なぜ、あの会社は儲かるのか? ビジネスモデル編
- 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2012年7月1日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532318215
作品紹介・あらすじ
ゴールドマン・サックスから不動産業に転じた社長のハイブリッドな戦略とは?高収益を上げるコマツが築いた儲けの構造は、複写機業界での常識だった。ブリヂストンのリトレッド事業は単なる中古タイヤの再生か?サービスを取り込む新たな道。異業種が儲けている、あの成功企業をマネしたい。どうすれば稼ぐ仕組みを移植できるのか?他社から学ぶためのヒントを探る。
感想・レビュー・書評
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「自分は儲けることなんて興味ないから」とソッポ向いてしまってはとても残念。
ビジネスに興味ある人にもない人にもとても面白い本です。
「がっちりマンデー」みたいな内容。
ただし、初耳の専門用語が多い。あ、エリートの皆さんには日常なのかもしれませんが。
そしてその用語の説明が具体的でとてもわかりやすいので、頭が良くなった気がするのです。
こういう本は新しいうちに読むのが不可欠だから、急がないと!
そして私は読みながら考えた。何かいいビジネスモデルはないかと。
いえ、正確にいえば自然に思いついたのです。
ジレットモデルという定番の収益モデルがあります。髭剃りのジレットが始めたからこう呼ばれるのですが、髭剃りの柄の部分を安価あるいは無料で提供し、相対的に高く価格設定された替刃で利益を上げるビジネスモデルです。
その例として、複写機本体をリースあるいはレンタルにしてコピーとるたびにカウントされるようにして利益を回収した富士ゼロックスや、浄水器とカートリッジ、プリンターとインクカートリッジなどがあります。
私の興味をひいたのはネッスルのネスプレッソ。コーヒーメーカーは安いがカプセルの利益率が高い。
そしてオフィスグリコ!!富山の置き薬みたいなしくみです。コンビニでの菓子の購入の7割が女性なのに、オフィスグリコの利用者の7割が男性だったそうです!菓子を買うためだけにコンビニに行くことはなかった30~40代の男性の需要を発掘できたんですって。
そこで私が思いついたのは、そうです。自宅で生ビール!
私は生ビール飲みたいだけのために月3回居酒屋行くので、これがあったらいいなあ。
そしたら酔っぱらって線路に落ちるとか、乗り越して他県まで行ってしまうとか、そういうトラブルもなくなると思うし。
でもきっと私以外にも考えている人いるはず。
法律の問題?衛生上の問題?あるいはウィン・ウィンを考えると、居酒屋さんを敵にまわしてしまうかな。でも酒代は交際費と思っている人もたくさんいるし。顧客のトータルコストが高くなってしまうということもあるのかな。
そんなふうにいろいろ考えながら、毎晩自宅で生ビール飲む自分の姿を思い浮かべる私です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
異なる業界のビジネスモデルに学ぶ。
事例が豊富。それぞれのビジネスモデルの肝が分析されている。 -
愛読書です
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ビジネスモデルの本は多いが、海外の事例を暑かった本が多く、それゆえ、先進的なビジネスモデルは規制や独自の商慣習の多い日本では難しいように思えるが、本書は日本の企業の事例を挙げている。
ビジネスモデルはOOPのクラスと同じで、2つの側面を持つ。
?静止画(クラス)(収益構造を静的な設計図にしたもの)
?動画(インスタンス)(設計図を具体的に自業界に適用した場合のパラメータ。季節変動、業界慣習)
多くのビジネスモデル本は?を扱っている。
静止画の状態は確かに理解しやすいし、導入部分としては最適だ。
だけど、新規市場に参入して失敗した事例のほとんどは、?の想定ミスで失敗している。
本書では、それを「臓器移植における「拒絶反応」と「免疫抑制プロセス」に例えていた。
ビジネスモデルは単純に「儲ける為の仕組み」であり、それは短期的なものではなく、ある程度永続化する必要がある。
「設計図」だけが必勝パターンであれば、どの業界も必ずより大きな資本力を有する後発企業に同質化競争をかけられ、敗退していく。(実際にその事例がとても多い)
それでも同質化競争をかけられないビジネスモデル構築の事例は多く、そして、その構造を他業種に適用して成功した事例も多い。
<blockquote><i>「イミテーションはイノベーションよりも数も多く、現実に企業に利益をもたらすケースが圧倒的に多い」</i>
</blockquote>
ビジネスモデルというのは、それだけで閉じた知識ではなく、取引先や競合他社を評価する時の「基準」であり、その為にはやはり構造の事例を多く知る必要がある。
本書では加えて、実際に他業種の構造を自社に取り入れる時の問題点を取り上げているのがとても良かった。
本書に興味をもったきっかけは、<a href="http://blog.six1.jp/archives/3819" target="_blank">この</a>ブログから。
非常にコンパクトにまとまった内容で素晴らしい。 -
儲かっている会社の仕組みを詳説してくれる本。聞いたことのある企業ばかりと思ったが、当たり前。成功した企業は当然目に触れるし、有名になる。西松屋、コマツ、ブックオフなどなど。事例も興味深いものが多い。
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新しいビジネスモデルは、簡単には作れない。一方、違う業界での成功ビジネスモデルの自分の業界へ導入は、以外に簡単。という趣旨の本。前半は、そのパターンのケーススタディーで面白いのだが、後半はそれに比べて内容が軽い。
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事例が豊富でとても参考になる。
知っていた企業のビジネスモデルでも、より深く理解でき、ビジネスモデルの骨格が浮き彫りになった。
いろいろと目から鱗でした。 -
スター・マイカのビジネスモデル。裁定取引、大数の法則、ポートフォリオ。
楽天バスサービス=レベニューマネジメント
ゴアテックス=高級品にしか使わせなかった。
シンサレートと対照的。
コマツのKOMTRAX。活用方法のコンテスト。
キャタピラと違って、代理店が強くない。規模が大きくない、ことが有利だった。
星野リゾート=再生受託運営事業。
80%をセントラルキッチンで、20%を現地で。
部屋食はやらない。女将に依存しない。
パーク24。駐車禁止の看板製造会社。三井のリパークとは住み分け。
ブリヂストンタイヤの再生タイヤレンタル。GEの航空機エンジンレンタル
顧客の再定義、顧客価値の再定義、顧客の経済性、
ベネッセ=顧客をBからCへ。
ライクラ=スパンデックス。デュポンが開発。ナイロンがコモディティー化したため、徹底したブランド管理を行っている。
ガリバー=顧客をCからBへ。C to B to Cを、C to Bだけにした。やせ我慢。
マイナスの差別化=他者に追随されにくい。QBハウス、スーパーホテル、スターバックス、サウスウエスト、セブン銀行、カーブス、イケア、ライフネット生命、ケアプロ、など。
カーシェアリング=オリックスは基本料金を取らない。アースカーは時間料金をとらない。
スーパーホテル、ノーチェックアウト。眠りにこだわる。
アマゾンのマーケットプレイスの狙いは、ロングテールを自社で揃えないこと。
売り切らない=リース、レンタル、継続モデル。 -
視野を広く持つのが必要ですね!!