民主党のアメリカ共和党のアメリカ

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  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532260156

作品紹介・あらすじ

民主党=リベラル、共和党=保守は、本当なの?「ハリウッド映画」「プロスポーツ」「歴史」「イデオロギー」からはじまり、銃規制の是非や公的医療保険への取り組み、対外戦争への賛否など、あらゆる対立軸を気鋭のアメリカウォッチャーが鋭く分析。

感想・レビュー・書評

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  • ■矛盾した2人の姿勢
    ・オバマ:イラク反戦を訴えつつアフガンには強硬(大義を認めた戦争には積極的)
    ・マケイン:ブッシュ路線は踏襲しつつも核削減交渉には応じる
    ■アメリカの民主党はイギリスの労働党に似ているが、「愛国の党」
    ■共和党:
    ・「懐疑心」と「独立心」
    ・結婚:最初は純愛だが、紆余曲折があるのは当たり前。それを押さえつける呪縛
    ・ダイハードは共和党。政府への懐疑心、実力ある個人の「孤軍奮闘」
    ・北部の企業経営者、南部保守層が支持層
    ■民主党:
    ・ハリウッドは民主党のカルチャー。反目しあっていたけれども和解…
    ・ジョージ・ソロス。「金融工学の暴走は国際秩序を崩壊させる」
    ・「大きな政府+国際問題への介入+人権擁護」
    ・北部労働者層、南部黒人層が支持層
    ■独立~現在の過程で共和党と民主党の対立の軸は幾度となく変わり、支持層も変貌
    ・フェデラリスト vs ロイヤリスト
    ・北軍(共和党、リンカーン、奴隷解放)vs南軍(民主党、奴隷解放反対)
    ・第二次大戦前:大恐慌、政府介入せず(共和党)vs ケインズ政策(民主党)
    ・戦後:黒人への公民権反対(共和党)vs 賛成(民主党)

  • 新書文庫

  • 「民主党=リベラル」「共和党=保守」は本当なのか? 「ハリウッド映画」「プロスポーツ」「歴史」からはじまり、銃規制の是非や公的医療保険への取り組み、対外戦争への賛否など、あらゆる対立軸を気鋭のアメリカウォッチャーが鋭く分析する。

    第1章 民主党と共和党はどこが違うのか?
    第2章 社会価値観をめぐるイデオロギーの激突
    第3章 民主党のカルチャー、共和党のカルチャー
    第4章 建国以来変わり続けてきた対立軸
    第5章 民主党の政策、共和党の政策
    第6章 対立軸はどこへ向かうか
    第7章 民主・共和両党と日米関係

  • 率直に行って、作者の経歴からはアメリカ政治への深い造詣があるとは思えず、あまり期待はしないが日経プレミアムだしとりあえず読んでみるかという程度の動機で購入した。

    しかし読み進めるうちに、今まで複雑で理解しがたいと思っていたアメリカの民主党と共和党のイデオロギーが、少しずつ理解出来るようになって来た。
    本としての構成も良かった。現状分析に始まり、歴史的考察が入り、様々な具体的分野に関してのリアルな分析が行われ、最後に少しだけだが日本も含めた提言が行われる。
    期待以上の良書だった。

    そもそも一般に言う保守とは何か、リベラルとは何か。そして共和党と保守、民主党とリベラルについて、そのイメージと重なる部分と、アメリカに特殊な部分がある。
    こうした複雑さもあり、今まで自分はアメリカの民主党と共和党についての知識はほぼ0であった。
    この本を読み、そうした点について少し理解が出来た一方で、両党が互いに政権を担当しながら、その方針や支持母体も歴史的に変化していくアメリカ政治のダイナミズムに、改めて驚かされた。

