- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532264536
作品紹介・あらすじ
ディズニーの入場料8200円は世界では最安値、
富裕層が満足できるホテルが日本にはない、
年収1400万円のSEは海外で低収入、
ダイソー商品は、バンコクでは200円以上……
ときには、新興国からみても「安い」国となりつつある日本の現状について、
物価、人材、不動産など、さまざまな方面から記者が取材。
コロナ禍を経てこのまま少しずつ貧しい国になるしかないのか。脱却の出口はあるか。
取材と調査から現状を伝え、識者の意見にその解決の糸口を探る。
2019年末から2020年にかけて日経本紙および電子版で公開され、
大きな話題をよんだ特集記事の大幅加筆バージョンを新書化。
感想・レビュー・書評
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【感想】
ダイソーが好きな連れと、韓国のソウルにある「ダイソー 明洞駅店」に行ったことがある。11階建ての建物全てがダイソーになっている超大型店舗だったが、そこに並べられていた商品は素材もディティールも日本のものと似通っており、半分以上は3,000ウォン~5,000ウォン(300円~500円)であった。
つい、「う〜ん、この値段なら日本で買うな…」と思ってしまった。
ディズニーランドでも同じことがあった。
コロナの影響で入場制限がかかったディズニーランドは、開園以来最低レベルの混雑率。列を作らなくてもアトラクションに乗れたりグリーティングできたりしてしまう状況だった。
相当に快適であったが、同時に、「このぐらいの値段と快適さじゃないと、わざわざ来ないかなぁ」と感じてしまったのだ。
このエピソードの怖さは、「高い」と感じたことだけにあるのではない。「質が良くても、この値段なら買わない/行かないなぁ」と、自分の中で予算を線引きしてしまったことにある。
本来であれば、ダイソーが300円でも、ディズニーが1万5000円でも、質を考えれば相当にお買い得であると思う。しかし、日本の金銭感覚の中では、これらは分不相応に高く映ってしまう。デフレが続く社会の中で、いつの間にか「質が良くても安くなければダメ」という感覚が植え付けられてしまっているのだ。
本来ならば質と値段は比例するものであり、その中で特に質が高いものが「お値打ち品」として人気を博すのだが、まず最初に「値段の足切り」が存在してしまっている。安くて質のいいものに慣れきってしまった弊害が起こっているのだ。
安さは確かに正義かもしれない。特に最近では、商品にブランド料が反映されることを嫌い、「素材」「使いやすさ」「耐久性」といったエッセンシャルな部分のみにフォーカスを当てた商品が人気を集めている。
だが、安さの追求は、商品・体験を買うことで得られる「満足」「特別感」という、値段に反映されない「付加価値」の部分をゼロにする。
だれもかれもが価格を極限まで下げてしまうと、他社との差がつかなくなる。過当競争の中で抜きんでるためには、価格に反映されない「おもてなし」の部分を強化するしかなくなる。本来であればお金を払って受けるはずの特別なサービスが過剰に増えることで、顧客がその状態に慣れきってしまい、少しでも接客が悪ければ「サービス精神が無い」という理由で買い控えていく。結果的に販売者にかかる負担だけが膨れ上がり、生産性がどんどん落ちていく。
日本では「サービスは無料」だという考えが強い。それは安さを徹底的に追求するなかで商品の「付加価値」を蔑ろにし、純粋な原価しか目に見えなくなった結果なのではないだろうか。
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【本書のまとめ】
1 日本の購買力低下
日本のディズニーは世界でも最安水準。しかし、日本人の所得や生活水準からすると、世界で最も安いディズニーランド料金ですら割高に映るという。
同じく日本の物価の低さを物語る例が、100円均一ショップの「ダイソー」である。ダイソーは2021年2月末現在、24の国と地域に2,272店舗を出店しているが、日本を除く殆どの国で――先進国でなく新興国であっても――200円を超える価格がついている。
ダイソーが外国で割高の理由は、物流費ではなく現地の人件費が高いからだ。いま進出している国や地域の全てで人件費、賃料、物価、そして所得が向上している。20年前ならいくら高品質でも「新興国で200円前後」なんて売れなかったが、現在は現地の購買力が上がったため成り立っている。タイでは210円するが、現地の中間層に大人気だ。
