日本のもの造り哲学

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532311391

作品紹介・あらすじ

現場に精通した「もの造りの哲人」が示す、日本企業の生きる道。

感想・レビュー・書評

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  • ビジネスアーキテクチャという軸を用いて、ものづくり全般を分析しています。
    「モジュラー」「インテグラル」の概念は面白く思いましたが、同製品でも部品によって、または工程によってどちらともなりうる点においては、この理論の汎用性に疑問を感じました。
    しかし、わかりやすい文体で実例を多く用いているので、同氏の著書「生産マネジメント入門」と比べて敷居はかなり低くなっていると思います。

    ものづくりに従事している方におすすめできます!

  • アーキテクチャ。インテグラル型とモジュール型。製品でそういう概念があるのは知ってたが、これを工程にも拡張する。そして自社と顧客製品それぞれがどっちのタイプかで利益率が変わると。結構面白い洞察だった。

  • 地に足がついた感のある戦略論で基本的に共感がもてる本です。なにより藤本氏自身の言葉で語られているのがいい。アーキテクチャーによる分類、裏の競争力、表の競争力、組織力といったフレームワークは製造業だけでなくすべての企業にあてはめることができるでしょう。私はサービス業勤務ですが、うちの会社はどこが強いかな?とこのフレームワークを応用して考えてみました。
    1冊読めば「モジュラー」「インテグラル」などの用語はもう体の一部として染みこむでしょう。私は、この分類自体は大した発見ではないと思うけれど、製品アーキテクチャーと組織力の相性や裏の競争力と表の競争力とのつながりを強調している点が、特に重要だと感じました。組織力についてはまだ体系化されていないようなので今後はそこの研究をしていただけるとより洗練されたモデルになる気がしました。

  • 閲覧室 509.21||F

  • 2004年刊行。著者は東京大学大学院経済学研究科教授兼ものづくり経営研究センター長。◆本社からでなく「ものづくりの現場からの経営学」を標榜してきた著者が、元気のない日本の製造業の実情を説き起こし、単純な分析の誤謬を修正しつつ、実際の問題点も論じる。キーは、摺り合わせ型(例セダン型自動車)とモジュラー型(例 デスクトップ型パソコン)の分別と、これを鉄鋼・化学等の産業分野でなく、製品の製造工程の内実、製品の利用目的・箇所毎に分析すべきとする点。◇また、米、欧、中、韓、東南アジア毎の特徴も解説。
    ◇「疑似オープン・アーキテクチャー」(汎用部品やシステムを強引に結合)するタイプの中国(新幹線が判り易いか)。部品やその統合に関する技術進歩が望みにくい問題点の外、一部では部品等の質の向上が図られている点、カップラーメンの新商品開発の如き大量の種類の市場投入⇒販売不振商品の早期撤退⇒売れ筋の爆発的な大量生産という特徴を切って見せ、なかなか面白い。◇日本の製造業に関し、自社・顧客・競合他社・市場等を分析した製品の位置取りが下手な点が、利益向上を阻害するというのも、ほほっと思わされる。
    勿論、日産とルノーの提携シナジー(利用技術面と工業デザイン)の真の意義、トヨタの凄さ(改善回数が1日3回位)、他社の基幹部品の製造で光る企業、日本企業ながら大量低価格生産で世界トップシェアを誇る企業等、単純分析が如何に浅薄かを教えてくれる。◆個人的に製造業と関わることはないが、有益な示唆を受けた書。◆また、多能工労働者を二種に分け、長期的な現場教育・経験が不可欠の場面(つまり正社員化の必要が大)も指摘。◆PS.3Dプリンターの技術革新がもたらす意味は、04年刊行のためか、触れられない。

  • 日本の製造業の強み、弱みを理解するために必須の書

  • メーカーの経営を
    経営側と生産側という切り口で説明。
    自動車業界においていかにトヨタが
    優れているかを解説。

  • 日本企業のもの造りの論理。日本ならではの競争優位を築くための指南書。10年前の本であっても、とても勉強になる。

  • 《教員オススメ本》
    通常の配架場所: 3階開架
    請求記号: 509.21//F62

    【選書理由・おすすめコメント】
    技術で勝ってビジネスで負ける。日本の家電産業にみられる現状である。日本のもの造り産業が生産技術に代表されるように営々現場を鍛え上げてきたが、その割りに利益が出ていない。強い工場、強い本社というあるべき姿を詳説している。日本の産業論を理解する一助となる書籍です。
    (経営学部 佐竹博先生)

  • インテグラル(擦り合わせ)型とモジュール(組み合わせ)型。クローズ型とオープン型。もの造りのあり方を考える際に便利な指標を得られた。

    情報技術の分野だと、ホスト型と分散型の議論が近いのだろう。そのせいか、個人的にはオープン・モジュール型に親近感を覚えます。

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著者プロフィール

早稲田大学教授,東京大学名誉教授

「2024年 『工場史 ポスト冷戦期の日本製造業』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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