ユニクロ症候群

著者 :
  • 東洋経済新報社
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本棚登録 : 108
感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (215ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492761915

作品紹介・あらすじ

「ユニクロ」の驚異的成功の背景は、「経済の衰退と若者の感性圧縮による消費文明の退化」にある。本書は「ユニクロ症候群」とも言うべき広範な社会現象を捉えて「退化する消費」という現実を明らかにするとともに、「グローバル平準化」という消費スタイルから産業構造にまで及ぶ歴史的変化を、衣料品業界のみならず家電業界や自動車業界まで視野を広げて浮き彫りにしたものである。

感想・レビュー・書評

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  • 2022.4.16

  • 柳井社長の悪評高さはブラックな企業体質にだけあるのではなくて、ユニクロがアパレル業界をメタメタに壊してしまったことにもあると思う。

    <blockquote>「アパレル業界人は洋服=ファッションと思っているようだが、多くの一般消費者は洋服を機能性や快適性を備えた生活パーツとしか見ていない。合理的な価格と品質でそんな生活パーツを提供すればマーケット八無限に広がる」</blockquote>

    こういう趣旨の発言を繰り返しているそうだけれど、確かに「着られればいい」的な人はアパレル業界人が思っているより多くいて、そういう人たちが"ファスト・ファッション"に飛びついたわけだ。極端に変なカッコの人めっきり少なくなったものね。

    一方、工業製品的に多量に生産される画一的な格好を嫌う人も多い。それをこの本の著者は"汎用パーツゆえのプラスチックなカラー展開がアナログ的クオリティ感を好む人々を遠ざけている”と指摘している。

    著者はアナログ感覚を好んでおり、ユニクロに批判的ではある。が、自分はこの指摘でユニクロって良いんじゃない? と思えるようになった。

    しかし、企業イメージは悪いよなぁ。

  • 1,深刻なデルレ下で顧客を広げて売上を伸ばすにはゴールデン・アローマーケテイングが必要。 客層を限ったセグメント法では売上減少の一途を辿る。
    2,前年実績はリセット(同じものは売れない)するファッション業界に有っては、ユニクロの足し算ラインアップ、店舗増は画期的。(足し算・掛け算)
    3,ウエブ・プロモーションが08年の世界3大広告賞を総なめにした。 売り上げ対広告費は4.5%と大きくない。
    4,サムソン電子の海外売上は87%。同じ設計の製品を要求価格の異なる国ごとに部品を買えてコスト対応している
    TOEC900点以上で無いと入社出来ない。
    5,日本は業務についていけない若者に手を差し伸べすぎる。これではアジアの企業に立ち向かえない。大学進学率韓国84% 日本54%

  • ユニクロの興隆と既存ファッション業界の縮退、そして海外のSPA業者との対比を軸にファッションビジネスを分析していく。
    のはいいんだけど8章で突然文化論を語り出して、7章までの内容と読後感をぶち壊しにしてくれます。こいつ絶対キャバクラで説教しだすタイプのオヤジだわ。
    7章まではいい本なんだけどね〜。

  • 佐賀県立図書館で読む。

  • 2010年の著作だが、予測がハズれていることも多い。

  • ユニクロをはじめH&Mなどのファストファッションの流行と原因を分析。原因を若者の感性低下としているが、バブルなどのハデな消費文明を礼賛しているようにしか聞こえない。かつて、ブランド品は高価だが高品質だったが崩れ、単に記号化したことが衰退の要因かと。ユニクロの品質も5年前に比べると落ちたと思う。同じ運命か。

  • アパレル業界人には洋服=ファッションだと思っているが多くの一般消費者にとっては機能性快適性を優先させる生活パーツだという柳井発言。このあたりをはっきりとさせてわかりやすく受け入れやすくしたのがユニクロの成功の一因。ファッションは変に競わずに別カテゴリーとして道を探せばいい、とも思うなぁ

  • ■マーケティング
    ①ユニクロの成功要因。 1.徹底した市場ニーズ検証に基づいて原材料から開発する。「顧客を限定しない」 2.単品ごとに販売進行を週サイクルで検証して価格キャンペーンを仕掛けるダイナミックな販売消化戦略。 3.有力なクリエイターとコラボしたキャンペーン商品、パワーイベントやウェブ、マスメディアを活用した大規模なプロモーションなどブランディング戦略。
    ②アパレル業界人は洋服=ファッションと思っているようだが、多くの一般消費者は洋服を機能性や快適性を備えた生活パーツとしか見ていない。(柳井談)
    ③イオンにしてもイトーヨーカ堂にしても、自らの顧客を直視しないで他社の成功事例や経営戦略の仮説に流された結果は、成功とほど遠いものであった。
    ④文明は生産地に移る。

  • 業界で一人勝ちすることが
    必ずしも良いことではないようです
    本来であれば
    安いものが欲しい人と
    高いものだからこそと欲しい人が
    商品を選択していくはずが
    みんな安いものだけを選択していくと
    安いものを作っている海外の工場に技術は奪われ
    良いものをつくる腕を持つ職人は育たない
    国内の高いものの消費は購買意欲の高い中国はじめ
    外国人に助けられており
    このままだと国内の土地も建物も売りに出せば
    勝ってくれる人は外国の方になってしまいそうですね

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著者プロフィール

慶応義塾大学卒。大手婦人服専門店チェーンに勤務した後、㈱小島ファッションマーケティングを設立。ファッションビジネスの経営実務研究会SPACを主宰して業界の経営革新にあたる一方、業界誌紙やネットメディアにも寄稿。2016年には経済産業省のアパレル・サプライチェーン研究会委員も務めた。マーケティング&リテイリング~サプライチェーン&ロジスティクスをデジタル/アナログの両面から一貫して捉え、中長期視点の経営戦略と現場の技術革新を提言している。

「2018年 『店は生き残れるか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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