V字回復の経営: 2年で会社を変えられますか 実話をもとにした企業変革ドラマ

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
3.91
  • (105)
  • (78)
  • (114)
  • (8)
  • (1)
本棚登録 : 757
感想 : 88
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532149345

作品紹介・あらすじ

熱き戦略で社員の心を束ね、一気呵成に勝ち戦へ転じる!「組織へのこだわり」と「戦略」の融合が生み出す、真の改革プロセスを説く。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 不振事業の再生を物語形式に綴られた本である。
    途中に不振事業の症状50と改革の要諦50が散りばめられている。

    そこそこのボリュームがあるのだが、面白すぎて一気に読んでしまった。
    改革を行う4人のリーダーが緻密な再生シナリオによって業績を回復させていく。
    業務改善などという生易しいものではなく、まさに改革と呼ぶほど劇的な変化を起こしていく。
    特に興味深かったことは、社員のマインドをいかにコントロールするかで成否が決まるというところだ。
    社員は人間なので感情、つまりマインドがある。
    これを無視しては改革は成功しないということのようだ。

    とにかく、普通の人が経験もできないし、習得もできないような情報を得ることができるすばらしい本です。
    経営に興味がある人や会社に不満のある人にお勧めの本です。

  • 新卒のころに、同期の間で本書が大ブームになりました。(入社当時、会社が未曾有の経営不振だったため。)
    企業再建の理論ももちろん学べるが、なんと言ってもシナリオの中で経営不振下におけるリーダーシップやメンタリティの重要性をリアルに感じ取れることが本書の最大の魅力だと思う。

    一時期、コンサル業界が注目を集めたが、この本の影響が大きいのではと思う。(きっと、多くの企業が同じような事例を体感しているからでしょうか。)

  • メルカリ売却

  • 三枝さんがコンサル実務で培ったノウハウの要点を小説ベースでわかり易く解説してくれている。
    変革がどれほど難しいのか、既存事業部門からの抵抗をなだめつつも周囲を味方につけて改革していく様子が描かれている。
    高い熱量とリーダーシップが人の心を動かしていく!

    どうしても既存業務があると、そのやり方(ぬるま湯)になれてしまって、危機感をもつことが難しいですよね。

    自分も気を引き締めて、やるべきことをしっかりやっていこう。
    2年で変われない組織は10年あっても変われない。

  • つぶれる寸前の会社をどうすれば立ちなおせるのかについて書いた本

    目次
    <blockquote>第1章 見せかけの再建
    第2章 組織の中で何が起きているか
    第3章 改革の糸口となるコンセプトを探す
    第4章 組織全体を貫くストーリーをどう組み立てるか
    第5章 熱き心で皆を巻き込む
    第6章 愚直かつ執拗に実行する
    </blockquote>
    かなり良本。企業でなくとも、ある程度の事業を営む組織であれば必ず落ちる「死の谷」の正体が書いてある。
    <blockquote>中小企業やベンチャー企業であればすでに社長になっているかもしれない若い優秀な人材が、大企業で情熱をぶつける対象を見いだせず、夜になって不満をもて余す。
    それは、個人にとっても、会社にとっても、国家にとっても、不幸なことだった。
    会社の外では一流上場企業の社員の顔をしているが、社内に戻れば「この会社はどうにもならない」と自嘲気味に傷を舐め合う。
    たった一回しかない人生を、そんな張り合いのない毎日で埋め続けていくつもりなのだろうか。</blockquote>
    読んでいて面白いし、似たような状況があったりもしたので、非常にリアリティがある。
    最後についている不振事業の症状50、改革を成功へと導く為の要諦50は、
    本文でキーとなって書かれているポイントをまとめ出ししたものだが、短いなりにもきっちり押さえられている文なので、非常にグサリとくる。
    不振事業の症状50からいくつか抜粋
    <blockquote>1:組織内に危機感がない。一般に企業の業績悪化と社内の危機感は逆相関の関係である。
    3:経営者はただ危機感を煽る言葉を口にしているだけである
    7:多くの社員が「そと者」を心理的に区別している
    11:ミドルが問題を他人のせいばかりにしている
    12:組織に「政治性」がはびこっている
    13:時間だけが経過し、会社のとり得る選択肢が次第に減少している。
    14:会議の出席者がやたらと多い
    15:ミドルが機能別組織のたこつぼに潜り込んでいる
    18:「妥協的態度=決定の先延ばし=時間軸の延長=競争力低下」のパターン
    19:社内では顧客の視点や競合の話がなく、内向きの話ばかり。
    20:「負け戦」をしているという自意識がない
    21:個人として「赤字の痛み」を感じていない。責任を皆で薄め合っている
    32:社員が外部に会社の不満を垂れ流し、会社の看板を背負うことを投げ出している。
    40:代理店症候群が広まり、組織の各レベルにミニ大将がはびこっている
    41:社員が勤勉でない。とりわけ役員やエリート層が汗を流して働かない
    44:社員が心を束ねるために共有すべき「攻めの戦略」が提示されていない
    47:対症療法的な組織変更や人事異動が頻繁に行われ、すでに改革疲れを起こしている
    48:会社全体で戦略に関する知識技量が低く、戦略の創造性が弱い
    </blockquote>
    まぁ、どれか引っかかる点があるんじゃないだろうか?

