日本人は知らない中国セレブ消費 日経プレミアシリーズ

著者 :
  • 日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532263652

作品紹介・あらすじ

●中国人は「角部屋」が嫌い。  
風水的に縁起が悪いから、宿泊ホテルでも角部屋を避けたい。    

●中国人がときめくラーメンは、豚骨と味噌。
醤油ラーメンは貧乏くさい食べ物だと思ってしまう。          

●中国人にとって、おにぎりはただの「メシ団子」。 
旅館やホテルで供されると、心が萎えてしまいます。。               

●中国人といっても上海人・北京人・広東人は全く違う!
北京人には権力を、上海人にはセンスの良さを、広東人には美食をアピールすべし? 
・・・などなど、本邦初公開(?)のネタが満載の本書。 

著者は、上海生まれの起業家で、中国人富裕層向けに日本のトレンド情報や観光スポットを紹介する雑誌「行楽」の発行人です。 
上海・北京・東京の3都市を知り尽くした著者が、日本人にはわからない中国人の嗜好性・消費のツボを紹介します。      

インバウンド客を取り込みたい観光業・飲食業の方、あるいは、中国マーケットへの進出を考えるメーカーの方をはじめ、 
異文化論(読み物)としても楽しめる内容です。

感想・レビュー・書評

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  • おもしろい~!

    日本の人のおもてなしと
    中国の人が望むおもてなしって全然違うんだ~

    例えば…
    「角部屋」(中国の人は風水的に嫌う)
    「小腹が空いたということでおにぎりを出す」(冷たいごはんなんか食べたくない)
    「外は暑いから冷えたお水をどうぞ」(冷たい水なんて飲めない)
    「プレゼントには値札をとって包装」(値段がわからないと価値はない)
    「中国の人だから餃子でおもてなし~」(上海人は餃子なんて喜ばない~)
    などなど…

    お隣の国だけど文化も風習も全然違う
    日本のように「いいものだけど値段を前面に出すのは下品かな~」なんて奥ゆかしい文化は一切なし!

    「これ●●円」(高額なら高額なだけいい。そんな高額なものが買える自分てすごいでしょ!)
    そう!中国の文化は自慢文化なんだよね~
    だからSNSで写真もバンバンだして自慢
    すごい自分を見て~自慢
    ブランド名が前面に出ないとブランド持ってる意味なし!

    そう考えるとめちゃくちゃわかりやすい

    この本って、日本の観光業の人はぜひ読んでほしい~
    だって、日本が目指す観光とかなりズレているんだもん
    そこにすり寄っていくんじゃなくて
    そこをふまえて観光スタイルを作ったら?って感じかな

    文化の違いの読み物としてもおもしろかった!

  • ふむ

  • なかなか現地にいても、その国の生活や習慣は分からないもの。目から鱗の話しが満載。なるほどと思い当たることに感心。

  • 中国人といっても、実は他民族国家であるし、地域に
    よって話す言葉は微妙に異なるのが本当の姿です。

    さらに富裕層といってもケタ違いもいれば、そこそこ
    もいます。

    要は一つにくくれないのです。

    しかし、そのくくりの一つでも人数は何千万人もいたり
    するのだから、これが日本に観光に来れば影響を与えない
    はずはないです。

    ではどう対処すればいいいのか。

    インバウンドと呼ばれる訪日中国人とは、どのように
    カテゴライズされて、何を求めて日本にやってくるのか。

    「これが本当の中国人だ」と言われると、「またか」と
    うんざりされそうではありますが、本質を突いていること
    間違いなしの一冊です。

  • まだ読み途中だけどめちゃくちゃ面白い。
    タイトルのキャッチーさで損をしていると思う

  • <目次>
    プロローグ
    第1章誰が深度遊しているのか
    第2章刺身ほど安心な食べ物はない
    第3章なぜ自撮りが大好きなのか
    第4章なぜ専業主婦が増えているのか
    第5章上海人には餃子を出すな

    2018/2/8初版
    上海人の著者
    中国のことを知らない日本に住んでいる日本人には、いい本かと。上海人らしいレポートと目線。

  • 面白い!
    気遣いやおもてなしは日本のお家芸だが、
    中国人にとっては、ピント外れになりかねないのがもったいない。。。
    故郷である志摩の観光課のメンバーに是非読んでもらいたい。
    バスに乗ってくる団体客ではなく、
    上質な個人客、プチセレブに来てもらいたいもんだ。

  • 勉強になった。ただ、日本びいき感が強い気も…。

  • 著者は日本で10年過ごした後、中国に戻り、現在中国富裕層向けに日本の魅力を伝える雑誌を運営している。日本では中国人の団体客が増加して目立っている。しかし、あまり目立たないが、それ以上に増加している中国の個人旅行者の志向や行動について紹介している。中国社会にいるからこそ、日本で感動することや、違う価値観からくる日本での物足りなさなどがわかりやすく説明されており、中国人相手のビジネスをする人には参考になる。現代中国の生きにくさも想像できる。

  • 先週(2018.3)上海への出張がありまして、成田空港の本屋さんで見かけた本です。日本で暮らしながら、子育てもして日本の生活を経験したうえで、中国人のプチ富裕層向けへ情報発信を行っている、上海出身の方が書かれた本です。

    私は中国語を個人レッスンで学んでもうすぐ6年にもなりますが、私の中国語上達はともかく、頻繁に中国を往復されている先生から得る、中国の発展ぶりには驚かされます。この5年(私の記憶が正しければ、この3年)で、少なくとも中国の都市部(上海、北京、天津等)は別世界になってしまったくらいに思えます。特に上海の変わりぶりは大きいようで、上海出身の方が数か別ぶりに帰っても同じような気持ちになるそうです。

