WHYから始めよ! インスパイア型リーダーはここが違う
- 日本経済新聞出版 (2012年1月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (261ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532317676
作品紹介・あらすじ
理念と大義を掲げてみんなを巻き込み、奮起させ感激させる企業とリーダーには意外な共通点があった!アメリカで大人気のコンサルタントが、組織の内外の人たちに感銘を与え、やる気を起こさせ、アイディアやビジョンを発展させる手助けができる"インスパイア型リーダー"になる方法を伝授。
感想・レビュー・書評
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リーダーはたくさんいる。
でも人の行動に影響を及ぼす人は一握りの謎に迫る。
人間の行動に影響を及ぼすのは、操作か鼓舞(インスパイア)しかない。そして本書は鼓舞の重要性を問う。
操作されてる気なんて無かったけど、我々がどれだけ操作されているかに驚愕する。
こんにちの世界は、操作が標準になっている。価値観や信条に共鳴する人々の集合体であったはずが、目先の利益重視のため、操作を選択している。
以下の3つの順でアプローチする。
Why 理由(お金を稼ぐため、は含まれない)
↓
How 手法
↓
What していること
自分の仕事をHowとWhatは説明出来るが、Whyはなかなかできない。
Whyが無くなると、人は誰かに勝とうとする。自分自身に勝たなくては、進歩は無いのに。
Appleやキング牧師がやろうとした事は、他の人もやろうとしていたのに、何故Appleとキング牧師に人が集うのか。そこにWhyがあり、I believeがWe beliveになったから。
なるほどカッコいい。
これを会社に当てはめると、自分が一員と感じれることが大事。そうでないと高い給料で人をさらわれてしまう。
この会社が最高の会社であるのは、あなたのご協力のおかげです!ありがとう!、とメッセージが送れれば、従業員はきちんと世間に反応し、製品が売れ、株主が幸福になる。
この発想はスゴイ。
人類が成功を収めたのは、「文化」を形成する能力で他の生物にうち勝ってきた。「文化」は、同じ価値観や信条を持つ集合体で、この強さが会社の強さにもなる。(文化→理念→Whyということ)
ただ、Whyで得た成功が最大の敵になる。
それは成功で得た人、カネ、オフィスと数字に置き換えることものと対比して、Whyという捉えどころの無いものが、消えていく。大規模になることでWhyを失うという皮肉。
たんなる歯車感。
Whyは最高の頭脳である必要はなく、価値観を体現し、会社員が皆、朝起きたらWhyを思い出させるのがお仕事になる。
これが説得力を持って説明されていることがスゴイ。
Whyからはじめてないと、HowとWhatがおかしくなってしまう。Whyからはじめると複雑な決定はよりシンプルになり、Whyが世界を変える。
というお話。
これを自分に当てはめると、自分の行動もシンプルになるのでは!
その前に、自分のWhyとは!?
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1.リーダーになることが多くなってきたことと、自分の説明に説得力がなく、綺麗事のように感じられることが多いので読みました。
2.人をインスパイアすることができる能力は非常に大切です。これはリーダーならチームを、社長は社員を率いるためには必ず通る道です。上からの一方的なメッセージだけではフォロワーの心には響かず終わってしまいます。
本書ではWHY→WHAT→HOWの順番で自身に問いかけていき、言語化していくことが大切だと言ってます。なぜこの順番だと人の心に響くのか、なせ人は動くのかということが書かれています。
3.人は誰しも応援したくなる生き物なのだと思いました。例えばマンガがわかりやすい例であり、目的に対して真っ直ぐに進んでいる姿に読者は惹きつけられます。現実では、目的を立てずにとにかくこなすことだけに囚われていることが多々あります。そんな状態では「何をしているのかわからない」と見られてしまいます。そうなれば応援しようがありません。だからこそまずはWHYの徹底が先決なのだと思いました。そして、それを理解してもらうためには自分のことを伝えていきながら相手の意見を聞くことも大事だと思いました。-
NAMIさん、こんばんは。
コメントの返信をありがとうございます。
NAMIさんのおかれている環境や立場を知らないのに、強い文調で傾聴と言う...NAMIさん、こんばんは。
コメントの返信をありがとうございます。
NAMIさんのおかれている環境や立場を知らないのに、強い文調で傾聴と言う事を申し上げてしまい大変恐縮しています。ひとりの大人として申し訳ありませんでした。
ただNAMIさんは、様々な分野の書籍を読んだり、経験を積んでいらっしゃるようなので、強いて傾聴の大切さもと思いコメントさせて頂きました。
このコメントにより気分を害されたら、申し訳ありません。2022/08/17 -
2022/08/17
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2022/08/17
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WHY 創業者の想い:創業理念
HOW 創業者に共感した(インスパイアした)信奉者の行動
WHAT その結果:利益、売上
創業時は、 WHY→HOW→WHAT で成長を続けるも、
創業者の退出で、WHAT が目的となり、WHYとの乖離が行われる
その結果、WHYも、共感したHOWもなくなり、WHATしか残らなくなる
創業当初の目的、理念からは大きく外れ、企業は別の道を歩むことになる
心に残った言葉
・従業員が幸せになれば、客もまた幸せになれる。そして、客が幸せになれば、株主もまた幸せになる。
・自分に尽くしてくれる人のために、自分も尽くす。
・信頼とは数値に表せないもの。信頼は理詰めで得られるものではく、感情だ。
目次は以下
はじめに
なぜ、WHYから始めるのか?