デフレが生み出したビジネスモデルが、価格を下げ止まりさせている。人手不足が続いても賃金が上がらないため働く人の消費意欲が高まらず、物価低迷が続いて景気も盛り上がらない。この「負の循環」が、日本の購買力を落ち込ませたのだ。
2 年収1400万円は低所得
港区の年平均所得1200万円は、サンフランシスコでは低所得に分類されるという調査結果が発表された。
アメリカで高く、日本で安いのは家賃や食事だけではない。サブスクなどの、グローバルサービスの年会費も日本が最安値なのだ。
モノやサービスの価格と賃金は密接に結びついている。日本の賃金はこの30年間全く成長しておらず、賃金がどんどん上がるアメリカなどに比べて、日本は相対的にどんどん安くなってしまった。
●賃金低迷の原因
①生産性の低下(賃金の低迷により生産性の低下が起こっているという説もあるため、一概にどちらが原因とはいえない)
②中高年男性の賃金の下げ止まり
③初任給が低い(アメリカの30歳代IT人材の年収は、日本の2倍以上)
これらの原因からくる「給与の壁」が、人材獲得のネックになっている。諸外国と比べても給与が安いため、日本企業は世界で戦うグローバル人材が獲得できない。物価も賃金も上がっていない国に魅力はないのである。
優秀な人材に高額報酬を提示できない理由は、日本特有の雇用制度、つまり
①賃金交渉のメカニズムがなく、給料が年功序列の横並びであること
②雇用が流動化していないため、他社に比べて自分の賃金が高いか低いかわからないこと
が原因と言われている。
ジョブ型雇用の導入でこのような問題がすべて解決するかというと、一概にそうではない。
ジョブ型を取り入れたにもかかわらず、その日本企業に年功序列や年次主義といった不透明な評価基準が残ってしまうと、グローバルの転職市場で日本企業は不利なままだ。
形だけジョブ型にするのではなく、企業と従業員がフェアな関係になるような、透明性の高い人事制度の構築が不可欠になる。
3 買われるニッポン
外から見た日本の安さは、豊富な資金を持つ海外勢から格好のターゲットになっている。
北海道のニセコ地域は、地価上昇率が4年連続日本トップだ。外国人観光客を相手にしたい外資系企業が、こぞってニセコに高級ホテルやコンドミニアムを建築した結果、周辺地域のアパートの家賃が上昇しているのだ。
恐れるべきは、買い負けだけでなく「人材の流出」にもある。
中国ではアニメ人気が高まる一方で、海外のネットコンテンツの流通規制が強化されており、2018年頃から日本アニメの買い控えが始まった。そこで、ビリビリなどの動画配信企業が、日本に拠点を作って日本人アニメーターを抱え込もうとしている。
市場が拡大する中国にとって、日本のアニメーターはお買い得。日本の年収の3倍でも軽く出せる。
中国は豊富な資金力でデジタル作画の設備が揃い、アニメの質が格段に向上している。日本のアニメ業界の待遇の悪さは質の低下、最終的には業界の停滞に繋がりかねない。
今や日本が中国の下請けになっているのだ。
4 日本人はターゲットにされなくなる
日本への訪日外国人が増え続けた理由は、ひとえに日本がものすごく安いからだ。
東京では、外国人富裕層向けの高級ホテルと、日本人向けの低価格ホテルという「二重価格」が当たり前になっている。
食材については買い負けの危機が起こっている。欧米やアジアで健康志向が高まった結果、和食ブームで高級食材としての魚の需要が急増。水産物が高値で取引されるようになり、同水準の価格を出せない日本の業者が買い付け競争に破れて、思うように魚を調達できなくなっていた。
今でもサーモン、タコ、ロブスターは高騰の一途を辿っている。そのうち、日本で取れる魚が海外に優先的に出荷され、日本人が和食にありつけないことが起きるかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
日本のみで考えると価格の感応度に過敏な国民性であり、それが負のスパイラルに陥る1要因であることが、諸外国の価格例からもありありと理解できました。
各エコノミストや専門家の意見も傾聴に値しました。 -
「えっ、まじでか❕」となる読後感でした。
バブル期には、「銀座は世界一高い土地!」などと言われ、物価が高いのが日本だと思っていましたが、大きな間違いでした。
ディズニーランドの入場料は、6カ国で1番安く、ダイソーの商品を100円で売っているのは日本くらいで、タイでは210円、イスラエルでは320円だそうです。
バブル期には、「東南アジアは安いから買い物し放題!」とやっていた立場が、全く逆転しているのです。
物が安いのはいいことなんでしょうか??
