出世する人は人事評価を気にしない

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532262655

作品紹介・あらすじ

仕事が速くて正確、率先して業績を上げる、周囲の信頼も篤い…人事考課で高い評価を得る人が、なぜ会社の中で冷や飯を食うことになるのか?「使う側」と「使われる側」の壁を理解することで、組織におけるキャリアの本質は見えてくる。130以上の組織で人事制度の整備に携わったコンサルタントが、人事評価の本当の意味と昇進のしくみを紹介、会社員のキャリアの築き方を指南する。

感想・レビュー・書評

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  • 昇任の際に考慮される卒業条件と入学条件のメタファーは理解しやすかった。つながりと質問を意識して勤めたい。

  • 大阪市の人事担当特別参与も務める著者が、人事コンサルの目線で会社における選抜の仕組み、ゲームのルールを語ったもの。

    30代半ばの課長世代がターゲットのようで、課長手前までの選抜ルールは卒業資格、部長以上の選抜ルールは入学資格、という違いを主題に「だからゲームのルールを知って戦略を変えろ」と訴えかけています。

    余談ではありますが、著者の好みか、「ストレスは変化から起きるので、最初から"平日は家でメシを食わない"と決めてしまえばストレスは発生しない」などハードワーク礼賛の風がありますが、同じロジックで定時帰宅派の理論を裏付けることもできるので多様な読み方ができます。

    同じ論法で定時帰宅派ならば、「残業はしない」「飲み会には行かない」と決めてしまうことで同調圧力や判断コストから解放されます。

    以下、本文より。

    ○もしあなたが20代で何の役職にも就いていない状況であれば、私はあなたに人事評価制度を理解して行動することをお勧めする。…人事評価制度とは、ビジネスというゲームのルールだからだ。ルールを熟知して使いこなせば、もちろんゲームで勝利しやすくなる。

    ○「使われる側」で評価されるスキルと、「使う側」に必要な能力は全くの別物

    ○優秀なパーツであり続けることが、出世の条件じゃない。

    ○上から見ればいい駒なんだな、お前は。駒は飼いならして乗りこなすもんだ。でも、駒と横に並びたいとは思わないもんさ。出世したければ、駒じゃなくて乗り手であることを見せなきゃな。

    ○振り返ってみれば、今までは自分の評価を高めるためだけに行動していたように思う。だから周囲が見えず、周りにどう思われているのかに気づいていなかった。扶桑が言うように、たしかに以前の自分がもし部長になっていたら、他の営業課長たちは誰も言うことを聞かなかっただろう。

    ○アセスメント基準
    ◇経営層への昇進基準
    ・ビジョン
    ・戦略性
    ・勝利へのこだわり
    ・ビジネスモデリング
    ・人材マネジメント
    ◇管理職への昇進基準(経営層への昇進基準に比べて限定的かつレベル感が異なる)
    ・課題認識
    ・目標達成
    ・数値管理
    ・部下育成

  • 出世に関する裏事情がわかる。「管理職以上への昇進からは評価基準が変わる」など、今まで知らなかったことを知ることができたが、かと言って「人事評価を気にしない」とまで思えるかというと、それは難しいと感じる。

  • 出世の典型的なプロセスを知ることができた。曖昧な印象をもつ企業の評価基準もある程度書かれていて、意外と有用だと思った。役職定年という概念は初めて知った。

  • 知ってそうで意外と知らないことも多かった。
    意識するのと、しないのではオジサマになったとき大きな差になりそう。知れてよかった。
    会社の人事制度このまんまだし。
    評価する側の視点を知ることは価値がある。
    合間に載ってる小説のような話がおもしろい。

    • yhirayasuさん
      ご感想ありがとうございます。
      著者の平康慶浩です。
      小説も楽しんでいただけてなによりです。私の周りでは、扶桑部長が人気です。
      ご感想ありがとうございます。
      著者の平康慶浩です。
      小説も楽しんでいただけてなによりです。私の周りでは、扶桑部長が人気です。
      2014/11/03
  • 出世のために人事評価を気にしない、
    という言葉にとらわれてはいけない。

    破天荒であればよいとかそういうものではない。
    本当の目的に向かって何をすべきかを見つめた上で、
    自分の強みをみがき、
    時には(短期的な)評価に繋がらなくても信念に基づいて行動する。