第1部 WHYから始まらない世界
第1章 あなたの思い込みが間違っていたら?
第2章 飴とムチ
第2部 WHYから始まる世界
第3章 ゴールデン・サークル
第4章 これは生物学だ
第5章 明快さ、厳しい指針、一貫性
第3部 リーダには信奉者が必要
第6章 危機に瀕する信頼
第7章 ティッピング・ポイントとは
第4部 信じる人間をどう集結させるか
第8章 WHYから始めよ、だがHOWも知れ
第9章 WHYがわかり、HOWもわかった。で、WHATは?
第10章 コミュニケーションとは耳を傾けること
第5部 成功は最大の難関なり
第11章 WHYが曖昧になるとき
第12章 WHATとWHYの乖離
第6部 WHYを発見する
第13章 WHYの源泉
第14章 新たな競争
謝辞
訳者あとがき -
2年ほど前からずっと読みたかった本だがなかなか機会がなかった。読み終えた直後の感想は「もっと早く読んでおけばよかった」である。
著者の主張は単純明快で、あとがきにもある通り「行動を起こすときには、自分のwhy(大義、理想)を明確にし、それを軸にしてすべてを始めなければならない。それができて初めてhow(手法)を考えることができ、その結果、WHAT(成果)をあげることができる」というものである。
類書でいえば、whyは「ビジョン、クレド」でありリーダーが持つもの、howを担うのは軍師役、といったところか。
いままでも、プロダクトやサービスでwhyとhow・Whatがかけ離れている「気持ち悪い商品(サービス)」は何度か見たことはあるが、ここまで明快に言語化されて説明されて初めてその理由が得心できた。
加えて、ロイヤリティやマネジメント、組織づくりやリーダーシップに関する記述も非常に興味深い。whyから始めることにより、なぜうまくいくか(いったか)が説明できるようになるのである。
随所に使えるフレーズや腹落ちさせられた言葉も散りばめられており、事あるごとにこの本に帰ってくるのは間違いなさそう。なので星5つ。 -
2012年1月刊。人々を長期的に惹きつける方法は「操作」ではなく「鼓舞」(インスパイア)する。
◆【引用メモ】人々は、あなたの WHAT を買うわけではない。あなたがそれをしている WHY を買う。(p.50)◆指針を明確にするには、動詞を使うといい。「誠実」ではなく、「つねに正しいことをしよう」と書こう。「イノベーション」ではなく、「問題を違う角度から眺めよう」と書こう。自分の価値観を動詞で表現すると、はっきりとしたアイディアが浮かび、どんな状況に直面しても、どう行動すべきかが明確にわかるようになる。(p.80) -
経営者から従業員、学生、どのような仕事、年齢の人にも薦めたい一冊。人を惹きつけるリーダーの行動、言葉、考えの原点(スタート)がすべて whyからであるということを具体例に基づき説明される。
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「爆速経営」の巻末にお薦めされていた著書。
〈ゴールデン・サークル〉は、円の中心から始まる。すべてがWHYから始まるのだ。
その応用法へと話を進めていくまえに、まず、この円のなかに記されている単語の意味を説明しよう。円の外側から内側へと、順に説明していく。
WHAT:企業や組織は、自分のWHATがわかっている。大企業であろうが中小企業であろうが、どんな産業であろうが、だれもがわかっている。自社が扱っている製品やサービスのことならだれだってすらすらと説明できるし、会社や組織のなかで自分がどんな職務についているかも簡潔に説明できるはずだ。このようにWHATは、明確に説明することができる。