    さて、この本では、日本へ旅行に来る人たちが、この数年でどのように変わったのか、また日本人にとって変わらないように見えるとしたら、どういう点なのか、中国のプチ富裕層(全体の1割としても、日本総人口に相当)に、どのような点に注意してプロモーションすべきか、彼らは日本で何と求めているのか(何を求めていないのか、日本が行っている勘違いのサービスは何か)を解説しています。

    この本の情報はとても生き生きとしています、さすが、両方に軸足を置いてビジネスをされている起業家なのだなと尊敬しました。それにしても、中国では女性もどんどん起業しますね。私の娘たちも見習ってほしいものです。

    以下は気になったポイントです。

    ・中国の個人旅行者は急増中で、2015年には団体旅行者数を追い抜いた、2016年では、個人:6.5割(全国)である、大都会に限定すれば個人旅行者は8割を超えている。観光バスから降りてくるのは、ほぼ地方の人たちである、日本を個人旅行する層と、中国で日本製品を買う層は重なっている(p12、13)

    ・デリバリー専門会社は3社あり、赤(テンセントが経営する、美団外売)、青(アリババが経営する、饿了吗)黄(百度が経営する、百度外売)が運営している(p28)

    ・4種類あるビザ、1)団体旅行用:10万元の貯金証明、2)個人旅行用:10万元の貯金証明+年収10万元の納税証明、3)3年マルチ:貯金証明+20万元、4)年収50万元の納税証明(p36)

    ・2016年の平均所得は、上海市:92.3万円、北京市:89万円、最下位は16万円(p38)

    ・日本人にとっては当たり前の風景が、中国人にはとてつもなく魅力的に見える、そのままの日本を体験するだけで癒しになる。(p46)

    ・東京、代官山の蔦屋書店が訪日中国人の聖地になっているように、お洒落な書店も注目のテーマである(p62)

    ・中国での料理の三択は、中華・和食・西洋料理となる(p70)

    ・中国には「大衆点評」という、口コミ・グルメサイトがある、ダントツの存在でライバルがいない、月間ページビュー、1150億回(p72)

    ・中国の南方には、羊肉を食べる文化はない、北京の名物料理が「涮羊肉(羊のしゃぶしゃぶ)」でるので、北方の人は羊肉を食べるが、高級なイメージがない、海産物は高級なイメージがある(p81)

    ・豚骨ラーメンのお店では、机の上に、紅ショウガ・ゴマ・ニンニク・高菜などが並んでいて、自分で味を決められるようになっている。貧乏な人はお湯に醤油で味付けしていた(p95)

    ・味噌ラーメンが意外と健闘しているのは、味噌イコール日本料理というイメージがある(p96)

    ・中国では、温かいものではないと料理とは認められない、冷たいごはんという概念がないため、お寿司のお米は評価できない(p102)

    ・軽食は食べ歩きするもの、食事は座ってとるもの、という感覚なので、立ち食いできない、立食パーティでも座る(p113)

    ・中国人はほぼすべての活動をウィーチャットに集約させている、ユーザー数は9.6億人(p140)

    ・中国の乾杯は、日本と違い、文字通りすべてを飲み干すのがルール、一人で勝手に飲むのは失礼行為とされるため、誰かがグラスを手にしたら、必ず誰かと乾杯する、日本のように自分のペースで飲めない(p156)

    ・中国で、一人っ子政策が完全に廃止されたのは、2016年、しかし富裕層の子供は一人っ子ではなかった、外国で出産した場合は適用されなかった(p178)

    ・大金持ちでなくても家政婦を雇えるのは、非常に安いから、1時間20元が相場である(p180)

    ・中国には人口100万人を超える都市が、150近くある。1000万を超える巨大都市は14ある。重慶、上海、北京、成都、天津、広州、深圳、石家荘、武漢、ハルピン、蘇州、リンギ、保定、南陽、1級都市は4つ(北京、上海、広州、深圳)ここに、2017年に、新1級都市が15個追加された。2級都市は30個、石家荘・ハルピンはここに分類、3級都市は70個、リンギと保定はここに分類、南陽は4級、国の定義ではなく、雑誌「第一財経週刊」の定義による(p221)

    ・2016年に日本を訪れた640万人、その4分の1は上海人、上海市の定住人口は2415万人、戸籍保有者は1433万人(p225)

    ・中国では子供が産まれると、母親の戸籍に入る、なので上海戸籍の男性は、地方出身の女性と結婚してしまうと、子供は上海戸籍をもらえない(p232)

    ・ウーロン茶を飲むのは、福建人や台湾人、上海人は緑茶、北京人はジャスミン茶を飲む、広州では何種類も飲む(p236)

    2018年3月18日作成

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著者プロフィール

株式会社行楽ジャパン代表取締役社長
上海市生まれ。北京第二外国語大学卒業。上海青年旅行会社に勤務後、早稲田大学アジア太平洋研究科に留学。日経BP社に入社、日本で10年間を過ごす。2008年、北海道をテーマにした「道中人」を創刊。その後、九州をテーマにした「南国風」を創刊。13年、両誌を合冊して「行楽」を創刊。日本政府観光局やJETROでセミナー講師のほか、国土交通省「VISIT北海道大使」、鹿児島県「薩摩大使」もつとめている。

「2019年 『中国「草食セレブ」はなぜ日本が好きか 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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