ビジネスプロセスの教科書

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492961148

作品紹介・あらすじ

あなたの会社で次のような症状はないでしょうか。
・経営者から次々と新たな事業やサービスの指示が下りてくるが、現場がついてこない
・社員が退職すると、その人の仕事を分かる人が他におらず、現場が混乱する
・社内でトラブルがあっても仕事の全体像を分かる人がおらず、原因究明に時間がかかる
・業務をアウトソーシングしているが、効果が出ているのか分からない
・システム開発プロジェクトがトラブルばかりで、コストがかさむ
これらの症状は一見異なるものに見えますが、たどっていくと共通の原因にたどり着きます。それはビジネスプロセスマネジメントが上手くいっていないということです。
「教科書」という名前の通り、ビジネスプロセス研究の先駆者たちの成果をもとに、ビジネスプロセス、そしてビジネスプロセスマネジメントの全体像を俯瞰し、理解することを目的に書きました。
まず昔からある価値ある考え方をしっかり理解して、当たり前のことを当たり前にできるようになりましょう。
そして、経営者から現場の社員まで皆が一体となって、ビジネスプロセスの変革を進められるようになってほしいと思います。(「はじめに」より)

感想・レビュー・書評

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  • 企業の価値はビジネスプロセスから。
    それを支える、業務、人、設備。

    このビジネスプロセスがちゃんとしてないと、現場の疲弊、非効率、トラブルなど様々な問題が起きやすくなる。

    その割に、ビジネスプロセス(業務プロセス)というと、やれ文書化だ、マニュアルなんか作ってらんない、無駄だ、と表立っていうかどうかは別にして、実態はビジネスプロセス軽視の会社は多いと思う。

    人でかろうじて持っているビジネスプロセスに、継続性はない。また、ビジネスプロセスを改善する仕組みを継続させないと、競争力は徐々に失われるかもしれない。ビジネスアイデアだけで持続できるほどの事業環境はそうそうない。

    内部統制の守り部分に強い人間が、攻めの部分にも守備範囲広げる上でも、ほんと教科書として役立つ。

    そして、それ以上に、事業を管理する人、事業を進める人が、本当の意味で、ビジネスプロセスを管理し、維持向上させる力をどれだけ組織として蓄積できるか。リーダーシップ、マネジメント能力のひとつに、ビジネスプロセス構築・管理が含まれることが企業の競争力を左右するのかなと思います。


  • To-Beを2つ定義あると
    ターゲットプロセスとゴールプロセスだと。

    確かにみんな理想ばっかり語るから進まないことが多いんだよな。この考え方いただきます。

  • なぜ?ビジネスプロセスに
    着目しないといけないのかが理解できました。

    専門家任せやベンダー丸投げにせず、
    ソリューション、実務現場の理解を深めることが
    成功への近道である。

    本のタイトル通りの内容でした。

  • 仕事をそれぞれのプロセスで整理し、そこがどうお客様につながっていくのか、全体俯瞰したときにどう表せるのか、それぞれが良くなるゴールは全体最適につながっているのか、などわかっている話もありつつ、整理できた。
    トップダウン、のトップは、理念やビジョンのあるべき一番上のトップ、上にいる人ではない、すると盲目的に指示に従うものではなく意図を良く理解する、という解釈は面白かった。

  • ビジネスプロセスに関する基礎的な考え方、捉え方がわかった。プロセスを変えようとしたら上部だけを見ていてはダメで、個別の業務の理解を深めることが大事だと理解した。

  • 企業が抱える下記のような典型的な問題に対して有効なアプローチを提供する。
    ・経営者から次々と新たな事業やサービスの指示が下りてくるが、現場がついてこない
    ・社員が退職すると、その人の仕事を分かる人が他におらず、現場が混乱する
    ・社内でトラブルがあっても仕事の全体像を分かる人がおらず、原因究明に時間がかかる
    ・業務をアウトソーシングしているが、効果が出ているのか分からない
    ・システム開発プロジェクトがトラブルばかりで、コストがかさむ
    これらはどれもビジネスプロセスマネジメントがうまくいっていないことによるという。
    本書の重要な論点である、ビジネスモデルとビジネスプロセス。ビジネスモデルキャンバスのような代表的な手法で示される、事業の骨格となるアイデアがビジネスモデルである。あくまでビジネスモデルは机上のアイデアであり、現実的なプロセスに落ちていない。それを形にするのはビジネスプロセスである。簡単に言うと、事業とはビジネスモデルを考え、ビジネスプロセスに落とし込むことで実現されるのである。