    管理職前の人にとってもひとつ考える材料になるとともに、
    人事、評価者側も一度人事制度であったり、
    それを受けた運用をみなおしてみるのによいきっかけだと思う。

    • yhirayasuさん
      著者です。
      わかりやすく要約していただきました。
      ★五つの評価を含め、お礼申し上げます。
      著者です。
      わかりやすく要約していただきました。
      ★五つの評価を含め、お礼申し上げます。
      2014/11/03
  • ・40歳からの経営層を目指している人

    私はまだプレーヤー側なのでちょっと求めている話題とは違ったが、

    中年層になると求められる能力(嫌われても人を動かせる)、

    管理職以外にプロフェッショナルとしていつか転職できるような地位を獲得する方法=自分独自の職種を作る

    などの点が参考になった。

  • 世間は評価査定を経てボーナス支給の時期だ。
    私は、この評価査定の欺瞞や、社員の意欲を上手く引き上げられているのかという点に人事制度の効果への不審を拭えない。例えば、3割が加点を得るなら、7割は不満。アンケートでも取れば、それは如実に現れるのだから、成果主義なんて古臭くて瓦解している。それで納得できるのは、誰しもが居場所を確認できるマラソン競技のようなものだけだ。幻想だし、逆効果ではないのだろうか。

    この本は、その不満を諦めさせる説得的な要素と、評価を得るための対策編で構成される。部長にならなくても、別の生き方があるよ。あるいは、課長と部長では、昇格基準が違うよ、という話だ。そういう事に悩む人にはお薦めできる内容だと思う。

    役職、ポストを巡る競争により、組織内で最大限のパフォーマンスを引き出すのが制度の狙い。賞与と出世は異なるインセンティブだが関連し合い、一般的な企業では、ある年齢までの賞与の加点回数を出世条件にしたりする。だから、ある程度賞与の加点は均等に与えられ、最終的に出世対象を僅差に絞り込むべく、候補者にギリギリまで振り分けるような操作が為される。だから、常に加点がつかなくとも制度上仕方ないという事。また、最終的に選出されなくても、プロフェッショナルコースで拾われる。人に雇われるような仕事は、結局、上手い具合に斯様に乗せられていくわけだ。

    珍しく、そうした論述よりも、サイドストーリーの面白い書だった。

  • まだ今の私にはよく理解できないことが多かった。
    数年後もう一度読んでみたら納得感があるのかな。
    理解できないから出世できていないし、経営層になれるタイプではないのかもしれないと、ネガティブな気持ちになった。

    <ポイント>
    ・課長までは優秀な人が昇進する。以降は優秀でも部長になれない。
    ・マネージャーはマネジメントで計画策定や人員配置、業績測定問題解決などのプロセスを行い、将来予測しながら率いる。リーダーは組織を未来に連れていく。訪れる機会を素早く発見しながらうまく活用する力。リーダーシップはビジョンについてのものであり、人々に力を与えることで、素晴らしい変革をもたらす職務。
    ・経営層アセス ビジョン・戦略性・勝利へのこだわり・ビジネスモデリング・人材マネジメント
    ・管理職アセス 課題認識・目的達成・数値管理・部下育成

  •  多くの日系企業では実際の選考基準が曖昧模糊とされ公開されていないが、人事コンサルタントの筆者のヒアリングと分析では管理職までと管理職以上で昇進基準が異なるという論旨。
     
    経営層
    ・ビジョン
    ・戦略性
    ・勝利へのこだわり
    ・ビジネスモデリング
    ・人材マネジメント(部下の自発的行動)

    管理職
    ・課題認識
    ・目的達成
    ・数値管理
    ・部下育成(部下の役割を決めて指導)

    行動指針
    ・つながりを大事にする
    ・質問を繰り返す(自問自答も)
    ・評価を気にしない

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著者プロフィール

セレクションアンドバリエーション代表取締役
1969年生まれ。大阪市立大学経済学部卒業。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了。アクセンチュア株式会社、アーサーアンダーセン、日本総合研究所を経て独立。企業の人事マネジメント、組織体制の改革を手がける。     

「2020年 『給与クライシス』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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