プロフェッショナル経営参謀

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532323424

作品紹介・あらすじ

先が見えないVUCAの時代、経営トップも意思決定の難しさに頭を悩ませている。
そんなトップに対して、違う視点からの問題提起を行い、議論を活性化させ、
時には周囲と衝突しがらも、より質の高い意思決定へと導いていくのが、
いま求められている「経営参謀」の仕事だ。

戦略コンサルファームとして数多くの企業の意思決定を支えてきた
ボストン コンサルティング グループの日本代表が、
経営参謀の果たすべき役割を分析し、明らかにしたのが本書である。

センスのある参謀とない参謀は、なにが違うのか。
筋が良さそうなロジックが、途中でつまずくのはなぜなのか。
なぜ、突然議論の方向性がトップのひとことで変わってしまうのか。
精鋭を集めたはずのメンバーにもかかわらず、停滞してしまう原因は何なのか。
いつまでたっても議論が積み上がらないのはなぜなのか。
そのとき、参謀は何をすべきなのか。

数々の現場で参謀たちと仕事をし、また自らも参謀的な役割を果たしてきた
著者だからこそ書けるノウハウや心得を具体的に説明。
企業からの依頼で参謀向けの研修や講義も多数行っており、
その経験も本書に盛り込まれている。

真のプロフェッショナルとして、そして未来の経営トップとして
読んでおくべき「教科書」である。

感想・レビュー・書評

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  • いい本だけど、結構難しかった。
    簡単なように、書いていあるからさらにたちが悪い、笑。
    (別に著者が悪い訳ではないけれども。)
    ちゃんと自分の中で咀嚼して、腹落ちさせて、実行に移すには、
    それなりの認識変容と努力と試行錯誤が必要。
    そんなよい本。

    著者はBCG(コンサル会社)の日本代表。
    その昔、誰か(BCGの人だったか?)にこの人だけは引き抜かないでくれ、とBCG(本社)が言うくらい、優秀な人の一人だったと聞いた記憶が。。(あやふやだけど)
    その優秀さが本に染み出ている。

    なるほどそこまで考えないといけないのか、とか
    確かに言語化してみたら、こういう言い方になるな、とか
    経営者をサポートする経営参謀の役割について深く切り込んでくれている。
    ど真ん中の読者層は、経営企画の部長とかそのメンバーとかなのだと思いますが、
    会社の経営について問題意識を持っている人なら誰でも読んで学びを得られる一冊かと思います。

  • なんだろう、目次は涎が出るほど面白そうなのに読むとそうでもない

    たぶん、自分がマネージャーとして立ち上がってないからかな

    しばらくしてからまた読みたい

  • BCG日本代表杉田さんによる新著。本の中盤は論点思考や仮説思考にある要素がふんだんにあったが、それ以外は経営企画部のような部署で働く人たちがどういう目線、スキルを持って仕事を回していけばいいか実践的な書かれている点で優れていると思う。

    特に、経営企画部のような部署にいると「トップがダメだ」と思ったり、はたまた盲目的にトップに従ったり、という人が多い。しかし、この本はそのような人たちによい示唆を与え、具体的にどう行動変革を起こせばよいか述べている。

    スライド作成のポイントはさすがコンサルという感じ。標準的な内容だと思うが、どう議論を喚起するかという観点は今まであまり見なかったので勉強になった。

    一方で議論する土壌が作れるかどうかはトップの度量にもよるのですべて経営参謀に任せるのは荷が重いかなとも思ったのである。

    以下、気に入ったフレーズ。

    ・課題を出した経営者は、実は何をどのレベルで議論すればいいのか分からず、まずは課題と論点から明らかにしてほしいと思っていることが多い

    ・たとえ経営層でも、自分たちだけで簡単に答えを出せる時代ではなくなっている

    ・問いのディシジョンツリーを、先回りして作っておく

    ・きれいな材料に基づく浅い問いかけでは潜在意識(欲求、葛藤、価値観、判断基準、存在意義、アイデンティティ)に問いかけられない。深い問いかけが必要。

    ・何が経営層に響くかの検討にはセンス、イマジネーション、直感力が必要。はっとするものは、反論を言いたくなるようなアイディアであり、小さくまとまったものではない。相手を怒らせることを恐れない。決して横柄になってはいけないが。