    本書の特徴は、ビジネスプロセスの”教科書”という立場をとっており、非常に丁寧に記述されている。

  • 教科書ではなく専門書。要件定義をまかされる仕事や部署の人間にとっては役に立つだろう。

  • システム構築の考えがベースになっており、言わんとしていることは何となくわかるが、自分のように大雑把な人間が実践するのは難しい。

  • "全体感というか、物事のプロセスを深堀して把握する事の大切さが判る一冊。
    過程や期待値、その整合性を確かめていく事で改善点、具体案に繋がっていく。
    企業全体でも、事業部単位でも、これはやっておいた方が良い。読んで良かった一冊でした。

    ------------------

    ◆どのような企業も、ビジネスプロセスの集合体で出来ている
    企業はお客様の期待に沿った製品・サービスを提供し、対価を得る事で存在している
    ⇒どのビジネスプロセスも、出発点は”お客様の課題・期待”

    ex)航空会社
    ・自分が行きたい場所への就航:路線管理プロセス
    ・定時で安全に運行して欲しい:旅客運行プロセス
    ・空港や機内で快適なサービスを受けたい:接客サービスプロセス

    それぞれ期待を埋める為のサービスプロセスがあり、個々のKPIも異なる

    ◆KGIとKPIについて
    KGI:目指す最終目標
    KPI:KGIを分解した行動指標 必要に応じて改定・見直しをする

    ex)市場シェアを3年後までに40%にする(KGI)ためのKPIとして、
      年間の新製品投入数、市場での認知度向上、など


    ◆新たなビジネスプロセスを設計する

    プロセス文書
    ・プロセス俯瞰図:ビジネスプロセスや、KPIの全体像を理解する
    ・プロセス設計文書:プロセスの細部の構造を明らかにし、変革する
    ・プロセス実施手順書:プロセス実行時に参照し、改善する

    俯瞰図
    ⇒プロセスマップ、戦略マップ、etc
    設計文書
    ⇒業務フォロー、規定・ルール類、データモデルetc
    実施手順書
    ⇒業務マニュアル、操作マニュアル、早見表etc

    素晴らしいビジネスプロセスを設計しても実行されなければ意味が無い
    設計者の意図を伝え、プロセスの能力を引き出す要になるのが”実施手順書”

    「業務マニュアルは統制のツールではなく、継承のツール」
    ex)無印良品のMUJIGRAM


    ◆特に日本の企業の役職者は”転職経験が無い”人が多く(=8割)、自社の仕事しか知らない
    アメリカでは8割が他社の勤務経験が有り、更に3社以上の経験がある人が2/3を占める

    このような状況だからこそ、ビジネスプロセスの変革にはBPOが必要
    アウトソーシングする事で見えなかった改善点が見えるようになる
    …が、現状の問題点として、BPO活用企業の4割以上が”業務評価指標を測定していない”

    本当に必要なのは、BPOを活用して”内部に取り込み、管理し、変革していく”こと
    ベンダーマネジメントの実態は、ビジネスプロセスマネジメント、ということ


    ◆これからのリーダー達はビジネスプロセスマネジメントが必要になる
    管理職が部門内すべての業務に手を動かし、経験し、理解することは現実的ではない
    また、自部門だけではなく他部門の業務も理解する必要がある

    なぜコンサルタントは社外の人間なのに、素早く的確なアドバイスが出来るのか
    ⇒他社でのプロジェクト経験と、ビジネスプロセスマネジメントの手法を身につけているから


    ◆経営陣に求められる役割
    1)ビジネスプロセスの在り方や長期経営計画をしっかりと社内に周知すること
    2)ビジネスプロセスの大切さを浸透させ、社員が一体となって変革に取り組める風土を築くこと
    3)ビジネスプロセスの状況を常にしっかりと把握し、必要に応じて変革を促すこと
    4)改善の取組みが円滑に進むような社内の仕組みを整え、これらの投資の必要性を理解すること"

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著者プロフィール

山本 政樹(ヤマモト マサキ)
(株)エル・ティー・エス 執行役員
立命館大学政策科学部卒業後、アクセンチュアを経てLTSに入社。システム開発案件における企画・要件定義、業務の集約・統合、業務改善活動の立ち上げ支援など、ビジネスプロセス変革案件を中心に手掛け、現在はビジネスプロセスマネジメント及びビジネスアナリシスの手法や人材育成に関する啓発を中心に活動している。
ビジネス・ブレークスルーチャンネル ビジネスプロセスマネジメント講師、公益社団法人企業情報化協会BPM研修講師、著書に『サービスサイエンスによる顧客共創型ITビジネス』(共著)『ビジネスプロセスの教科書』『Process Visionary』(共著)『Business Agility』

「2022年 『ビジネスプロセスの教科書 第2版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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