めちゃくちゃ衝撃を受け、また参考になりました。
ぜひぜひ読んでみてください -
マクロで言えば、今の日本の経済が抱えている問題は二つに集約出来るのではないかと思う。一つは、日本の経済が成長しないこと。もう一つは、経済が成長せず、一人当たりのGDPや所得が増えない中で、個人間の所得格差は広がっていることだ。
本書は、二つの問題のうちの前者、日本経済が成長しないことによって起こっている、様々な現象についての問題提起である。
扱われている現象や問題は下記のようなものだ。
■物価が上がらない。国際比較をすると一目瞭然であるが、日本の物価は先進国の中で、あるいは、アジアの新興国と比べても相当に安い水準にある。これは、経済が成長せず、人件費も上がらないことの結果でもあり、原因でもある。
■上でも触れたが、結果的に賃金が上がらない。賃金が上がらないということは、所得水準・購買力が上がらないという事なので、経済成長が起こらないという悪循環となる。
■日本では物価が安いので、外国人にとっては、お値打ちの物が多く、色んなものが買われる。インバウンド需要や爆買いは、その典型。
■経済が成長しないということは、国際比較上、徐々に相対的に日本は貧しくなっているということ。国際価格がついているもの、例えば、水産物、あるいは、IT技術者の給料など、日本が買えなくなりつつあるものが増えている。
私は、2003-2004年にイギリスに留学して以降、2004-2008年はグローバルの事業開発に携わり、世界中の色んな国に年間100日くらい出張していた。また、2008-2013年はタイで駐在員経験をし、その後も、コロナ前までは、年間に何回かは海外出張に出かけるという生活をしていたので、日本国内の物価が相対的に安いのは、実感していた。
上記の内容は、特に目新しいことではなく、すでに、ある意味で共通認識になっていたことではあるが、改めて、整理して示されてみると、結構、衝撃的な内容である。
こういったことについて、エコノミストや学者等が、色々な視点でコメントや提言を行なっている。これも、なかなか面白いものだった。日本の雇用システムについてのコメントをされている方が結構多く、私自身が人事の仕事に携わっていることもあり、興味深く読んだ。ティピカルには、下記のような内容。
■雇用を流動化すべき。一人一人の価値、すなわち、賃金決定に市場価値の概念を取り入れるべき。これにより、賃金が上がる仕組みをつくるべき
■同時に、一人一人が自らの職業能力、すなわち、市場価値を上げるべく努力すること。国や企業は、その努力を後押しすること
こういったことは、結局は、終身雇用制度を崩すことになり、安定的な雇用という面では、混乱もあり得ると思う。しかしながら、中長期的には、こういったことにならざるを得ないのではないかと私も思う。 -
「年収1400万円は低所得者!?」
というネットのキャッチフレーズになぬ~!?
と思って読んでみたら…
もうね…
読んでたら「日本は大丈夫なのか?」
って思いたくなる内容で…
海外の国に買いたたかれる日本の技と土地
「チープニッポン!これなんぼ?ヤスイね~!」
な世界にもう入ってきている…
インバウンドが盛んな時に友人のアメリカファミリーが遊びに来ていて、連れて行った居酒屋で言われたのが「ビールが安すぎる!こんな値段設定で日本はなぜやっていけるんだ?」
そういわれてみればそうなんだよね…
(説明できなかったけど…)
日本はゆでガエルになっているんだと思う。
で、最後の章あたりで言ってることに「あ~そういうことなのね…」と納得。
「日本人はお金の交渉をするとややこしい人と思われて仕事を切られる!」
これよ!これ!
