世界最高MBAの授業

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  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492557327

作品紹介・あらすじ

●世界の経営大学院は何を教えているのか

【ハーバード】エリートが泣く、リーダーシップ論
【スタンフォード】修羅場の人間関係を学ぶロールプレイ演習
【ウォートン】ゴールドマン・サックス出身者に起業を決意させたマーケティングの授業
【ケロッグ】言い訳をしない人生の始め方--既成概念を打ち破る授業
【コロンビア】マーケティングの公式は現場で学べ
【MIT】路上生活者からも学びを得る--思い込み打ち破る方法
【シカゴ】看板教授が教える実践的起業力
【ミシガン】欧米流が常に正解ではない--グローバル人材の条件
【ダートマス】リバース・イノベーションの権威から学ぶ--新興国から先進国へ逆流する革新
【デューク】声とジェスチャーが9割--アップルCEOも受けたプレゼンの授業
【UCバークレー】オープン・イノベーション--特許・技術を囲い込まずに「顧客の声」を聞く
【LBS】ヨーロッパ人の徹底した“歴史と伝統の売り方”
【INSEAD】失敗から立ち直る秘訣「早く失敗して早く修復せよ」
【ハーバード】自分を赤裸々に語って自分を知る「真のリーダーシップ開発」
【スタンフォード】リーダーは組織の鏡であり象徴である

欧米の有名ビジネススクールで学んだ日本人留学生たちから聞いた「最も印象に残った授業」を紹介。
経営学の知識を詰め込むだけではなく、キャリア・世界観を変えるほどのインパクトのあったものばかりだ。
さらに、こうした授業を受けた留学生たちが、最終的にどのような選択をしたのかも紹介している。
読めば、ビジネススクールがいかに「自分を変えるものか」が実感できる。

感想・レビュー・書評

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  • 世界のトップMBAコースで学んだ日本人の体験が、大学別にまとめられています。出版は2013年ですが、当時すでにハードスキル偏重から、リーダーシップやチームワーク、また心の在り方などへの重視にMBAがシフトしていたことが分かります。

    本書で紹介されているMBAを取得した日本人の多くが、企業や新興国でのビジネスに飛び込んでいっていることに、一昔前の企業による社費留学とは違うMBA卒業生の姿を垣間見た気がしました。

    MITスローンでのEmpathy Walkという演習での、新聞売りの男性との出会いのエピソードは感動しました。社会には一隅を照らす人がいつでもいる、ということのように感じました。

  • ☆2(付箋8枚/P254→割合3.15%)
    MBAに実際に行った人の声を集めて、特色を構成している。ふーん、MBAってこうなっていたのか。日本であまり感じないその雰囲気と、今ホットなトピックスを味わえます(^^

    ・ケース:あなたはオンラインでベビー用品の販売業を始めました。次の地域Aと地域Bでは、どちらのほうに重点を置いてマーケティングをすれば、早く成功するでしょうか。
    地域Aの人口は200人。地域Bの人口は2000人。地域A、Bともに、現在、ベビー用品を小売店で購入している人は100人ずついます。
    …浅原さんは言う。
    「通常の小売店ビジネスで考えれば、このケースは、地域Aですよね。でも、オンラインビジネスでは、地域Bとなる。従来のフレームワークが当てはまらないことを知りました」
    授業でデビッド・ベル教授が強調したのは、リアルビジネスの世界とオンラインビジネスの世界が別物であるということ、そして、オンライン ビジネスの中でもモバイル上のビジネスとパソコン上のビジネスは別物だということだ。
    浅原さんは、この授業で、モバイルの世界には、まだ成功のセオリーが確立されておらず、誰もが手探りで挑戦しているのだと知る。
    (ペンシルバニア大学ウォートン)

    ・「カプラン教授には『結果を出せないのは君たちの力が足りないからだ。そんな自分を恥じろ!』とよくいわれました。」
    (シカゴ大学ブース)

    ・「あからさまに交渉中にウソをついていたことがわかってしまった人もいました。『こんなところでウソをついたら、この後、本人の評判にも影響があるのに』と思いますが、そんなことは気にしている様子もでもなく、授業であってもビジネスはビジネスとしてとらえ、その場の交渉に負 けたくないという感じでした。よくラテン系の人やアメリカ人は、特にゆずらないといいますが、お国柄というよりは人次第ではないかとおもいました」
    (ダートマス大学タック)

    ・「もうすぐ卒業するみんなに伝えておきたいことがある。私は、生徒から、『先生は肌の色で差別された経験がありますか?』と聞かれると、いつもこのたとえ話をするんだ。私たちの人生は2頭の馬に引っ張られる馬車で走っているようなものだ。一つは自分がコントロールできない『外部要因の馬』。そして、もう一つは自分がコントロールできる『内部要因の馬』。自分が制御できない馬はどうしようもないから、それを制御するのに力を使わないことだ。『僕はインド人だから昇進しないんだ』『僕は肌の色が黒いから 給料が上がらない』と嘆いてみても、それが本当かはわからないし、事実であっても自分ではコントロールできない。自分がコントロールできる馬にフォーカスしなさい。そうすれば、前向きに努力することができ、人生をもっと楽しめることだろう」―ヴィージェイ・ゴヴィンダラージン
    (ダートマス大学タック)

