農村起業家になる: 地域資源を宝に変える6つの鉄則

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (209ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532318284

作品紹介・あらすじ

いま、農村に求められているのは単なる働き手ではなく起業家だ。農村ビジネスのカリスマ伝道師が、地域にある資源を集めて事業を立ち上げ、軌道に乗せるまでのコツを教える。

感想・レビュー・書評

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  • この集落は10年後にはガラッと変わってしまう。今の60歳くらいの者たちがいなくなるから。それに若者も中都市に行ってしまい流出している。人口が増えることはまず考えられない。

    という言葉を実家でよく聞く。ただ誰も対処法などわからず時間だけがすぎている状況。もはや手遅れなのではと思わざるを得ない。ただ農村の魅力は計り知れない。
    特に著者の言う6次産業、観光や体験、自然エネルギー、森林の建築活用、福祉や教育などのソフト分野、については都会にはない強みがあり、伸び代もある。それを活かし切れてないだけ、
    であるが農村起業にはいくつかの能力が必要。プランニング、マネジメント、営業、広告、会計、生産管理などなど。確かに普通のサラリーマンやってきた人にはなかなか手が出せないし、ましてそういう能力ある人は都会に行ってしまうんだろうなぁと。
    ただこれからの時代はそういう能力が都会で活かされるかもわからない。むしろ成長時代バカスカもの作る時代も終わったから「こだわりの一品、サービス」が求められる時代になる。

    グッときたのは「小さく始めろ」と「具体性」。いきなりホームランなんて無理だし始めれるところから徐々にはじめなさいと。これは他の起業の本にもよく出てくる話。リスク分散的な考え方でもやっぱり最初は金かけすぎない方がいいのね。

    具体性の話は泣けた。抽象論はどうでもいい。君がどんな頑張っても食料自給率はあがらんから!って痺れるわ。
    大学の卒業論文でグローバル経済について書きたいです!と言ったら、なんでもいいけどお前それ書いても世間が見てるわけじゃないんやから、はようお題絞れや。と教授に言われて恥ずかしくなったことを思い出した笑
    とにかく具体的な計画→実行→ブラッシュアップのサイクルを回せ。

    あと田舎って大変だなぁとも思う。この本でもやっかみの話は出てきたが、嫉妬心が凄いし何事にも保守的で現状維持なんだよね。自分たちで今までの伝統を変える自信がないというか決断できないというか。ただ現状維持って相対的に衰退でしかないんだよね。それが今の結果というのがなんとも。

    とにかく「変人」と呼ばれ慣れるまでが勝負ですね。

    あ、あと事業計画とパワポの話も分かり易かった。結局相手に何を伝えたくて何を売りたいのか、どんなサービスをして社会に還元したいのかを伝えないと意味ない。その伝える力の手段が計画書やパワポ。確かに引き付けられた。これは実践する価値あり。

  • ・農村で求められているのは、単なる働き手ではなく、起業家。

    ・農村での観光交流を成功させる3つのキーワード
     1)旬の地域資源 2)体験と交流 3)感動

    ・岡山県西粟倉村では、杉、ヒノキを活用した無垢床タイルを開発。
     都市部のオフィスフロア向けに人気。

    ・大学とのネットワークにより、夏休み期間中のインターンを
     受け入れられるかも。

    ・ソーシャルビジネスの5つの財布
     1)事業収入 
     2)会費、寄付、協賛金等、有志からの資金
     3)助成金、補助金等の公的資金
     4)金融機関等からの融資資金
     5)自己資金

    ・イベントをサプライチェーン作りに活かす
     川上から川下に至る人や組織をつなげること。

    ・成長期におけるもっとも大きな課題は、人材不足。

  • 耕作放棄地のデータを見る

  • 大崎Lib

  • 2014年1月の自分的にタイミング良い本でした。

  • この分野のパイオニアでもある曽根原さんの著書第二段。
    やはり実績に裏付けられた物事の整理には説得力がある。
    また、初心者にも分かり易く書かれている。
    農業だけではないと思うがソーシャルビジネス全般において、全体観とDetailのバランスが肝心だと思うのだが、前者を整理する上でも必読。

    社会の大きな潮流の中にあることは間違いないと思うので引き続きフォローしていく。

    農業起業事業構造の5本柱
    ①農業の6次産業化
    ②農村での観光交流
    ③森林資源の建築・不動産活用
    ④農村にある自然エネルギー活用
    ⑤教育・情報・IT・メディア・福祉・健康等のソフト産業と連携した農村資源活用


    以下引用~
    ・私は、農業起業の目的・目標は、個人が生きて、かつ地域が生きることだと思っている。言い換えるならば、自己実現と地域づくりの同時実現だ。

    ・「中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。一生懸命だと知恵が出る」

    ・荘子の言葉
    一、遠方で仕事をやらせてみせて、相手の忠誠心をためしてみる。
    二、近くで仕事をやらせてみて、相手の人柄を観察する。
    三、面倒な仕事を担当させてみて、相手の能力をためしてみる。
    四、思いがけない質問をしてみて、相手の見識をためしてみる。
    五、あわただしく約束をとりかわして、それを守るかどうかをためしてみる。
    六、お金を与えてみて、どの程度思いやりがあるかを観察する。
    七、ピンチに陥ったことを知らせて、相手の節操をためしてみる。
    八、酒に酔わせてみて、社会人としてのケジメのつけ方を観察する。
    九、女と一緒にしてみて、どの程度色を好むかを観察する。
    (『賢者たちの言葉』PHP研究所より)

  • ・第6次産業とは第1次産業=農林水産業、第2次産業=加工、製造、第3次産業=サービスを掛けあわせたもの
    自分で作って、自分で売って、自分でアフターケアというところだろうか
    自給自足に近い感じがするし、自分の手で全部やれる範囲のことをやるのはいいな
    ・右肩上がりの高度経済成長期にサラリーマン根性が身につき、組織に依存する人が増えたけど昔の人は会社勤めなんてほとんどしていない
    ・経済成長が停滞した今だからこそ、第6次産業のような考えが出てきたのだろう
    ・ITや交通手段の発達で個人レベルでも小さく仕事をしやすくなったのもよかったのではないか、ノマド(フリーランスが多いはず)もはやりだ

  • 山梨県の豪傑・えがおつなげて曽根原さんが書いた、農村起業家になるためのノウハウ本。ここ最近、ローカルビジネスが流行っていて、関心を示す人たちは多いのだけど、どのように地域に入っていけば良いのか分からない、何をビジネスのネタにしたらよいのか、といった質問に対する答えが書かれている。

    ある程度一般化した内容になっているため、もちろん実際に行動に移す際にはそれぞれの個人の思惑や、地域の特性に合わせてカスタマイズする必要があるのだけど、いずれにしてもこのように体系づけされた内容というのは恐らく初めてであろう。

    今後、この分野はますます拡大していくだろうし、曽根原さんの言う10兆円産業というのも、あながち誇張ではないと思う。

  • 勉強になった。「農村起業」特有のフローを学べる本に出会ったのが初めてということもあり、事業化していく上で参考にしたい。何度でも読みましょう!

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著者プロフィール

2015年7月現在NPO法人えがおつなげて代表理事

「2015年 『農業再生に挑むコミュニティビジネス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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