PRINCIPLES(プリンシプルズ) 人生と仕事の原則

  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (592ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532357979

作品紹介・あらすじ

私はいま、自分の成功よりも、他人の成功を手伝いたいと思う人生のステージに来た。
これから、私の人生に役立った「原則」をお教えしよう。
世界最大のヘッジファンドを運営する億万長者であり、世界の経済界が注目する人物が仕事と人生の原則を明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 何をどうするかに気を取られて、何をすべきかを決めるのは誰の責任かというもっと重要な質問をなおざりにする人がよくいる。それは逆だ。何をできる人が必要か、担当させる人がどういう人か知っていれば、仕事がどう進むかはしっかり描ける。
    (引用)PRINCIPLES 人生と仕事の原則、著者:レイ・ダリオ、訳者:斎藤聖美、日本経済新聞社、2019年、429

    新型コロナウイルスの感染拡大で、当代最高の投資家であり、フェジファンドのブリッジウォーター・アソシエイツの創業者レイ・ダリオ氏の発言が世界的に注目を集めている。

    その発言とは、レイ・ダリオ氏がインターネット番組で「新型コロナウイルスの感染拡大による打撃から世界経済が立ち直るには3年から5年の期間が必要」との見解を示したことだ。
    私は、レイ・ダリオの言葉には、信憑性が高いことを知っている。なぜなら、以前、私は、レイ・ダリオ氏の「PRINCIPLES」を読み、彼の人生と仕事の原則を学んだからだ。レイ・ダリオ氏は、結論を導く際、過去の実績を見て体系的に信頼性を評価するなど、エビデンスの積み上がりを重視するなどし、なぜ、その意見に達したのかを理解するという。改めて、私は、レイ・ダリオ氏の本を読み返してみることとした。

    レイ・ダリオ氏の示す原理原則は、人生の原則が5つの柱、仕事の原則が16の柱から成り立っている。これらの原則は、なにも特異なものではない。人間としてどうあるべきか、また、さらに仕事で組織が発展していくにはどのようにしていくかということを、自らの経験から原則(Principle)として纏めたものだ。

    例えばたくさん努力して、上手に失敗することの大切さを説く。大胆な目標、失敗、原則を学ぶ、改善する、そしてさらに大胆な目標へ向かうといった、上向きのループを築き上げていくことこそが、まさに成功の秘訣だとレイ・ダリオ氏は言う。

    このレイ・ダリオ氏の失敗するということに触れ、私は、松下幸之助氏の次の名言を思い出した。
    「失敗することを恐れることよりも、真剣でないことを恐れたい。」

    失敗することから学ぶことは多い。失敗することを恐れるということは、チャレンジを恐れることである。それよりも、チャレンジし、失敗し、反省し、次の目標に進むというプロセスが大切であるということは、私も同感だ。

    レイ・ダリオ氏は、経営という部分では冷徹さも見せる。企業を利益を生むマシンとらえ、働く人達もマシンの一部として動くマシンと捉える。例えば、みんなから好かれているが能力のない人に辞めてもらうか、みんなから好かれているが能力のない人を会社に残し目標を達成しないかという選択は、どの世界にも存在することだろ。その解に、レイ・ダリオ氏は、「この課題に選択の余地はなく、卓越性の追求を選ばざるを得ない」とズバッと言っているところが気持ちいい。

    良い組織には、良い人材と良いカルチャーがある。良い人材がいれば、冒頭に記したとおり、仕事の進め方が描ける。このことは、どの組織にも通用することだろう。最終的に良い組織をつくるためには、Principlsが必要だ。

    本の中央には、人生の原則、仕事の原則の要約と見出しが箇条書きになって纏まっている。私は、このページを小さくコピーして、ホッチキスで1冊の本のようにして、手帳に挟み込んでみた。これは、レイ・ダリオ氏の経験がつまった貴重な教えだ。

    この教えを胸に、これからの人生、そして仕事のすすめ方について、Principlsを大切にしながら生きようと、改めて思った。

  • 仕事において大事な心得が記載されていそうな本

    メモ
    ・現実を正確に理解することは、良い結果を得るために絶対不可欠な基礎だ
    ・徹底的な事実と隠し立てをせずに透明であることを受け入れればもっとやりがいのある仕事、かけがえのない人間関係が得られる
    ・狭量な考え方とオープンな考え方の兆候
     狭量な人は考えに異議を唱えられるのを好まない
     心の広い人はなぜ反対か好奇心を持つ
     狭量な人は質問より意見を言うことが多い
     心の広い人は心底自分が間違っているかもしれないと考える
     狭量な人は自分が理解されようとする
     心の広い人はいつでも他人の目から物事を見なくてはと思っている
     狭量な人は間違ってるかも知れませんが、、と言う
     心の広い人は発言する時と質問する時を心得ている
     狭量な人は人に話をさせない
     心の広い人は人の話を聞く方に関心を持つ
     狭量な人は頭の中で2つのことを考えられない
     心の広い人は人の考えを頭に入れてもよく考える能力を失うことがない
     狭量な人は深い意味での謙虚さにかける
     心の広い人は自分が間違ってるかもしれないという強く染みついた不安感からアプローチする
    ・可能な限り良い人生を送るためには
     何が最善の決断か知る
     それをする勇気を持つ

