ブレトンウッズの闘い: ケインズ、ホワイトと新世界秩序の創造
- 日経BPM(日本経済新聞出版本部) (2014年8月26日発売)
本棚登録 : 66人
感想 : 6件
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
- Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532356026
作品紹介・あらすじ
波乱の時代は歴史に立ち返れ!傑出した頭脳を誇る型破りの経済学者、ケインズ。実はソ連のスパイでもあった切れ者官僚、ホワイト。英米それぞれの国益を背負って衝突する知的構想力。中国台頭後の世界への洞察に富む世紀の激闘をヒューマン・ドキュメントとして描いた金字塔!
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
P204まで読了。一旦返却
-
150131 中央図書館
第二次世界大戦の終結が迫る頃、ニューハンプシャーのブレトンウッズで、英国の立場を代表するケインズと、アメリカを中心とした新秩序の構築を目指すホワイトは、新たな国際通貨体制の構想を巡る協議の場で、知力のしのぎを削った。結果、稀代の経済学者ケインズをもってしても、戦費のため財政危機を抱えた英国は、戦後世界が基軸ドルで覆われることをついに阻止できなかった。
アメリカ=ドルのドミナントを希求するか、それに反を唱えるかの違いはあっても、ホワイトもケインズも、世界の安定のためには自由貿易の下で各国の経済が安定すること、通貨の安定が重要であって、そのために国際通貨が適切に運用されることを目指した。しかしブレトンウッズ体制もまた、国際ルールと国家の自由裁量権の矛盾を解決する魔法の仕掛けでなかったことも、また確かである。
21世紀の信用危機でも、各国首脳はブレトンウッズを思い起こし、新世代の国際通貨のあり方に思いを凝らしたに違いない。
サイドストーリーとして、ホワイトがソ連の協力者であったとの話がヨコ糸で描かれているが、そのことはあくまで余話であろう。
全6件中 1 - 6件を表示