ブレない自分をつくる「古典」読書術 (B&Tブックス)

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  • 日刊工業新聞社
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784526075315

感想・レビュー・書評

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  • ビジネス書と古典の違いが特に印象深かった。ビジネス書は知識や技術といったスキルを身につけるのに役立つが、古典はその土台となる人間力を磨くために必要になるもの。

    また、古典の教えを実践することで、出来事に対する意味づけがしっかりとできるようになり、自分の悩みの本質に気づくことができる。

    これらがとても、興味深い内容となっていた。学校で古典をはじめて習った時は、訳が分からなくて、何故勉強しなければならないのかと思っていたが、人間力を磨くために必要不可欠なものと知ってから、少し古典に対して受け入れる気持ちになれた。

  • ある程度時を経たものじゃないと、聖性を帯びないなと常日頃から感じているのだけど、一方で新鮮だからこそ感じる聖性みたいなのもあると確かに感じていて、ただ書籍の場合、古きもののほうが強いという感覚が顕著だと思うのは、紙と文字の前では新鮮さなど発露しないからだろうか。

  • 著者の小倉広さんは、「人間塾」を主宰されている方で、「人間塾」で気づかされるものや、「古典」から学べることがよくわかる1冊。

    「古典読書術」が主題となっていますが、読書術にとどまらず、古典を紹介しながら、著者の考える「人間力」というものが古典の内容を踏まえて述べられ、それを身に着ける手段として、古典を読むことが推奨されています。

    本書のなかでも何度か紹介されているのですが、著者自身もビジネスマンとして働くなかで、人間関係に悩み、うつ病になったことがあるそうです。その時に気づいたという「悩みの本質は人間的な部分」なのではないかという点。これが重要です。
    人間的な部分とは、人と人の信頼関係や、尊敬する気持ちのこと。すなわち、「仁や忠や義、敬や礼、信念、志。」(27ページ)。こうしたものは古典のなかから学ぶことができる。そして、人間力とは古典から学んだことを「行動化、習慣化できている(65ページ)」ことを言います。ビジネス書を読んで得られる"スキル"は人間力が土台となって活きるもの。だから古典を読むことが大切なわけです。

    この本には、大変多くの古典が取り上げられており、その重要なエッセンスを引用しながら書かれています。人間的に成長するにはどうすればいいのか、どの古典をどういう風に読めばいいのかが詳しく書いてあります。そしてその効果も。

    私たちの多くは、普段から人の目を気にしたり、競争原理のなかで他人を見下したり、蹴落とそうとしたり、助言を素直に受け入れられなかったり、人と比べて自分を卑下して不幸を悲しんだりしてしまいます。ですが、それらはすべて自分が「そうする」と決めてしていること。「そうしない」と決めればしなくていいことです。

    そして、そうした自己中心的な考え方から脱却し、ひたすら一生懸命目の前のことをし続けることで、自分の天命「生きる意味」が見いだされるといいます。『論語』からアドラー心理学、カーネギーまで、はるか昔の書物も現代の書物も根本では同じようなことが述べられているのです。

    私は本書に登場する本では、唯一、吉田松陰の『留魂録』だけ読んだことがあったのですが、この1冊だけでも大きく感銘を受けたことは間違いなく、本書に登場するほかの書籍も、著者が文中に引用したりして述べている部分に共感が絶えませんでした。本書を読むだけでも少し意識が高まると思いますが、紹介されている古典も読めばより先人の考え方が自分の中に入ってくると思います。私もさっそく古典を読み始めました。

    人間関係や生き方に悩みのある方にお勧めしたい本です。

  • ・古典は人間力を育くみぶれない自分を作る
    ・人間力とは人にそうとは気づかせずに動かす力
    ・古典は筋トレのマシーン。目的なしで読む。人は何のために生きるのか?に対する答え
    ・古典の全体像
     第1世代 古代~江戸時代:孔子、孟子、老子、荘子、良寛、二宮尊徳
     第2世代 幕末~明治維新以降:吉田松陰、西郷隆盛、内村鑑三、福沢諭吉、アドラー、ユング、スマイルズ、フランクリン
     第3世代 第2次世界大戦以降:森信三、安岡正徳、東井義男、フロム、カーネギー
    ・第3世代から読むのがとっつきやすい。難しかったら解説本やまんがを先に読む
    ・師匠の師匠をたどると広がる。スピード重視で読み飛ばしも可能
    ・古典は丸受けして読む。批判的な読み方をすると価値感が広がらない。
    ・学んだことは即実行(知行同一)。繰り返して習慣化
    ・小さな徳を積むと自分の中にエネルギーが溜まり幸福となる。そして他人を認めることができるようになる。

    <book list>
    個人心理学講義
    性格の心理学
    子どものライフスタイル
    臨済録
    代表的日本人
    伝習録
    凡事徹底
    論語
    孟子
    大学 中庸
    老子
    道は開ける
    人を動かす
    ユング心理学
    言志四録
    論語物語
    日本的霊性

    自助論
    超役 易経
    徒然草
    方丈記
    端異紗
    勇気づけて躾ける
    いのちの教え
    菜根譚
    膳の研究
    武士道
    二宮翁夜話
    報徳記
    わだつみのこえ
    福翁自伝
    学問のすすめ
    フランクリン自伝
    よるときり
    それでも人生にイエスという
    愛するということ
    南洲翁遺訓
    留魂録
    良寛
    修身教授録
    真理は現実のただなかにあり
    人生にどなし
    父親のための人間学
    森信三講録
    人生と陽明学
    分析心理学

  • 古典を読むことによって得られるものは多い。本書は東洋の古典のほうが多い。自分も古典を読み、変化したい。

  • ”参加している読書会「人間塾」について語られている小倉広さんの新刊。共著者にも人間塾の名前が!