私もお金の交渉苦手だけど、本当はお金の交渉って正当なもの。でも正面きって言うと「がめついね~」とか言われちゃうんだよね。
大きい会社は労働組合とかで「賃上げしろ~!」とか言えるけど小さな会社はなかなか言いにくいよね。
昔の日本なら終身雇用制でなんとかやっていけたのかもしれないけど、今はもう時代も変わってるんだから雇用と賃金も変化していってもいいと思う。じゃないと若い人は働くのがばかばかしくなっちゃう。
さてさて…
読み終わったらなかなかダークな気持ちになるけど、
今知っておくとよきことも詰まった本だと思う。 -
日本の物価が諸外国から見ていかに「安く」なってしまったのかを、各種データを示して実証し、それに対する識者の提言を併せて紹介した本。
ディズニーランドの入園料、100均ショップ、回転ずし、土地、ホテル、アマゾンやネットフリックスの会費等々、いずれも諸外国に比べ、日本が最安であるとの本書の記載には驚いた。
加えて、世帯年収が1400万円でもアメリカのサンフランシスコでは、「低所得」に分類されるとか、日本企業の給与が同業の海外企業に比べて圧倒的に安いため、海外の優秀な人材が採用できない、採用できたとしてもすぐにより高い報酬を得られる企業に流出してしまう等々、安くなってしまったニッポンの数々の事例に日本の将来が心配になってしまう。
本書ではその原因を、長期デフレ、低すぎる労働生産性、横並び賃金等々に求めていて、識者のそれらへの解決についての提言も記されている。
とは言っても、個人的に最大の問題点は、国民が安くなってしまったことに危機感を抱いていないこと、さらに言えばそもそも安くなってしまったということにも気づかず、むしろモノの値段が安くなって良かったね~くらいにしか思っていないことなのだと感じている。
なので、まずはマスコミがこの問題について共同で大キャンペーンを張り、国民が共通で現状の理解と問題意識を持てるようにすべきだと思う。
本書は元々日経に掲載されていたものを加筆修正されたものなので、日経に掲載された当時は一部読者には危機感を植え付けらえたかもしれないが、この新コロ騒動でそれも薄まってしまったと思うので、ポストコロナを見据え、国全体での問題認識の共有、および対策が強く必要であると感じた。 -
はじめに 日本の「安さ」を直視する
第1章 ディズニーもダイソーも 世界最安値水準
物価の安い国
1 世界で最も安い「夢の国」
2 「100均」なのは日本だけ
3 回転寿司も日本が最安
4 バブル世代のたそがれ
5 なぜこれほど安いのか
6 スーパーの店頭から見える価格下落
7 読者が思う安い「ニッポン」
インタビュー
許斐潤
渡辺努
田中邦彦
第2章 年収1400万円は「低所得」?
人材の安い国
1 サンフランシスコ vs 港区
2 労働生産性が主要先進国で最下位の背景
3 人手不足 が崩す年功序列
4 初任給やIT報酬も低い
5 インドで人材を採用できない
6 横並びの賃上げ交渉
7 「ボイス」を上げない日本人
海外ではアジアも含めてほとんどの企業が成果に応じて処遇する「ジョブ型雇用」のため、「自分のキャリアは自分で作る」という文化的な背景がある。
8 ジョブ型で全て解決?
