経営改革大全 企業を壊す100の誤解

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532323288

作品紹介・あらすじ

バブル崩壊とともに、日本的経営が行き詰ってから早30年。その間、日本企業の多くは、経営のOSを世界標準に切り替えようと努力してきました。 しかし、「グローバル・スタンダード」ということば自体、欧米に対して卑屈になりがちな日本人の和製英語にすぎません。日本企業に必要なのは、借り物のモデルに振り回されず、まずは自社の存在理由をしっかり見極めなおすことです。しかもそれがどこにでもありがちなもの、たとえば、「地球や社会にやさしく」などというものであっては、誰の心も動かされません。自社「ならでは」の志に根差し、多様な顧客や従業員の共感を勝ち得て初めて、その企業としての存在価値が研ぎ澄まされていくはずです。
 外資系コンサルは、アメリカ流の経営理論やベストプラクティスを持ち込むというスタイルに走りがちです。また、ビジネススクールのケースやフレームワークも、アメリカのものが大半です。しかし、それを器用に学ぶだけでは、日本企業独自の優位性は築けません。 本書は、100の通説と真説という形で世の中に出回っている経営モデルの間違いを指摘し、それらをいかに正しく理解すべきかを解説します。  
 第Ⅰ部では、ガバナンス、働き方改革、顧客指向など、最近の上滑りな経営論を取り上げます。いずれも、株主、従業員、顧客などに、「おもねる」経営にすぎません。これらの誤謬を指摘するとともに、正しい方向性を提示します。
 第Ⅱ部では、デジタル、グローバル、イノベーションなど、最新の経営モデルを取り上げます。ここでも、世の中に流布している通説のウソを暴き、より本質に迫る方法論を展開します。
 第Ⅲ部では、通説を超える最先端の経営論を紹介します。経済モデル、組織モデル、人財モデルなどといった経営のファンダメンタルズを取り上げ、21世紀にふさわしい新たな枠組みを提案します。
 第Ⅳ部では、従来の日本型モデルとアメリカ型モデルを超える「第3の道」を提唱します。そこでは、志、和、共感などがキーワードとなります。このハイブリッド型経営モデルは、日本企業が自信を取り戻し、世界を力強くリードしていく礎となるでしょう。

感想・レビュー・書評

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  • 一つ一つを短く纏めてるけど、なんか似たような話が繰り返されててイマイチ

  • 守破離→習破離 ESG・アウトプット→CSV・アウトカム 働き方・働きやすさ(やさしさ競争)→働き甲斐(きびしさ・成長) 顧客:既・未・非 クラウド・中枢<エッジ・現場 異質化:ゆがぎ・つなぎ・ずらし 付加価値=社会的貢献度-社会的負荷 JQ:Judgement Quotient=善を知る力 パーパス:原点(ならでは感)トライ&ラーン ノマド型:3年毎に学びの場 和す:受容→選択→変容 QoX=Quality of Experience  アナログ→デジタルの永久運動 3P+Purpose

  • 日本橋図書館

  • もっともらしくまとめられているが、筆者のやや偏った主張に誘導しているだけなのでは?

  • これから日本企業が目指すべき経営の方向性とは?バブル崩壊後、「通説」として流布する経営論のウソを暴き、自社ならではの強みを生かして成長を遂げるための「真説」を説いた書籍。

    ●「株主」から「社会」へ
    ・通説:「企業は株主のもの」である。経営者は、株主の利益を最大化するよう行動しなければならない。
    ・真説:「株主至上主義」は、当の米国でも見直されている。例えば企業の役割は、商品や雇用の提供、イノベーションの推進などにあるとされる。これは、企業を社会の公器とみる、本来の日本型経営に通じるもの。

    ●「既」顧客から「未」顧客へ
    ・通説:既存顧客の体験価値を最適化することが重要。
    ・真説:既存顧客との関係を深める前に、将来の顧客、すなわち「未」顧客の見極めが重要である。既存顧客に焦点を当てすぎると、新たな事業機会を取り逃がす。

    ●「コト」から「モノ」へ
    ・通説:「モノ消費」(所有価値)から、「コト消費」(体験価値)への移行が不可逆的な流れとなっている。
    ・真説:体験の質を高めるためには、コトを演出するモノに仕組まれた価値の高さが問われる。よって、コトに価値がシフトすると、モノの価値が高まる。