HOW:自分がしていることのHOWを知っている人や企業も、なかにはある。「価値観に差異をもたせる」、「独自の工程」、「ユニークな販売計画」など、よそとは違う方法、よりよい方法をとるのだ。これをHOWと呼ぶ。HOWはたいてい、WHATほど明確ではない。ひとつの決断をくだすうえで、よそと差異化をはかり、人にやる気を起こさせるのはHOWのはずだと考える人は多いだろう。だが、HOWさえわかっていればそれでいいと考えるのは間違っている。ひとつ、見逃している点があるのだ。
WHY:自分がいましていることを、しているWHY。これを明言できる人や企業は少ない。ここで留意してほしいのは、このWHYには「お金を稼ぐため」という理由は含まれない。それは結果にすぎない。私がWHYと問うとき、それは、あなたの目的はなんですか、大義や理念はなんですかと尋ねているのだ。なぜ、あなたの会社は存在しているのか?なぜあなたは毎朝、ベッドから這いだし、出勤しているのか?なぜ、そんなことを気にかけねばならないのか?
1970年代初頭、旅行客のなかで航空機利用者はたった15パーセントにすぎなかった。当然航空会社の市場はまだ小規模であり、大手航空会社の競合会社になりそうな企業があったとしても、結局は、採算がとれないだろうと市場参入を断念していた。ところがサウスウエストは、旅行客の15パーセントの人々に目をくれたのである。ライバルはだれですか、と当時のサウスウエスト航空に尋ねたら、「車やバスがライバルだ」という返答が返ってきただろう。だが、その真意は「われわれは庶民のために戦う闘志である」ということだった。それこそ、かれらが航空会社を創業したWHYだった。それがかれらの志であり、目的であり、存在理由だった。
人類がこれまで成功をとげてきた理由は、私たち人類が最強の動物だからではない―とんでもない。身体の大きさと腕力だけでは、成功は保証されない。文化を形成する能力があったからこそ、人類は種として成功をおさめた。文化とは、同じ価値観や信条をもつ人々の集合体だ。ほかの人と価値観や信条を共有できれば、そこから信頼が生まれる。他人を信頼すれば、自分の子どもを守る際に力になってもらえるし、自分が生き延びる確率も高くなる。洞穴の外にでて狩猟にでかける能力、帰宅するまで自分の家族や所有物を近隣の人が守ってくれるという自信をもって探検にでかける能力は、個人の生存、そして人類の進化においてもっとも重要だ。
偉大なるリーダーが共通してもっているのは、組織の適材を見つける能力だ―リーダーが信じるものを信じる人間をさがす能力である。サウスウエスト航空は、適材を雇う能力をもつ企業の好例である。自分の信念を体現する人材を見つける能力があれば、すばらしいサービスを簡単に提供できる。ハーブ・ケレハーがこう語ったのは、語り草となっている。「技術を雇うんじゃない、姿勢を雇うんだ。技術なんぞ、いつだって教えられる」。まさに言い得て妙。 -
数あるTED映像の中で一番心に残っているのがサイモン・シネックの『優れたリーダーはどうやって行動を促すか』です。そのサイモン・シネックの著書。
TEDのプレゼンが完成されているので、本書を読むぐらいならTEDの動画を10回見たほうが有益かもしれませんが、本書ではもう少しだけゴールデンサークル理論を組織論に展開しています。
ゴールデンサークル理論の一番面白いところはそれが生物学的に裏付けられている点です。人間の決断を司るのは感情や信念を支配する大脳辺縁系であり、ここに言語機能はありません。言語を理解するのは大脳新皮質であり、ここは合理的な分析も行います。
だから人にWHATをいくら言葉で説明しても、確かにそれは理解はされますが、直接決断にはつながることは稀です。でも自分のWHYが、信念が相手に伝わり、そして相手も同じ信念を持っていれば、それは決断に直結します。なぜなら脳の構造がそうなっているからです。
周囲をインスパイアする人たちはWHYから始めるのです。