識を強めたい人に適した本なのではないかと思います。

    ちなみに刊行されたのは2011年6月。つまり、震災を受けて税と社会保障に関する議論がいろいろと棚上げになっていて、しかもアホ鳩が日本をひっかき回した後、バカ菅が首相になって更に日本が混乱していた時期の背景を踏まえた議論なので、2013年3月現在の状況とはまた話が異なっています。その点は割り引くなり、新たに自分で情報を更新するなりしながら読まなければなりません。

  • 著者である西沢和彦氏の『年金制度はだれのものか』では現行の年金制度に特化した作品でしたが、タイトルに税とあるように今回は税金の話が中心になっており、年金、健康保険、所得税、消費税など財政の問題点を幅広く扱っています。


    年金に関しては西沢氏がかねてから主張している世代間不公平論を中心に展開されています。

    戦後復興まもない時代の生きてきた人と社会的インフラが整備された21世紀の人を単純に年金が多くもらえるから現在の受給者は不公平だとするのには違和感を感じます。



    初心者に分かりやすく伝えるというより専門書としての色が強く、基礎知識がある上で読まないと難解な印象を受けると思うので、中級者・上級者向けの作品だと思います。

  • 345.1||Ni

  • 消費税増税が目前だが、社会保障の抜本改革なしには、焼け石に水であることはあきらかであるにも関わらず、抜本的対策を打たない政府。
    明確なあるべき姿を打ち出せないなら、本書をベースに政策を打ち出せばどうかと思うほど、丁寧に整理されている。

  • 図書館にあり

  •  本書は税と社会保障の一体改革について書かれた本である。
    税と社会保障の一体改革の話は、様々な論点があり、しかも各々が有機的に関連している。本書ではそれらの解説を試みており、なかなか解説しづらい分野を解説しているという点で有用である。同時に筆者自身も改革案を提示しており、批判ばかりする学者ではないことがわかる。
     ただ、やはり制度を細かく突き詰めていかないと話の本筋が見えない分野であるため、どうしてもわかりにくさは生じてしまう(寧ろ、制度を先に勉強しないと理解が深まらないかもしれない)。加えて、それとは別に文章そのものが正直言ってあまりうまくないので、そういう意味での読みにくさもある。
     また、本書が出版されたのが2011年6月である。流動性のある議論なので、今政府がどのような対応をとっているかをキャッチアップして行く必要は当然ながらある。
     さらに、税と社会保障の一体改革はかなり広範な議論であり、論点も様々、着目する点も様々である。したがって解説するものによってポイントはかなり異なりうるものである。なので、本書にとどまらず、様々な学者なりの解説を知った方が望ましい。
     以上のような留意点があるものの、税と社会保障について体系的にまとめた本はほとんどないため、そう言った意味では時代に即し有用な本である事は間違いないと思う。

  • 【読書その113】久しぶりに社会保障関係の専門書。著者は社会保障審議会年金部会、日本年金機構評価部会の委員の日本総研の西沢和彦氏。現在政府で進めている社会保障と税の一体改革について学者の立場から論じた本。筆者は特に給付付き税額控除の可能性について論じている。なかなか今の部署で直接一体改革と関わることがないが、痛感したのは、自分の税制関係の知識不足。しっかり勉強しなおしたい。

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著者プロフィール

1965年生まれ。89年、一橋大学社会学部卒業、三井銀行入行。98年より(株)さくら総合研究所環境・高齢社会研究センター主任研究員。2001年、(株)日本総合研究所調査部主任研究員。2002年、法政大学修士(経済学)取得。社会保障審議会年金部会委員、社会保障制度改革国民会議委員等を歴任。
現在(株)日本総合研究所調査部主席研究員。
主著
『年金制度は誰のものか』(日本経済新聞出版社、2008年、日経・経済図書文化賞)
『税と社会保障の抜本改革』(日本経済新聞出版社、2011年、日本公認会計士協会学術賞)
『北欧モデル』(共著、日本経済新聞出版社、2012年) ほか

「2020年 『医療保険制度の再構築』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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