    ●「競争優位」から「学習優位」へ
    ・通説:環境の変化に戦略を適応させてこそ、生き残れる。
    ・真説:先が見えない時代、あれこれ戦略を思いめぐらせても答えはでない。戦略転換ではなく、学習転換が求められる。つまり、非連続な学習ループを作動させ続けることが、次世代の優位性の源泉となる。

  • 経営改革に関する本。
    nfvなど将来価値的な部分の話、言いたいことはわからなくないが、結局数値化できないと比較等の観点で決定が難しいし、そのあたりはどう捉えるべきなのか疑問になった。、
    各章のとぴっくについてはシンプルにまとめられていつつも本質を抑えられており、参考になる良著
    経営に重要な概念も多数網羅されている

    メモ
    ・働き方改革から働き甲斐改革。
    ・働きやすい会社から働きがいのある会社へ
    ・既存顧客から未顧客へ
    ・深層学習から転移学習へ。
    ・人工知能から人間拡張へ
    ・自社独自の事業開発プロセス
    ・オープンイノベーションはいかに自らの資産を磨き上げるかが重要。自ら独自資産を磨き、切磋琢磨していけるか。
    ・サービスの知識工学化こそがdxの本質
    ☆資産の三枚おろし 
     規模の経済のため完全外部共有
     範囲の経済のため外部と内部を組み合わせる領域
     技能の経済、自社無形資産で勝負する領域
     これらにより、スピードの経済を実現する
    ・newringの基準 独自性、持続性、拡張性
     1-10では価値創造から価値獲得へ 
     10-100はスケーリング。行動の型におとしこみつつ、揺らぎも加えて進化を内生化する。
    ☆ビジョンに必要な要素
     ならでは感、ワクワク感、できる感
    ☆見えざる資産
     顧客資産、人的資産、組織資産
    ・ティール組織の共通条件
     進化する目的
     自律性
     全体性
    ・mboとokrの違い
     経営目標から現場の結果指標にまで連綿とかつ無駄なく紐付け
     key resultsの達成度は70-80%が望ましい
     あくまで目標設定ツールで業績評価ツールではない
    ・リーダーの本質的な仕事は次世代のリーダーを育成すること
    ・新規事業の期待を持てるのはわかもの、よそもの、ばかもの
    ・esgでなくnsc cultureを
    ・csv実戦に向けた5p
    purpusing 理念を未来志向によみかえる
    personalizing 自分ごとに落とし込む
    problemsolving 阻害内部要因を洗い出す
    piloting パーパス実現の第一歩を踏み出す
    pivoting 半年ごとに振り返り次のアクションへ
    ・無形資産の強化
     ブランド、知識資産、パートナーネットワーク、人材
    ・csvの神髄。社会価値を高めるために経済価値を高める。
    ・csvに必要なこと、価値創造、価値獲得、価値伝達
    ・競争優位から学習優位へ
    ・超長期と超短期にフォーカスする
    ☆生命進化のプロセス
     ゆらぎ 辺境でのうごき
     つなぎ ゆらぎの筋のいいものを他の辺境へ。うねりへ変えていく
     ずらし うねりを既存事業開発や他社資産とつなげる

  • ・toppointで読む
    ・間違いであることが既に知られている感があったり、その真説もフレームワークや具体性がイマイチだったり。100もあるのでちゃんと本書を読んだらタメになる部分もあろう

  • 広く浅い。用語集みたい。

  • 単純にとても面白かった。
    本書は経営者の視点で考えるとは、どういうことなのか。そのリアルな話を教えてください。
    100のテーマについて、前段で示される通説を知れることでベース知識を増やせるだけでなく、それに対する著者の意見を聞けることで、さらに自分の頭が活発化する。

    この本の中にはいって、一緒に議論したくなる一冊でした。

  • 久方ぶりに登場した名著。近年の経営学のバズワードの一人歩きに対して、一つ一つ冷静にメスを入れ正していく。本書の優れているところは単なる説明本ではなく、筆者なりの視点や分析に基づく新しい知見を必ずその上に加えていること。経営コンサルとしての実務家経験に基づく他の追随を許さない「使える学び」が満載の一冊でした。

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著者プロフィール

一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)客員教授
東京大学法学部卒、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。三菱商事の機械(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。マッキンゼーのディレクターとして、約20年間、コンサルティングに従事。自動車・製造業分野におけるアジア地域ヘッド、ハイテク・通信分野における日本支社ヘッドを歴任。2010年一橋大学ビジネス・スクール(国際企業戦略科)教授、20年より現職。

「2021年 『稲盛と永守 京都発カリスマ経営の本質』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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