「ロール型雇用」も一考を/真の「豊かさ」とはー「やりがい」や「余暇」への満足度も低い
リンクトンが「人生で成功するために重要なもの」22ヵ国の3万人以上に聞いたところ、日本も含めた 世界共通の首位は「一生懸命働く」だった。世界では次いで「変化を喜んで 許容すること」や「人脈」などが並ぶ。
だが日本だけ、2位は「運」だったのだ。
インタビュー
中村天江
村上臣
外国人は「自分のキャリアは自分で築く」のが 主流
個人も会社任せにせず、自分の価値を高め続けることが重要だ。自分のキャリアは自分でしか作れない
神津里季生
第3章 「買われる」ニッポン
外貨マネー流入の先に
1 ニセコが買われる
2 技術が買われる
3 崩れる日本のお家芸「アニメ」
4 Netflixの制作費はNHKの5倍
5 最新の「外国人街」事情に学ぶ
第4章 安いニッポンの未来
コロナ後の世界はどうなるか
1 インバウンド バブルのその後
2 ホテルに見る「二重価格」
3 「高いニッポン?」携帯料金への値下げ圧力
4 水産会社の憂鬱
5 「安い」ことによる弊害
6 コロナに日本の「安さ」は変わるのか
7 国 企業 個人 はどうすべきか
インタビュー
池見賢
伊藤隆敏
永濱利廣
八代尚宏
河野龍太郎
あとがき -
中田敦彦のYouTube大学にて。
インフレを知らない世代はかならずよむべき。
生活していて物価が上がらないことを知らないのはいまは仕方ないと思う。
それはそんな教育をされたないから。経験してないから。
だからこそ、読んで世界との違いを知るべき。
上の世代は昔は…しか言わない -
話題の本を図書館で借りて読了。1年半前の出版なので、昨今の値上がりの話以前のものではあるがそれまでのトレンドは十分に抑えられている。
日本の斜陽を活写したような一冊であり気が滅入るが目を背けるわけにもいかないので唸りながら読む。とはいえ日経BPの本なので基本は「記事」であって、取材・分析・総括は十分なされているが、何かの提案やビジョンの掲示というようなことはない。どこまでも畳み掛けるように安さの証明が延々と続くので、本当に消耗した。これを受けて、方針が示されるような本が気鋭の論客によって出たりするといいんだけどなあ。 -
安ければいい!ってもんじゃないのが実感できる一冊
世界中の物価は上がっているのに日本だけデフレで取り残されている。それはなぜかということを考えさせられました。とはいえ、「ひとりひとりの心がけで~」といかないのが経済の難しいところ。なぜなら収入増加がデフレ脱却のカギだからです。
●ディズニーランドの入場料が世界一安いけど・・
実感として「ディズニーランド安っ」と思ったことのある方は日本人であまりいないのではと思います。
でも外国人は「安っ」と思って来ます。この感覚の違いが「安い」ニッポンです。それはなぜかということが述べられています。
●収入増加の大切さが実感できる
日本でいわゆる「爆買い」する外国人はあくまでも中流層。彼らは将来の収入増加が見込まれるため「爆買い」しても負担に感じない。一方日本人はここ30年来平均年収がほぼ横ばいでサービスやモノにお金を払えないためにデフレが起こってしまっている。しかしデフレ脱却に必要なのは節約よりも収入増です。でも企業は給料をあげる体力がないところも・・それはなぜ?どうやったらできる?ということが記述されています。年功序列型の職場にいることが辛く感じてきます。
●東京の超高級ホテルやニセコは日本人を相手にしていない
ニセコのラーメン1杯2000円。食べたいと思いますか?わたしは1500円以内が食べたいと思う限界です。そして食べたら、「1000円以下のラーメンのほうがコスパいいな」と思うでしょう。この感覚は日本人だけのようです。世界にはラーメン2000円を1500円感覚で購入できる層が中流層になってきているようです。海外の何気ないフードコートでの食事が「意外と高いな」と感じるのも世界の物価が上がって来ているからです。確かにこれは日本の食事のコスパが最高とも言えますが、どんなによいサービスでもそれに見合った賃金になっていないという「がんばり損」に近い状況になっているのではと感じました。
●オススメの読み方
この話題に興味がある方は「貧乏国ニッポン」もオススメします。(レビューあります)
著者が違うのにほぼ同じことを警鐘しているのがとても興味深いです。「貧乏国ニッポン」の方が「なぜそうなるのか」という経済のメカニズムを説明する部分が多いです。 また本書は「中田敦彦のyoutube大学」でも話題だそうです。(わたしは見ていませんが)