    社内政治、末端のだらけぶり、戦略の崩壊……この本で取り上げられるケースはあまりにも惨い状況です。それでも危機意識を持たないのは、ぱっと見には、自分の身がやばくなることなんてない、むしろ何もしないほうがいい、打って出ることで生活が崩壊するのが怖いという、ある意味で人間の弱い部分が見え隠れします。
    それを変えてしまうにはアクションを起こす必要があるのですが、やればいいものでもない、単純に抵抗勢力を生んだのではうまくいかない。
    大事なのは、思い切ってやることと、拒否反応が出ないようにすることなんだろうな……。

  • 本書は、経営改革による事業立て直し物語である。前書きによると物語といっても完全なフィクションではなく、著者のコンサルタントとしての経験から作り出されたものらしい。確かに、臨場感があるのでその通りなのだろう。なので、非常に面白いし、参考になる。しかも、物語の折り目折り目で、純粋ビジネス書的な要点をつかんだ解説があるため非常にわかりよい。 規模はどうあれ、腐った組織に所属して、その組織をどうにかしたい人には、ぜひ読んでほしい一冊。

  • 経営再建について物語でその手法を説明している。
    まず改革の中心となる人を任命して、その人が社内で人を見つけるのに2か月、チームができてプランができるのあ4か月。
    お金で評価する欧米式経営ではなく、他の評価の仕方で対応する日本式経営による回復手法について。
    日産のゴーンを意識されている。

  • 「この危機を現場の改革で!」とか「予算必達!費用削減」とかって言われ続けてると、段々耐性が出来てきて、選挙の街宣車が「xxを!xxをお願いします!」とか「最後のお願いに参りました!」と変わらなくなっちゃうんだろう。

    その事には弊害があって、無関心というより「五月蝿くて一方的なモノ」というレッテルになり得る。

    街宣車が「xxをお願いします!」だけじゃなくて「まず病院施設の3割増のため年間予算の2割を投じます!」とか「不採算のうちAは人口構成上、回収できないので年内でヤメます」とかだったらどうか。

    サニー・ベイカーら著の「世界一わかりやすいプロジェクトマネジメント」では、プロジェクトの前提に必要なものは「期間」「予算」「合意」であるとしている。

    本書は、国内企業コンサルの経験をもとに、権限を委譲し、こうしたプロジェクトをキックすることがどういうことか、泥臭い現場感情も交え、腹に落としてくれたと感じた。

  • ファシリテーションの大切さが分かった本だった。

  • 学びが多くある本。また読み返そう。

全88件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

(株)ミスミグループ本社名誉会長・第2期創業者。一橋大学卒業、スタンフォード大学MBA。20代で三井系企業を経て、ボストン・コンサルティング・グループの国内採用第1号コンサルタント。32歳で日米合弁会社の常務、翌年社長就任。次いでベンチャー再生等二社の社長を歴任。41歳から事業再生専門家として16年間不振事業の再生に当たる。2002年、ミスミCEOに就任。同社を340人の商社からグローバル1万人超の国際企業に成長させ、2021年から現職。一橋大学大学院客員教授など歴任。著書4冊の累計100万部。

「2023年 『決定版 V字回復の経営 2年で会社を変えられますか? 「戦略プロフェッショナル・シリーズ」第2巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

三枝匡の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
ジェームス W....
大前 研一
エリヤフ・ゴール...
水野 敬也
デールカーネギ...
板倉 雄一郎
エリヤフ・ゴール...
稲盛和夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×