  • 最近読んだ本で群を抜いてよかった。時代は揺り戻しを繰り返しながら、弁証法的に変化を続ける。人もまた社会の流れに方向づけられてしまう。けれども、アイデンティティの根っこに、核心に、自分だけのプリンシプルを確立していたのなら、たじろぐことはなくなる。

  • 藤山大二郎さんおすすめ本。図書館に予約済。

  • 全体としてはあまり響かなかった。
    仕事の原則の項目で問題点を一般化せず個別に書き出していくというところ、まずは解決策を考えず問題点を出し切ることに専念するというポイントをメモした。

  • ・相関しない収益の流れがいくつかあれば、たった一つの収益源に依存するよりも良い。
    ・人間の論理的な頭脳は人の弱みを知ることは良いことだと理解する。感情的な部分はそれを嫌がる。
    ・可能な限り良い人生を送るためには、1)何が最善の決断か知る、2)それをする勇気を持つ。
    ・優れたマネージャーは、本質的に組織のエンジニアだ。
    ・適切に責任に対処できないときには、エスカレーションして上司に引き継ぐ。
    ・頼むからガバナンスを甘くみないでくれ!

  • 物語としても面白い。全てでは無いが参考になる内容。ただし、会社や組織運営に興味が無い人は読むとしんどいと思う。

  • [出典]
    「恐れのない組織」エイミー・C・エドモンドソン
    第5章 17

  • 自分なりにがんばってるのに、なぜかうまくいかない、、、という境遇にある人にうってつけな本


    以下、人生の原則1章のメモ

    1
    徹底的にオープンになり、徹底的にさらけだそう
     他人はどう思うだろうという不安に邪魔されないように。注目と批判を集めるのは居心地が悪いが、それでもそうするのはそれがベストだと学んだから

    マシンのデザイナーである自分と、マシンを動かす自分とを区別する
     人が犯す最大の過ちは、自分や周りの人を客観的に見ないこと。そのままだと、自分や周りの弱みに何度も何度もぶち当たることになる。一歩離れて客観的に見ると、変化をもたらすことができる
     自分を客観的に見ることは難しい。他のインプットとたくさんのエビデンスが必要

    Good
    厳しい現実を直視する
    目標達成に心を砕く
    一次、二次、三次的結果をもとに判断する
    進歩を遂げるよう苦痛を上手に扱う方法を理解する
    自分にも他人にも責任をもたせる

    Bad
    厳しい現実を直視しない
    よく見せたいと思う
    一次的結果で判断する
    苦痛に邪魔されて進歩しない
    自分にも他人にも責任をもたせない


    3
    徹底的にオープンになる

    狭量な考え方と、オープンな考え方の違いに注意
    狭量な人は
    考えに異議を唱えられることを好まず
    質問して理解しようとするより、意見をいって理解してもらおうとし
    他の人の意見をあたまから追い出してしまう


    5
    効果的な意思決定の方法

    近くで見ればなんでも大きく見える
    鍵となる20%の情報と努力で80%の価値を得る

  • 前半は読み飛ばしました。いつかまた読み直す機会が来たら読みます。
    しっかりと人を選ぶことや、オープンであること。権力者の個人的な判断ではなく良いアイデアを採用すること。採用のときと同じ熱量で社員を測ること。
    『HIGH OUTPUT MANAGEMENT』(インテルの社長の著書)でもやはり同じ。業態は違っても大事なことは同じ。

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著者プロフィール

1975年にニューヨークの2LDKのアパートでブリッジウォーター・アソシエイツを創業。45年以上をかけて同社を世界最大のヘッジファンドに育て、フォーチュン誌が「米国で5番目に重要な非上場企業」と呼ぶまでに成長させた。タイム誌が選ぶ「世界で最も影響力のある100人」であり、世界中の政府関係者がマクロ経済に関して助言を求める人物。彼が開発したリスク・パリティ戦略、アルファ・オーバーレイ戦略、オール・ウェザー戦略といった革新的投資手法には、複数の団体から特別功労賞が授与されている。

「2022年 『巨大債務危機を理解する』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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