    帯の言葉は「ビジネス書を10冊読むなら、古典を1冊読め!」

    <キーフレーズ>
    ・一人で読めなければコミュニティに参加してみよう (p107)

    <きっかけ>
     2016年2月の人間塾にて、小倉さんから献本。サインもいただき、ありがたや!
     amazonでも予約しているので、そちらは誰かに読んでもらおう。”

  • 自分のあるべき生き方や天命は、誰も教えてくれない。
    従って読書…さらには、古くからの英知が詰まった古典から学ぼう、というのは(当たり前のようだが)目からうろこであった。
    確かに、そういうものかもしれない。
    誰も教えてくれない。ならば読書、である。

    本書の中で繰り返し引用されているのが森信三氏の著書。
    代表3部作といわれる「修身教授録」「人生二度なし」「真理は現実のただ中にあり」は是非読んでみたいと思った。

    巻末のブックガイドが参考になる。

  • 「古典」って何から読むべきだろうと思ったときに、ふと手にした本。

    【古典の全体像と選び方】
    詳しくは書籍参照だが、
    第一世代(古代〜江戸幕府時代に活躍):孔子、孟子、老子など
    第二世代(幕末〜明治維新以降に活躍):吉田松陰、西郷隆盛、内村鑑三など
    第三世代(第二次世界大戦以降に活躍):森信三、安岡正篤、D.カーネギーなど、著者判断だがわかれていて、これは自分の中ではとても助かった。

    初心者にとっつきやすいものもまとめられているのだが、
    1. まずは平易なものから。オリジナルが難しければ、解説本、それも難しければ小説様になっているものからでいい。
    2. 第三世代から読んでみる。基本、第一、第二世代の先人の知恵を元にしているので、第三世代の著者で気になる人がいたら、その人が尊敬している人の書籍を辿っていくと効率よく学習できる

    【なんで「古典」を読むの?】
    悩みごとがある→人生をよりよく生きるって何だろう?と考え出す→それを考えている人は昔からいる→昔の人が書いた本の中で時代の目を生き抜いてきたものがある→古典と呼ばれる、という認識。

    話は少し変わるが、悩みごとというのは大半が人の目を気にして起こること。その中でとても響いた一説があった。
    「人を相手にせず、天を相手にせよ。天を相手にして己を尽くし人を咎めず、我が誠の足らざるを尋ぬ可し」(人のことを気にしないで、人に求めないで、咎めたりもしないで、自分が人として正しいと思う道をひたすらやろう!)
    ※『南洲翁遺訓』より

    行動に移せるかどうかが鬼門だが、1つずつ咀嚼して、自分の地肉に変えていく。

  • 著者が、自らの経験を基に、古典の読み方・選び方・人生への生かし方を説明しています。
    古典がいかに現代社会、ビジネスにも通じる事が分かります。
    古典を読む大切さを改めて実感しました。

    ビジネス書で得られるものはスキルであり、古典で得られるものは人間力です。
    古典を読んで、著者に訪れた7つの変化
    ・小さな徳を積めるようになる
    ・ダメな自分を好きになれる
    ・感謝できるようになる
    ・素直に即実行できるようになる
    ・運命を受け容れられるようになる
    ・他者からの評価に動じなくなる
    ・天命を見つけられる

  • ●「古典」を読み始めるにあたって、まずは「古典」読書術の本を読もうと思い、その中でもこの本が一番読みやすそうだったので手に取った。

    ●すぐにでも「古典」を読みたくなるような良書であった。
    まずは、森信三先生の「修身教授録」から読んでみることにする。

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著者プロフィール

小倉広事務所代表取締役 心理カウンセラー、エグゼクティブ・コーチ、組織人事コンサルタント。
大学卒業後、株式会社リクルート入社。組織人事コンサルティング室課長など企画畑を中心に11年半勤務。ソースネクスト株式会社(現東証一部上場)常務取締役、コンサルティング会社代表取締役を経て現職。 リクルート社在職中の昇進うつを機に心理学と心理療法を学び始める。日本アドラー心理学会正会員、日本ゲシュタルト療法学会会員。現在、研修講師として年間300回登壇し、一年先まで予約が取れないほどの人気を博している。 著書に、『任せるリーダーが実践している 1on1の技術』『任せる技術』(日本経済新聞出版)『アルフレッド・アドラー 人生に革命が起きる100の言葉』(ダイヤモンド社)『もしアドラーが上司だったら』(プレジデント社)など多数。著書発行部数累計は100万部超。

「2021年 『コーチングよりも大切な カウンセリングの技術』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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