妻と娘の唐宋時代 (東方選書)

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  • 東方書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784497221100

作品紹介・あらすじ

「男耕女績(織)」といわれるが、女性も農作業や商売に従事していたし、一家を支え、地方豪民の親分になることだってあった。恐妻家エピソードは笑い話ではなく、嫉妬を武器にみずからの地位を守ろうとする妻の真剣な抵抗ではなかったか。統計ではない史料から抽出した家族規模からはどんなことがわかるだろう。
歴史のなかで、名前やときには存在すら見えなくなっている女性の姿をどうとらえ、実像にせまっていくのか。史料の選択と扱い方を唐代、宋代の妻と娘の生き方を例に示す女性史・社会史研究入門書。先行研究ガイドつき。

感想・レビュー・書評

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  • 家父長制の本家の如き儒教倫理が支配する中国の女性がどう生きてきたかを史料の断片からすくい上げている。
    国家の法令では家父長の権利が強調されているように見えるが、実際は個々のケースによっては妻や母が生業を営んだりもしており、時代が下がるにつれ徐々に現実を反映して女性の権利が法令にもきさいされるようになっていった。離婚も唐代から宋代になるにつれ減っていき、宋代には纏足も始まっていることから、朝廷による儒教の男尊女卑の教化の賜物とでもいうものだろうか。

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著者プロフィール

1948年仙台生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。奈良大学専任講師、埼玉大学教養学部助教授を経て上智大学文学部教授。京都大学博士(農学)。<br>専門は中国前近代社会経済史。<br><br>著書:『陳ふ農書の研究』(農山漁村文化協会)、『唐宋変革期農業社会史研究』(汲古書院)。共著:『主張する〈愚民〉たち』(角川書店)、『「名公書判清明集」(懲悪門・人品門・人倫門)訳注稿』(汲古書院扱い)など。

「2005年 『唐宋時代の家族・婚姻・女性』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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