    日本の政治にすぐに過激なダイナミズムを求めるのは不可能であるが、政権担当能力のある野党と、国民の政治的
    関心の高さは素直に見習うべきであろう。
    逆に言えば、政治全体のダイナミズムの無さが国民の関心を失わせているとも考えられる。
    安倍首相を中心とする現政権には、長期政権としてダイナミズムある政策を実行し、それに対し国民も高い関心をもって応えていくべきであろうと思う。

    余談だか、この本を読んでから見るとハリウッド映画の捉え方が良くも悪くも大きく変わってしまいそうだ。

  • 共和党=人間への不信、民主党=底抜けの楽天性 というキーワードは非常に分かりやすかった。今までのアメリカに対するイメージは主に民主党のカルチャーから受けたものだということが分かった。それはハリウッド映画からの影響が大きく、ハリウッドが民主党カルチャーのものだからだろう。(ただ共和党カルチャーの映画も多くあることが本書でも書かれている)

    次はハミルトン・ジャクソニアン などアメリカ政治の4タイプを読んでみよう。

  • <目次>
    はじめに

    第1章 民主党と共和党はどこが違うのか?
      マケイン対オバマの意味
      団結とその揺らぎ
      「戦時の束縛」の終わり
      二〇〇四年の明暗と二〇〇六年の明暗
      二〇〇八年に向けて

    第2章 社会価値観をめぐるイデオロギーの激突
      民主党――過剰なまでの自己肯定
      共和党――懐疑心と独立心の突然変異
      社会価値観論争の意味
      銃規制はなぜ進まないのか
      生命倫理がなぜ議論になるのか
      同性愛者の結婚と憲法修正問題

    第3章 民主党のカルチャー、共和党のカルチャー
      民主党のカルチャーは「和解と純愛」
      共和党のカルチャーは「孤軍奮闘とほろ苦い人生」
      「地球の危機」も全く別のテイストに
      戦争映画における違い
      「合衆国大統領」における違い
      女性向け連ドラでも異なるカルチャー
      プロスポーツと政治
      ビジネス界と二大政党のカルチャー

    第4章 建国以来変わり続けてきた対立軸
      「独立か否か?」に始まる対立軸
      リンカーンは何故尊敬されるのか?
      対立軸のシフト(その一)
      対立軸のシフト(その二)
      ポスト冷戦時代の対立軸

    第5章 民主党の政策、共和党の政策
      自由競争か規制か
      小さな政府か大きな政府か
      保守派の方がたくさん寄付をしている
      教育をめぐる二大政党の対立軸
      文化振興と対立軸、クラシック音楽の場合
      環境とエネルギー
      諜報とプライバシー

    第6章 対立軸はどこに向かうか
      内向きの政治力学としての対立軸
      エネルギー政策と世界観
      アメリカ外交の将来は?

    第7章 民主・共和両党と日米関係
      日本と相性の悪い対立軸
      アメリカとの向き合い方を変える時期

    おわりに

  • 民主党や共和党の考え方や気質といったものからアメリカを説明する良書。民主党的映画とか共和党的映画の説明には、「そうなのか!」と膝を打つことうけあいです。

  • 民主党と共和党の歴史から、それらの圧力団体も含めて、どのような歴史があったかがわかるような本。基本的な性質、カルチャー、政策についても書いてある。

  • 長年の疑問が解決した。

  • “2009/02/17
     基本的な情報だった”

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著者プロフィール

1959年東京生まれ。東京大学文学部、コロンビア大学大学院(修士)卒。 著書に『911 セプテンバーイレブンス』『メジャーリーグの愛され方』『「関係の空気」「場の空気」』『アメリカは本当に「貧困大国」なのか?』『チェンジはどこへ消えたか~オーラをなくしたオバマの試練』。訳書に『チャター』がある。 最新作は『場違いな人~「空気」と「目線」に悩まないコミュニケーション』(大和書房)。村上龍のメルマガJMMに「USAレポート」を寄稿。ニューズウイーク日本版でコラム連載。NHKBS『クールジャパン』の準レギュラー。

「2016年 『民主党のアメリカ 共和党のアメリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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