たかがビールされどビール: アサヒスーパードライ、18年目の真実 (B&Tブックス)

著者 :
  • 日刊工業新聞社
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (421ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784526055218

作品紹介・あらすじ

ビール業界の勢力図を大きく塗り変えた怪物はこうして生まれた。実務責任者が今、はじめて語る真実の開発ストーリー。息もつかせぬ超一級のノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • アサヒビールについて書かれた本は入社前後に10冊近く読みましたが、まあ、決定版でしょう。何せSDを作ったご本人ですから。そして、ここまでリアルな開発ストーリーは読んだことがありません。いろんな意味でAB社員として読んでおくべきでしょう。弊社もハーバードBSのケースになる位の「イノベーション」を起こした経験があるのですから、そこから何かを学びましょう。出版があまりにも遅すぎたので大した話題にもなりませんでしたが、素晴らしい本だと思います。「プロローグ」「エピローグ」があるのが、良くも悪くもこの本の特徴です。

  • たかがビールされどビール―アサヒスーパードライ、18年目の真実。松井康雄先生の著書。アサヒスーパードライを大ヒット商品に導いた当時の責任者である松井康雄先生。上から目線の単なる自慢話や自己満足な手柄自慢ではなくて、どのようなマーケティングや広告宣伝がヒット商品誕生につながったのかを松井康雄先生自身がわかりやすく解説している良書です。

  • 成功するmkgの背後には陳腐な一般論を超えた「業界の知恵」が必要。ビール業界であれば、各種調査とマクロ動向からビールの大半を消費するヘビーユーザーが「オレが飲むのにふさわしい」と思えるような味の追求が行われ、従来のビールと比較してキレを重視したスーパードライが誕生し、爆発的ヒットを記録した。
    キリンがシェアを落としていった原因には、一番搾りとラガーの二つのブランドの並立により経営資源が分散してしまったことと、店頭に置かれること自体が広告効果であるものの、二つ以上のビールを置くことが難しかったことにあろう。
    また筆者の業績は評価されるべきものであるものの、不遇の企業生活を送ったところに日本企業の旧態依然とした体質が見え隠れする。

  • 私が社会人になって間もない頃、ビールと言えば60%のシェアを持つキリンが圧倒的に強かったが、同じ大阪発祥の会社ということもあり、会社の寮にはキリンではなくアサヒ飲料の自動販売機が置かれており、当時からアサヒスーパードライを良く飲んでいた。まさか、この商品がきっかけでアサヒがキリンのシェアを抜く日が来るとは思いもしなかった。
    また、ここ10年、私もマーケティングとか商品・事業戦略に関係した仕事をする機会もあり、スーパードライの大ヒットの舞台裏を興味深く、読ませてもらった。ビール業界と他の業界とは異なるものの以下の普遍的なポイントを感じた。
     ・温故知新 「賢人は歴史に学び、凡人は己の体験で考える」 
     ・しっかりとしたビジョンと信念、執念を持つこと 
     ・独学でも良いので、とにかく勉強し続けること 
     ・逆境(左遷や社内政治の悪影響)をバネとする 
     ・(表面的な内容や分析でなく)時代の流れを踏まえ、潜在的な顧客ニーズを見切る 
     ・勝ち抜くまで、中途半端に攻めを緩めない 
    また、歴史ある日本の会社では、どこでも見られるが、社内政治は個々人の社会人人生に大きな影響を与えると共に、もしかすると、結果として企業のパフォーマンスを落とす原因の一つになっているのではと感じた。私自身は、常に素直な心で物事を見ていきたいと思う。

  • マーケティングに興味を持ったきっかけが「スーパードライ」だった。書店で手にとってそのまま最後まで読んでしまいました。ごめんなさい。

  • アサヒの中の人の視点。客観的に組織の構造を分析したかったため、その観点では参考にならず。

  • アサヒスーパードライの開発の記録。
    開発者その人にのみ許される超主観的発言の数々!
    我々の命の水がこの世に生み出される過程にこんなドロドロした苦労があったのかと思うと、ただただ敬服するばかり。
    ありがとう!松井さん。

    ただ最後のほうは、我が子可愛さのあまりビール原理主義者(発泡酒・第3のビールはビールに非ず!)に陥っており、ビール系市場の台頭を見誤っている。
    当時の戦略としては「スーパードライ一本足打法」がポテンシャル・生産能力の両面から正しかったかもしれずビールではダントツNo.1になったけど、今ではビール需要自体が第2・第3ビールに食われてるし。
    別に、この人のせいぢゃないけど。。。

  • マーケティングの実務を知る上で、面白い・・・・そして、日本のお堅い組織形態も↓↓

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