データでわかる2030年地球のすがた

著者 :
  • 日経BP日本経済新聞出版本部
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  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532264307

作品紹介・あらすじ

相次ぐ豪雨・台風による被害。
一気に世界中に拡大する感染症。
魚や水など、急速に身近になってきた食糧問題。

「うさんくさい」「きれいごと」だと思われてきた「地球全体の問題」について、
一般の人々も切実なテーマとして関心を寄せるようになりつつある。
企業も「規制があるから仕方なく対応」「環境問題に配慮しすぎると成長が止まる」
といった旧来型の発想からの転換を求められている。

本書は、いま世界でなにが問題視されているのか、
このままの状態が続くと近い将来世界がどうなるのかを、
一般層に向けてわかりやすく説明する。

取り上げるのは気候変動にともなう天災、食糧危機。
フードロスや、乱獲による水産資源の減少、そして「水リスク」。
コロナ問題で一気に他人ごとではなくなった感染症問題。
さらに途上国の工場をめぐる人権問題など、我々をとりまく課題について、
ひととおり理解ができるようにする。

一般ビジネスパーソンに向けて、先行する欧米企業がどのような動きをし、
投資家がどう見ているのかといった内容を紹介する。

感想・レビュー・書評

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  • 幅広い分野について、データと共に現状を解説。身近なものからあまりピンとこないものまで、私達の生活に繋がっていて危機的状況にあるということを理解した。
    でも、どうしたら良いんだろう?一人でできることは限られている。世界中が協力するのは理想的だが、利害関係もあるし、現実には難しい。破滅を待つしかないのか?何かできることがあるはず。あると信じたい。

  • 夫馬賢治氏は、2004年東大教養学部卒、サンダーバード国際経営大学院MBA修了、ハーバード大学大学院(サステイナビリティ専攻)修士。サステナビリティ経営やESG投資に関するコンサルティング会社(株)ニューラルの創業者・代表取締役CEO。環境省ESGファイナンス・アワード選定委員や国際会議での有識者委員を歴任。各種メディアへの出演・寄稿等多数。
    本書の内容は、題名の通り、様々なデータの分析に基づいて2030年に予想される地球のすがたを示したものであるが、一つの特徴は、サステナビリティを専門とした著者によるものであるという点だ。
    サステナビリティという単語は、国連が2015年にSDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)という世界共通の2030年目標を公表したことにより、ここ数年広く知られるようになったが、そのSDGsでは具体的に、「貧困をなくそう」、「飢餓をゼロに」、「安産な水とトイレを世界中に」、「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」、「人や国の不平等をなくそう」、「つくる責任 つかう責任」、「気候変動に具体的な対策を」、「海の豊かさを守ろう」、「陸の豊かさも守ろう」、「平和と公正をすべての人に」などの17のゴールが設定されている。(17色のカラフルなリング状のバッジを胸につけている人も多くなった)
    そして、本書では、そのSDGsの中でも、特に危機感が強いとされる、①気候変動、②農業、③森林、④水産、➄水、⑥感染症、➆パワーシフト(世界の人口移動)⑧労働・人権の8つの分野を取り上げて、グローバルに共通認識になりつつあるデータを基に、現状と今後の見通しを俯瞰し、それぞれのテーマについて、
    ①国際機関の予測では海面が5m上昇し、東京も大阪も海に沈むリスクを抱える(2300年見通し)。
    ②既に主要国政府は食糧危機シミュレーションを始めている。
    ③森林を保護しなければ、そう遠くないうちにコーヒーもチョコレートも生産できなくなる。
    ④日本近海では水産魚種の半数以上が絶滅に近づいており、各家庭まで届かない事態が現実のものになる。
    ➄日本の豊かな生活は海外の水資源に依存しており、グローバルな水不足が影響する可能性がある。
    ⑥パンデミックリスクはますます増加する。
    ➆今後30年で日本市場の世界に占める割合は5分の1に激減する。
    ⑧日本のデパートに並んでいる商品も奴隷労働に関わっているものが少なくない。
    というメッセージを出している。
    具体的な内容は、これまでも様々な情報メディアで見るものが多く、さほど目新しさはないが、上記のような(敢えて)衝撃的かつわかりやすいメッセージを付加しつつ、コンパクトにまとめている点では、相応の意味のある一冊と思う。
    (2020年9月了)

  • 本書では、気候変動、農業、森林、水産、水、感染症、パワーシフト、労働・人権という8つの重要分野について考察する。
    例えば、気候変動に直結する二酸化炭素の排出などは森林破壊と無縁ではない。パーム油、木材需要、森林火災と並んで、大豆や牛肉、チョコやコーヒーも関係するといえば驚かれるだろう。
    また、海に囲まれた日本では「水資源」について無頓着になりがちだが、水消費量の多い牛肉、小麦、大豆を輸入に頼っており、輸入元のアメリカとオーストラリアは将来水不足に陥る可能性が高いため、食糧の安定供給確保という点ではすでに問題が顕在化している。(バーチャルウォーター問題)
    感染症問題では、今まさにコロナウイルスで世界中が苦慮しているが、未だにワクチンが開発されていないものがある。(マラリア、ペスト、デング熱、ジカ熱、エイズなど)また、2016年には温暖化による永久凍土の融解により、氷結されていた炭そ菌が放出されるという事態も起きている。
    P293のグローバルリスク報告書(図表9-1)も興味深い。

  • ふむ

  • 2030年はすぐそこ。
    地球という惑星にヒトが誕生してから、母体に何か良いことがあっただろうか。加速度的に進化・増殖するヒトは、例えが悪いが母体である地球にとって悪性腫瘍のように映る。今のスピード感からすると、ヒトが地球を埋め尽くし、やがて終焉を迎える場面に、私自身が立ち会うことになるかもしれない。分かっちゃいるけどやめられない。本能のまま終焉までノンストップで走り切る可能性も低くない。
    考えろ!ヒトには理性があるのだろう。
    地球との付き合い方を考えされられる内容でありました。

  • 気候変動、食糧問題、水、感染症、人権など、近年のテーマに触れたもの。

    初版が出たのは2020年なので、ウクライナの戦争などには触れられていないが、それが緊迫している今読むと、また感じるものが違うというか。

    著者の別書「ESG思考」はそれほど興味深いと思わなかったが、この本は切り口が違うせいか、非常に興味深く読んだ。https://booklog.jp/users/osechies#

  • 令和4年のGWに部屋にある本を全て整理することにしました、この本は読みかけの本でした。読むことでためになるポイントはあるとは思いますが、部屋の整理を優先することにしました。いずれ読む時間が取れれば嬉しく思っています。

    評価は星一つとなっておりますが、内容に問題があるのではなく、時間が取れず読了できなかったためにこの評価になっています。

    2022年5月3日作成

  • 過去の展示:
    環境図書展2021「気候変動」

    ◎信州大学附属図書館OPACのリンクはこちら:
    https://www-lib.shinshu-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BB31502172

  • ( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar )

  • タイトル通り、データをもとに説明されているのがいい。普段のニュースや新聞だけでは得られない情報も多々あり、特に食糧危機やバーチャルウォーターについては危機感を持った。

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著者プロフィール

株式会社ニューラルCEO

「2022年 『ネイチャー資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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