電力自由化: 発送電分離から始まる日本の再生

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532354893

作品紹介・あらすじ

電力供給の分散化と需要の自律化を進め、と同時にその前提条件となる発送電分離を断行する。そうすれば、エネルギー自給率の向上や負担・リスクの分散により国家と地域の安全が保障されるとともに、開放的な国内・国際市場を通して、再エネを中心とした電力の安定供給も確保できる。そこには新たな産業が興り、地域の雇用が確保され、需要者に個人に、大きな力が与えられる。

感想・レビュー・書評

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  • 東日本大震災直後に日本の電力小売化を説いた本。

  • 電力自由化について、よくまとまった一冊。
    当方は仕事で勉強したが、リファレンスとしても重宝しそう。

    高橋さんにはもっと頑張っていただきたい。

  • 閲覧室  540.9||タカ

  • 第2章「日本の電力システムを概観する」と、第3章「なぜ電力自由化が必要なのか」がとても分かりやすい。自由化反対に対する反証と必要性の論証が少々弱く、後半の方は

  • 電力政策を自由化サイドに振った場合のポジティブな期待についてかなり良くまとめられていると思う。「つったって、脱原発したあとどうすんのよ?」という事に関して、もう少し現実味がある希望が見てみたい人の第一ステップとしてはかなりいいまとめなんじゃないかな。

    「安全・安定のための電力自由化」っていうフレーズは、最近自分でぼんやりと考えていたコンセプトを良く表している気がする。念のため、「安全・安心」ではなく、「安全・安定」です。

    政策誘導次第では、どうせ高度成長で整備した電力インフラの更新時期が来ちゃうんだから、その時にもっとイノベーションがどんどん投入されるようにできないかな&それに今電力関係のインサイダーで新世代の人たちのパワーがフル活用されないかなという期待があって、そのためにはどういう産業の形を導くべきかについて、割と良くまとまっていると思う。

    独立系統運用者がそんなにうまくやれるか?みたいな疑問と、送電網なんかのテクニカルな詰めの甘さ、エネルギー安保について希望的観測過ぎないか、発送電分離に夢見すぎてないか、短期的にはどうすんのよというあたりの問題はあるけど、まあ一冊の本にそれ全部まとめなくてもいいと思うので、ちょうどいい感じ。

    鉄道マニアとしての個人的には上下分離の失敗例がずっと気になってて、ノルドプールに夢見すぎじゃないのかという気もするが、2011年3月に電力卸売り市場止めやがった事を思い出しすと、やっぱ今回は発送電分離必須な気になってきた。

  • ドイツでは市場を自由化してもすぐには競争は進展しなかった。北欧とは異なり民間企業である垂直統合型電力会社の発送電分離に時間がかかったから。ドイツでも電力自由化によって電気料金が低減したとは言えなかった。
    スマートグリッドは電力システムの革命。スマートグリッド=インターネット。

  • 図書館になし

  • 電力供給の分散化と需要の自律化を進め、と同時にその前提条件となる発送電分離を断行する。そうすればさまざまないいことがありますよ、と言うことを豊富なデータを基に書かれた物ですが、わかりづらかったです…。

    電力事業が根底から見直されている昨今の事情を考えてみて手にとって見ましたが、読み終えてみて、解ったような、解っていないような不思議な感覚を覚えながらキーをたたいております。

    主にここに書かれていることは独占されている日本の電力の分散化と需要の自立化を進めると同時に発送電に関する権利を分散することで、その具体的な内容はエネルギーの自給率の向上、産業の創出。雇用状況の改善などを豊富なデータとともに解説されている、と言うのがその大まかなところであります。

    全体を通しておぼろげながら解ったのは大手電力会社の思うような値で価格が設定されていたんだな、と言うことと、これからの日本で仮にここに書かれていることが実行に移されたときに『再エネを中心とした電力の安定供給も確保できる。そこには新たな産業が興り、地域の雇用が確保され、需要者に個人に、大きな力が与えられる。』と言うことが怒ってくれればな、と言う事ぐらいです。

  • 色々な要素の話をわかりやすくまとめている良書。過激な論旨もなく読みやすいが、新しい発見はないと。

  • 過去の電力政策を振り返り、将来的な自由化のメリットを論じる本。

    電力自由化の社会的価値として、従来言われてきた①価格低下、②サービスの向上、に加えて、③企業活動の公正化、④電力供給の安定化、⑤再生エネルギーの普及、を掲げる。
    そのために、①現在の電力環境概観、②独占の正当性、③地域独占の歴史、④民営化の手法、⑤北欧とドイツの事例、⑥自由化反対論への反論、⑦分散開放型システムの実現方法、を順を追って議論している。

    論旨は論理的かつ平易に展開されているものの、議論が事実の単なる記述を超え、筆者独自の主張に移った途端、論拠薄弱な希望的観測になる。
    例えば電力業界の水平分業化に関しては、「通信業界で水平分業化が進んだのだから、電力業界もそうなるはず」と、特に根拠もなくアナロジーで断言する。再生エネルギーに関しても、必要性は明らかだが効率性が低いから皆困っているのに、その点に関して一切議論しない。そのため、自由化の大きなメリットに掲げている再生エネルギーの普及に、説得力がまるでない。

    全体的に、歴史的事実の確認に関しては有益なものの、今後の方針に関しては、肝心なところで議論が軽薄になっていると言わざるを得ない。

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著者プロフィール

第1 ~ 4 章・第5 章(1)(2)(3)(4)(5)(6)(8)(11) 執筆
元・東京都公立小学校教諭 科学教育研究協議会会員 自然科学教育研究所所員

「2020年 『新 理科の授業 4年』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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