日本企業のコーポレートファイナンス

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版
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感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784532133450

作品紹介・あらすじ

「企業価値評価」「資本コスト」など最新の知見をいかに経営に活かすか-ファイナンス理論と実務が融合する現場を解説。

感想・レビュー・書評

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  •  コーポレートファイナンスの本での定番書は、米国の翻訳本が多い。ということは、事例は米国企業のものが大半である。また、税など諸制度は米国のものである。なので場合によっては、コーポレートファイナンス以外の部分が気にかかる場合がある。
     この本は、日本企業を事例として、コーポレートファイナンスを解説した本である。とはいっても、最低限の財務分析の知識や数字を見る心構えがあれば、初心者でも読めなくはない内容である。
     それに加え、基本的なことだけでなく、配当政策、自社株買いやメザニンなど、薄い初心者用の本以上の内容にも頁を割いている。
     何より実例が詳細であることから、理論家のみならず実務家で手を動かす必要のある人間にも優しい作りとなっている。

  • ケーススタディと言えばそんな感じだけど、コーポレート・ファイナンス自体も概観できる。
    しっかし、02~05年あたりのケースが中心なのですがその後取り上げられた企業の落日っぷりがすごい。まあビジョナリー・カンパニー、エクセレントカンパニーなどもその後落ちぶれましたけども。
    コーポレート・ファイナンス、コーポレート・ガバナンス、インベスター・リレーションズなど、先進的とされている分野に力入れても本当に市場にそれを評価する力があるのかという面と、本業と比べてあまりにも影響力が薄すぎるのではないかとか思った。仕事にできたら楽しそうだけど。

  • コーポレートファイナンスの理論と実証分析が良いバランスで書かれている。しかも日本の事例に基づいており、コーポレートファイナンスの理論が腹に落ちた。

  • 企業の経営判断をP/Lの資本側から考察した本。

    全編通して資本コストを中心にして話が進み、ROEや、ROAなどの定義から運用の仕方まで理解できる。
    実際の企業の経理や財務担当のインタビューをもとにしたものも多く包括的かつ、実践的。
    多少の会計の知識があれば読める。

  • 京都大学経営管理大学院の教授が共著で書いたコーポレート・ファイナンスの本。

    WACC、DCF、CAPMといった考えを実例に即して説明していますが、企業の例が日本企業なのでイメージもしやすく、とても分かりやすい。

    超基本的な部分はすっ飛ばしてるんで、完全な初学者には勧められませんが、ある程度コーポレート・ファイナンスをかじったあとで読むと非常に面白いし有意義だと思います。

  • コーポレートファイナンスを実務の視点から非常に分かりやすく説明している。実務家向けとあるが、学生に対しても実務と理論の接点を考える上でとてもよい本である。
    特にWACCの議論に関してあまり教科書に載っていない、Capital Cash Flow法に関する記述があることには驚いた。

    実務上のWACCは資本コストに税引きの処置を行うが、CCF法ではその作業は行わず(負債コストは税引き前)、分子のキャッシュフローで負債の節税効果を調整する。CCFはFCFに節税効果の足したものである。

    実務のWACCによる割引法が無負債企業のフリーキャッシュフロー(FCF)を割引いていることは意外と知られていないが、とても重要なことである。
    上記のことを簡単な数値例を用いて説明している。

  • 会社の、課内学習の課題本。初心者には難しいけど、課題本だから必死になって勉強できたかと。初心者はこれ一冊では、無理。企業価値評価関連の教科書を片手に読み進めて、丁度いいと思う。というか初心者だった私は2冊使いでした。

  • いわゆるコーポレートファイナンスを一通り学んだあとに感じる、これは実際にはどう活用されてるんだろうって疑問に応える本だと思います。
    コーポレート・ファイナンス[第8版](上・下)とかファイナンシャル・マネジメントなど他のコーポレート・ファイナンス系の本もできるだけ例示しようと努めてるけど、この本のケースに比べればないようなもんでしょう。

    もちろんはじめてコーポレートファイナンスを学ぶ人でも十分読めるように設計されてるので、ケースを楽しめながら読めると思います!

  • コーポレートファイナンスの基礎理論について、日本企業の事例を基に、紐解いていく本。
    講義の参考文献として利用したが、理解しやすく非常に有用だった。

    <再読後の感想>
    WACC, DCF, NPV, IRRなど基礎的な概念はもちろんCCF法なども抑えており芸が細かい。
    特に注目したケースはパナソニック、花王とマブチモーターのペイアウト政策。
    パナソニックのケースはFCFの構成要素を分解し、営業利益、償却、運転資金、資本性支出の各項目について施策を立案し、実行している点は非常に重要なポイント。
    ペイアウト政策及び金庫株の議論については、まさしくファイナンス理論は条件付き理論であり、マーケットと対峙しなければならないことがよくわかる。
    減配によるブランド価値を避ける、減配によって経営を規律立たせるなど、
    各社の特徴に応じた個別の戦略をとることが同じ状況でも必要。

    本書はまさにファイナンス理論を意思決定にどのように使えば良いかを示す実践的なケーススタディー。

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著者プロフィール

神戸大学大学院経営学研究科教授

「2010年 『コーポレート・ガバナンスの経営学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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