    ・何かあればすぐに議論できるディスカッションパートナーを持つ

    ・「自分を道具として使ってでも会社をこう変えたい」と強く信じられる将来像があるか

    ・他人の意見を素直にいいなと思えるセンスは重要

    ・何らかの方法で経営陣と議論するように、ブレークスルーを起こす

    ・自分で見えないスコープで論点を探す。自分が見ている世界が全てではないと自覚する。いろいろな人に話を聞く。少数意見やマイノリティの視点に大きなヒントが潜むケースは多い。

    ・経営層と同じ視点、視野、視座で物事を捉え、相手の頭の中をイメージする力を持つことが重要。高いクリエイティビティやイマジネーションが求められる

    ・担当の時間から、リーダーの時間に体内時計を入れ替える→経営層にとってNewなもの、面白いものを導出する分析作業は初期段階で早めに手掛ける

    ・チームマネジメント:自分ならこれぐらい出来たはず、と思う工数の7掛けくらいでみておく

    ・良いコンテンツ=それをきっかけに議論が広がっていくもの

    ・5枚のキースライドと、それを支える20枚のボディ

    ・浅い理解にとどまりそうなポイントには勇気をもって切り込む

    ・目の前で起こっている現象について、「実は一過性のブームではないか」と疑うセンスは必要

    ・変化を新たなチャレンジと考えてワクワクして臨む

    ・プロジェクトの節目でリバースエンジニアリングをすることはとても重要。成功パターンを頭の中で築いていく

    ・テーマごとにネットワークを持ち、相談の頻度と成果をトラッキングする。また、気楽な人間関係だけに甘んじていないかチェックする

    ・自分のホームグラウンドを持ち、そこからのアナロジーを考える

    ・人の話に被せない。上司が言ったことは一度飲み込んで咀嚼してから返答する

    ・4つの心の病:自惚れ、おごり、甘え、マンネリ

    ・議論に対立構造が生まれたときには抽象化してみる

    ・おじさんの言語を学ぶべし

    ・出会いの運を機会と思い、機会から経験を積み、経験から学ぶループを回す

  • かなり良かった。レベル感が現時点の自分に合ってるからか?
    参謀とあるが、要はプロジェクトリーダー的な話。

    ・経営者だってわからない←1番良かった。
    ・あえて反論をもらうようにデザインする。
    ・論点を磨き上げ、適切なカタチにして、適切なタイミングで伝える
    ・流れを作り、結果(意思決定)を勝ち取るのが役割。

  • 経営参謀における手法論と行動というか心得を説明した内容。経営層に提案する際の準備やその場での対応、特に違和感があればしっかり提言する姿勢は貫きたい。あとは、提案準備時のメンバーに対する姿勢も参考になった。反論も受け入れその本質まで理解する傾聴力など。

  • コンサルタントとしての視座を上げるのに最適な本だと思う。PJワークでPM層が意識すべき点が学べる。

  • CY22-16
    ここが生きる場所だと思った。

  • 経営参謀になるべくヒントを得るために読書。
    経営企画的役割の人にとっての良著。
    極めて実務的なロジカルシンキング、中級者向け、参謀むけの本という印象。

    メモ
    ・経営参謀の仕事3要素
     1解くべき課題を設定し、潰していくべき論点の粒度と順序を見極める
     2意思決定のメカニズムとプロセスを組み立てる
     3刺激する材料と考えさせる質問を突きつける

    ・経営参謀の仕事を定義するなら、
     経営にとって今最も重要な問いを設定し、解くべき課題を見極め、議論の材料を経営層に突きつけて意思決定を迫ること

    ・実は経営でも多いのが、何をどのレベルで議論すればいいのかわからず、まずは課題と論点から明らかにしてほしいと思っているパターン。

    ・プロセス構築で求められる力
     経営層の反応から気づきを得る直感力
     先を読んでワークに落とし込む段取り力

    ・こけるパターン10
      トップの指示を鵜呑みにしてそのまま受け入れる
      トップのいきなりの豹変についていけず混乱する
      トップの言うことだけに乗っかり、立場の弱い少数意見を無視
      いいねその方向で進めてくれを真にうける
      最初に立てた予定調和のシナリオで押し切ろうとする
      答えの出せない問いを設定したまま堂々巡りをする
      自分が見えている世界だけで物事を判断する
      馬鹿と思われたくないので相手に聞き返さない
      自分が抱いた違和感を封印してしまう
      自分のチームメンバーに精鋭ばかりを集めたつもりだったが

