スピリチュアル市場の研究 ―データで読む急拡大マーケットの真実
- 東洋経済新報社 (2011年4月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492761991
作品紹介・あらすじ
健康産業や統合医療の延長線上にあるビジネスカテゴリーという見地から、スピリチュアル・ビジネスやスピリチュアル・マーケットを記述する。
感想・レビュー・書評
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この本の価値は、三菱UFJ総研の著者が東洋経済から出していることにある。
どこかの学者がサンマーク出版から出しているのとは訳が違う。
スピリチュアルと言われる、科学的に認められていないが人の心や身体を癒すビジネスの伸長と、世界的にメジャー化しており、日本でも早く大手が参入すれば儲かりますよ、と言うのが本論。
データを多用し、客観的に書こうとする意図はわかる。
しかし、インタビューしたスピリチュアル業界への配慮か、ややスピリチュアル寄りの印象。
生きているのに天国に居ると言い放ったオーラ系人物の名前をそのまま載せるなど詐欺に等しいものまで紹介しているため、胡散臭い印象を与えている。強く否定する科学者などは登場しない。
ただ本書はビジネス書である。
経営者がそれを信じていなくとも、合法的に販売し、客が信じて買ってハッピーになるのであれば効果など関係ない。
そう思われる事が重要なのだ。
テレビCMでは大々的に、「何だかいい感じ」「きくらしいよ」といったCMが跋扈している。
このような美味しい市場で合法的に儲けることへのハードルを下げる本書は、本当の効果追求に莫大な投資をしている製薬会社などのリスクヘッジへのヒントとして最適かもしれない。
社会の多彩な側面を本書は見せてくれる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
十年前の本であるが、スピリチュアルを経済からデータをとって俯瞰的にみた興味深い内容。
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情報整理とインターネットアンケートの分析が行われている。医療的な視点での不備を指摘するものではなく、ビジネスとして市場を見た内容で大まかにつかめると思う。
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スピリチュアルビジネスの拡大について論理的に検証した本。データの引用が多くてうざったいところもあるけど、それは正確なデータに基づいて書かれた本だということの証しでもある。
「孤独だからスピリチュアルにむかう訳ではない」とか、意外なことが書いてある。世間の漠然としたイメージを正確なデータによって覆している。様々な有名企業がスピリチュアル的なサービスを提供している事実にも驚いた。この本が書かれたのは東日本大震災の前なのだと思う。震災について全く触れていない。震災後、スピリチュアルに対する日本人の意識がどう変わったのかにも興味がある。 -
お仕事の関係もあり読む。
リサーチ会社の人が書いた本のため、
全てデータに基づいてスピリチュアル業界を分析しているので、
仮説はあっても憶測はない。
とてもニュートラルな視点で書かれています。
透視や予言的な話から、ヨガやら鍼灸、代替医療まで。
確かにマネタイズという視点で見れば、
一見スピリチュアルとは遠そうなビジネスも、心の弱い部分をくすぐっているんだなあと興味深いものがあります。
スピリチュアル好きは世界の様々な変化に敏感だから疲れているという話や、
一番の不満は「効果がわからないこと」とか、
面白い結果も出ています。
やっぱり最終的には心の問題に落ちていくのだなあ。
疲れているときはこういう商売に近づかない方がいいかも。 -
データや参考文献が多いが、見にくいのは他の方のレビュー通り。
スピって経済効果はさておきエビデンスはどうなのと思っていたが、コロンビア大やハーバード大、マサチューセッツ総合病院やMDアンダーソンがんセンターなどでレイキが取り入れられているという記載があった。セラピューティックタッチなど、手かざし療法がアメリカでは有効とされており、厚生省のhpにも海外の情報としてレイキの記載があり、ちょっと意外。こういう玉石混合感がスピっぽくてたまらない。
wikipediaでは疑似科学よりですねそうですね。
20年前にオフ会で会った人が、自称東大でレイキヒーラーで、内心なんじゃそりゃと思っていたのを思い出す。 -
ビジネス
経済 -
統合医療の利用状況に関して。
健康・不安・ストレス等に対するニーズをスピリチュアル分野が一部担っていて、それはマス化を通じて、医療や宗教の市場を食っているという
スピリチュアル利用者を追ったデータで、かつては、寂しい/不幸などが属性として、多かったが、今は「信じやすい」という属性の方が利用に大きく影響している、と。ある種マスに広げる為の正しい戦略。不幸な人ばかりではないから。 -
資料ID:92111894
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