速習!マクロ経済学―試験攻略入門塾

著者 :
  • 中央経済社
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  • Amazon.co.jp ・本 (371ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784502677106

作品紹介・あらすじ

難解な数式を使わない。日常会話でわかりやすく。グラフはとことんていねいに。人気講師が勉強方法から。経済学の思考パターンを最初に。『新・経済学入門塾』からマクロ経済学の主要論点を、「この1冊」にまとめた。

感想・レビュー・書評

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  •  めちゃくちゃ分かりやすいです。現在、著者はyoutubeで「本著を使った講義を無料公開中」。
    http://free-learning.org/

    経済学の思考パターン

    ・経済学には『定義→仮定→分析→結論→長所・短所』という思考パターンがある。

    ・経済学の思考パターンに沿って勉強すると理解しやすい。

    ・論文試験、専門記述試験などの答案は、この思考パターンに沿って答案を書く。

    グラフの読み方

    ・グラフは
    ①横軸・縦軸は何か

    ②曲線が何と何の関係を表すのか

    ③それらはどのような関係か

    ④どうしてそのような関係になるのか

    ⑤グラフから何がわかるのか
    という5ステップでしっかりと読む。

    ・曲線上の移動と曲線のシフトを混同しない。
     曲線上の移動:縦軸(横軸)の変化による横軸(縦軸)の変化。
     曲線のシフト:縦軸(横軸)以外の数量の変化による横軸(縦軸)の変化。

    古典派とケインズ派

    ・経済の基本的問題とは限りある資源を活用していかに人々の欲求に応えるかということ。

    ・アダム・スミスにはじまる古典派は、市場に任せておけば、価格メカニズムによって経済問題は解決すると考えた。しかしそれでは、大量失業が続いた世界大恐慌の説明ができなかった。

    ・ケインズは「需要の大きさがGDPや雇用量を決める」という有効需要の原理によって世界大恐慌を説明し、恐慌から抜け出す政策を提言した。

    ・ミクロ経済学は個別の財や企業・家計に焦点をあて、マクロ経済学は1国経済の需要と供給など集計量を分析する。ミクロ経済学では主に古典派、マクロ経済学では主にケインズ派の考えを学ぶ。

    GDPと物価

    ・国内総生産(GDP)などの国民所得は国の経済状況を判断する基準として利用される。

    ・国内総生産(GDP)とは、
    ①一定期間内に
    ②国内で
    ③生産された
    ④固定資本減耗(原価償却)を差し引いていない(=含んでいる)
    ⑤原則として市場価格で表示した
    =⑥付加価値の合計。

    ・フローとは一定期間内における変化、ストックはある時点での存在量(残高)。

    ・国民総所得(GNI)=GDP+海外からの要素所得受取-海外への要素所得支払い

    三面等価の原則

    ・生産面の国民所得、分配面の国民所得、支出面の国民所得は、統計上は常に等しい(三面等価の原則)。

    ・三面等価の原則は常に成り立つ統計上の原則であり、現実経済の需要と供給が等しいかどうかということとは関係ない。

    ・純輸出=国内貯蓄通貨+財政収支
     EX-IM=(S-I)+(T-G)

    産業連関分析

    ・各産業は中間生産物を通じて深く影響し合っており、その産業の相互関係を分析するのが産業連関表である。

    ・産業連関表は、ヨコは売り先(産出)、タテが何を使ったか(投入)を意味し、ヨコの合計(販売額)は縦の合計(生産額)と等しい。

    ・1単位生産に必要な中間生産物を投入係数という。

    財の需要

    ・需要が国民所得(GDP)の大きさを決め、雇用量を決めるという有効需要の原理においては、需要量がどのように決まるかということが決定的に重要。

    ・財の需要(YD)=消費(C)+投資(I)+政府支出(G)+輸出(EX)-輸入(IM)

    ・ケインズは消費(C)は可処分所得(Y-T)によって決まるとした。C=a+b(Y-T)

    45度線分析

    ・財の供給(YS)=国民所得(GDP:Y)

