- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784532177010
作品紹介・あらすじ
コロナ禍への対応に、日本政治は何を間違えたのか。研究者とジャーナリストが忌憚なく語り合う。
・盤石と思われた安倍政権も、コロナ禍をきっかけにあっけなく終焉した。その後を担った菅政権も、後手にまわった対応が批判を浴び、大きく支持率を下げている。未曾有の危機に直面した日本政治は、何を間違えたのか。オーラルヒストリーの第一人者である研究者と、長く政治取材を手がけてきた日経記者が対談形式で語り尽くす。
・過去、さまざまな危機に日本の政治はどう対応してきたのか。戦前、戦後の多くの歴史的事例も取り上げながら、幅広い視点で日本政治の来し方、行く末を考察する。
感想・レビュー・書評
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政治学界と政治報道のエース級の対談。出版時の関係で、阿倍・管政権の評価が中心の内容は致し方がないが、歴史的視点から見る両政権に対する評価は参考になる。また、都道府県でコロナの流行を区切ること、令和になっても消えない明治維新の区分けなど、面白い指摘もある。ここを出発点にして、構えも備えもできていないままで、危機を迎える日本政治の問題点の一つが浮き彫りになる。
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対談本は安直で、学者の出すものではないと思う。
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対談本。現在の政治に留まらず戦前戦後の政党政治にも話が飛び、読みやすいが、70歳前後の両著者による放談の趣きがなくもない。内容が変だとは思わないが。また、55年体制が良かったとは言えないがとしつつも、その時代の度量が広い派閥政治、国会での論戦、国対政治を肯定的に懐かしんでいる感が強い。一方で現在の「選挙至上主義」や自民党からの説明不足には批判気味。
安倍・菅政権への評価は一般的なものとそれほど差はないように思う。危機管理には下に任せる「下放のリーダーシップ」が望ましいが、安倍には任せるべき下がいなかった、次を育てなかったとする。外交面では、外交特にサミットの存在感は肯定的に評価。菅は、思想やイデオロギーよりもリアリズム重視、一方で説明不足、小さな政治、また外交は不得意だとする。 -
御厨貴氏と芹川洋一氏東大法学部同期の対談シリーズもの
政治とコロナをテーマに軽妙な対談 判りやすいが他の本と類似
新たな知見は少ない 強くお勧めしない
1.菅政権
①無思想・無イデオロギー スーパーリアリズムで徹底
理念は軽視・・・宏池会(リベラル)・清和会(保守)
国家観も国家戦略もない!
→語らず 世界・日本国・この先のこと
②恐怖支配=余裕のなさ
人事権・命令権
官房長官のマインドで総理会見 伝えるものはない -
1)コロナ渦が安倍政権を倒した。手をこまねき、全面的にコロナ対策をしなかった。マックス1年半しか見えない内閣だった。
2)菅の頭にあるのは延命だけ。コロナを使って政権をどう延命させようか考えているのが見えてしまっている。危機を乗り越えるために政治生命をかけるのではなく、危機を使って延命しようとしているので危機を乗り越えられない。思想、イデオロギーよりもウルトラリアリズム。現場最重視の中小企業経営者。国家は中小企業ではない。ものすごく良い虫の目を持っているが鳥の目がない。
3)吸い上げのリーダーシップ(マイクロマネージメント)、下放のマネージメント。危機管理の時は多少汚職があろうが、現場に任せる下放がうまく行く。
4)コロナ対策は権威主義国家、統制型(戦時体制)の方がうまく行く。
5)成長モデル、災後型縮小モデル。
6)内閣人事局、600人の官僚幹部人事を官邸が差配できるようになった。
7)小選挙区制とともに政党助成金、共産党はもらわない。
8)福沢一派(慶應閥)を追い出すための高等文官試験。
9)今ほど露骨に恐怖政治をやって、それをやっていないという政権はない。
10)安倍政権の支持層は若者、男性、保守で最低38%。シニアはダメ、女性もダメ。
11)安倍は株価連動内閣、菅はコロナ連動内閣。
12)21年2月に海警法、海警局に武力行使が認められるようになった。
13)出口戦略。
14)大久保利通、本則を忘れず変則をやる。
15)コロナ対応の問題点
①厚労省問題、大臣のガバナンスが効かない
②医系技官問題、官邸の言うことを聞かない、PCR問題も医療崩壊を防ぐため
③デジタル後進国、トータルで見ている人がいない、現場に裁量権ない
④国と地方の問題、市区町村との3層構造、県が邪魔だ
16)新聞は5ー60代、テレビは40代以上、2ー30代はSNS。見てない聞いてない、情緒的な判断。
17)コロナ敗戦、この国は全てが緩い。