    ・問いには誰もが同じ解釈ができる明瞭さがなければいけない。

    ・論点の設定が難しいと感じた時は何が意思決定を難しくしているのかを意識する

    ・議論が前に進まない場合は問いの設定が間違っている。もう一度デシジョンツリーを作り直すことが必要となる。

    ・デシジョンツリーの作り方
     0スタート地点の設定
      何を前提とするか、そもそも論のどこまで戻るか。
     1論点の幅出し・視点を広げる
      可能性のありそうな筋は全てぶつけてみる必要がある。 
     2論点の潰し込み・優先順位づけ・上位下位の見極め
      
     3論点の掘り下げ
     4論点の再設計・意思決定に向けた組み直し

    ・解くべき課題・論点設定のチェックリスト
     1解くべき課題は固有のものか
     2それが解けたら前に進むか?アクションにつながるか?
     3自社にとって意味のある大きな環境変化を意識できているか
     4何か社内的あるいは競争上の観点でのトレードオフ、または制約のある点をついているものか
     5 AかBかの究極の選択を迫るものか
     6 たとえばこういうことと自分の言葉で言える具体性を持っているか。例えばの仮説を提示できるか
     7 俯瞰的であってピンポイントであり、広く見ているがシャープであり、複雑な事象だがシンプルであるか
     8 今解くべき課題か?今解ける答えを出せる課題か
     9初期に立てる論点そのものも仮説であると理解しているか
     10 そのプロセスを経て解くべき本質的な論点はジェネラルなものからより固有なものに深まっていくものか
     
    ☆経営の解くべき課題は本来ならその会社の歴史や背景、現在のポジションや資産、組織人材などを前提とした中でセットされるべき固有のもの。一般的なものだとその問いは理解が浅いということ。

    ・プロセスの組み立てにおいて重要な要素
     意思決定マイルストーンとアプローチ設計
     タイミングマネジメント
     チームマネジメント

    ・リーダー時間はマイルストーンから逆算してメンバー作業の納期設定をすること。

    ・限られた制約条件の中で、いかに議論に値する材料を組み立てていくかという発想が求められる。
    ・コーポレートブランド、ESGといった期限を定めにくいテーマは最初の数回の議論を経た早い段階で、一旦マイルストーンをセットすることからスケジューリングを始めると良い。

    ・考えさせられる材料と質問の突きつけ
     ミーティングの事前準備
      明快なアジェンダ設定
      簡潔なドキュメンテーション
      わかりやすいプレゼンテーション

    ・良い資料とはそれをきっかけに議論が広がっていくもの
     ミーティングを終えた時にどんな印象や雰囲気を残したいかもイメージしておくと良い

    ・ドキュメンテーションにおいて大事なのは仮説的な視点が含まれていること。一点豪華主義を目指せということ。

    ・自分なりの学び方
     もう一度同じプロジェクトをやるとしたらと考えてみる。
     
    ・いい質問をする
     自分は何を知りたくて聞いているのかが伝わる質問を。
     あえて素朴な質問をする

  • 現場感があっていい。

  • トップティアのコンサル、本書では経営参謀、がいかに考え振る舞うべきか、、非常にハイレベルかつ具体的な指南書。

    想像以上の修羅場を潜り抜けてきた貫禄がヒシヒシと伝わってきて、読み進めることに緊張を伴う一冊

    ふんわりとコンサル良いなーと思ってる人は読むべき一冊

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著者プロフィール

早稲田大学ビジネススクール教授。東京工業大学工学部卒。慶應義塾大学経営学修士(MBA)。株式会社日本交通公社(JTB)を経て1994年ボストン コンサルティング グループ(BCG)入社。2006~2013年BCG日本オフィス責任者、2016年~2020年同日本代表、2023年より同シニアアドバイザー。2020年より早稲田大学ビジネススクール教授。コンシューマー系ビジネス、消費財・流通、メディア・通信、産業財等の業界を中心に、企業変革、デジタルトランスフォーメーション、グローバリゼーション、新規事業開発、組織・ガバナンス改革、マーケティング・営業戦略等のコンサルティングを数多く手掛けた。主な著書に『リクルートのすごい構"創"力』『プロフェッショナル経営参謀』『BCG流戦略営業』(いずれも日本経済新聞出版)など。

「2023年 『10年変革シナリオ 時間軸のトランスフォーメーション戦略』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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