    ・財の需要(YD)と供給が等しくなる水準に国民所得(GDP:Y)の大きさが決まる。

    ・「需要の大きさが国民所得の大きさを決める」という有効需要の原理をサミュエルソンは45度分析を用いて説明した。

    インフレ・ギャップとデフレ・ギャップ

    ・国内マクロ経済政策の目標は完全雇用と物価の安定。

    ・完全雇用GDPのときの超過供給をデフレ・ギャップ、超過需要をインフレ・ギャップという。

    ・デフレ・ギャップがあるときに需要を拡大させ、インフレ・ギャップがあるときには需要を抑制することによって完全雇用と物価安定を実現できる【有効需要管理政策】

    投資乗数・政府支出乗数・租税乗数

    ・財の需要(YD)=財の供給量(YS)の式をY=~の形に変形すると、租税乗数、投資乗数、政府支出乗数を求めることができる。

    ・定額税で海外を考えない場合、均衡予算乗数は1。

    ・所得税、失業手当などあらかじめ経済に組み込まれている、経済を自動的に安定化させる仕組みをビルトイン・スタビライザーという。

    紹介しきれなかったカテゴリー

    【資産市場】
     貨幣と債権、貨幣供給…
    【IS‐LM分析】
     金融政策の効果、財政政策の効果…
    【AD‐AS分析、IAD‐IAS分析】
    【IS‐LM‐BP分析】
     消費、投資、景気循環、経済成長

  • 中小企業診断士の1次試験対策として

  • 経済学の再勉強。前に読んだのは粗筋と結論しか書いていなかったので、長すぎず必要な説明が書いているものを探した。

  • 予備校の存在意義を考えさせられる。この値段で講義が何回でも受けられる。素晴らしすぎ。

  • 何と言っても、テキストに対応した講義の動画がYOUTUBEで無料公開されていることが素晴らしすぎる。
    独学で経済を勉強しようとするとき、マクロ経済学は活字を追っているだけだと、なかなか理解が進まないように思う。

  • 要点を簡潔に説明している文章や図だけではなく、YouTubeに全部の章の解説動画があがっているという弩級のサービス付き。ムービー全部で24時間くらいはありそう。
    そして、5色のマーカーを使って必要なところが明確になる様な仕組みもあり、きちんと頭に入るようになっている。
    資格試験をとる人だけでなく、一般知識として得ておいて得はすれども、損する事は何もない、素晴らしい本だと思います。
    読んだ後に世の中の見え方が変わる本というのがごくまれにあるけど、私にとってこれはそういった物でした。

  • 院試験(経済)対策のために購入。
    著者がマクロ経済学の講義をyoutubeで公開していることを知り、この本を購入する事を決めた。

    内容はポイントが纏まっていて分かり易いが、大学院の記述試験には若干足りないと感じた。私自身は先に本書(+動画)を使ってポイントを抑え、後で中谷のマクロと併用して使っている。

  • これも中小企業診断士試験対策として。

    とはいえ、その試験に限らない、例えば会計士や公務員試験なども含めてある試験対策本なので扱っている範囲は広い。それを350ページに収めているので、ちょっと詰め込み感はある。

    しかし、グラフや図表、マーキングなどがされているため読みにくくは無い。また、章ごとに難易度や目的とする試験での出題頻度が書いてあるのも良い。

    理解度については、IAD-IAS均衡理論や経済成長理論など難易度「ウルトラC」の章は確かに難しくて、少し流し読みしてしまったが初級~中級くらいのマクロ経済学の概観はできたのかな、という感じで全体感を捉える事ができて良かった。試験対策に限らずとも結構価値ある本かも。

    引き続きミクロ経済学も行きます。

  • スクールの講義やテキストで理解が薄かった部分がわかりやすく解説してあってうれしい。「なるほどそういうことね」っていうのがたくさんです。

  • 学生時代以来、久しぶりにマクロ経済学を復習する機会がありざっと読通しました。ポイントがまとまっていて非常に分かりやすかったです。

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