    ・「ジョン・ナンス教授は、手を恐竜のようにぶらぶらするクセを『T-REX』、足を前後に開いて揺れる動作を『サルサ・ダンサー』と呼んでいました。日本人に多い1ヵ所にとどまってプレゼンするスタイルはダメですが、逆に歩き回りすぎてもダメです。とても『見た目』に厳しかったです」
    (デューク大学フュークア)

    ・「君たちの人生は、君たちが『何に関心をもつか』で決まる 。些細なことを気にして、小さくまとまるのもいいが、もっと大きなこと、社会的に意味のある大きな問題を考えなさい。そのための知識やスキルを今、ビジネススクールで身につけているのだから。キャリアを選ぶときは、歴史の中で、正しいほうに身を置きなさい。具体的には成長企業、あるいは、ターンアラウンドしているなど、大きな転換点を迎えている企業だ。歴史の流れにのりなさい。そして世界により大きなインパクトを与えなさい」
    ―アンドリュー・アイザックス
    (UCバークレー校ハース)

    ・呉文翔さんがハーバードに入学して驚いたのが、どの教授も、学生一人一人の顔と名前を完璧に覚えていることだった。
    「授業で一回発言しただけなのに、廊下や食堂で会うと、どの教授も“Hey Bunsho,How are you doing?”と満面の笑顔で話しかけてくれました。しかも、僕がハーバードに入学する前に日本の商社でエネルギー関連の仕事をしていたことや、小さい頃、ニューヨークに住んでいたことまで知っていました」
    呉さんは、一度、入学前のプレMBAの授業でお世話になったV・G・ナラヤン教授に「なぜ、たくさんいる学生の顔や名前をこんなに早く覚えられるんですか」と聞いてみたことがある。すると、教授は「君たちの名前を覚えているのは、私の記憶力がいいからではない。君たちがハーバードに入学する何ヵ月も前から、迎え入れる準備をしていたからだよ」と、答えたという。
    将来のリーダーを迎え入れる前に、教授たちは1クラス90人全員の顔と名前と経歴を完璧に暗記するのだそうだ。ちなみに、自分が 率いるチーム(あるいは会社)のメンバーの顔、名前、名前の発音、経歴を覚えるというのは、いわゆる「帝王学」の基本だ。

    ・ラブマン氏はサービスマネジメントを専門に研究していた学者で、企業を経営した経験はまったくなかった。それが、3万5000人の従業員、15のカジノ、合計1万室のホテルの責任者となったのだ。
    ラブマン氏はCOO就任当初、社員からの強い反対を受けたという。カジノ業界は閉鎖的な業界でよそ者が入ってくるのを拒む体質があったからだ。現場が力をもち、現場のルールで経営が行われている中、ラブマン氏は、「現場を知らない学者に何ができるものか」という目で周りの人から見られていた。
    しかし会社の財務状況は火の車。何とか立て直さなくてはならない。
    ラブマン 氏が何よりも先に取りかかったのが、全従業員の顔と名前を覚えることだった。水島さんは、ラブマン氏の徹底した姿勢に驚いたという。
    「ビジネス系の従業員のみならず、レストランで働くスタッフ、ディーラーなど、全員の顔と名前を覚えたそうです。そして、なるべく現場に行って、必ず話しかけるということを続けました。さらに、会社の人たちとできるだけ多くの時間を共有できるよう、カジノ内のホテルの一室に住んだのです。その結果、最初は抵抗感を示していた社員から徐々に支持され、改革を実行していったそうです」
    ラブマン氏もゲストスピーカーとしてフェファー教授の授業に参加し、当時の苦労を語った。
    「古い体質の業界で新しいことをやろうとすると、さまざまな抵抗に遭う。 ただ、抵抗が起こるのは当然のことだ。そのような抵抗をいかにサポートに変えるか。そのための努力は改革や使命を実行するために不可欠な道筋でありスキルでもある。私の場合は、まずは、社員とともにすごし、社員から信頼を得ることが最初に行うべきミッションだったのだ」
    (スタンフォード)

  • この本を通じて分かること、それはMBAは一体何を学ぶ場なのか、何を経験する場なのかということ。

    当時のトップスクールの在校生(実名)が数あるクラスの中から特に印象深かったクラス、それを通じてどのような変化があったのかについて、その理由とともに語っている。

    MBAに興味があるけどイメージできない、学校ごとの特色を手軽に感じ取ることができる内容になっている。

    読んで気づいたのは、MBAでの体験は10人いれば10通りあり、一様でないこと。人それぞれの感性、バックグラウンド、どんなクラスメイトがいたかによって得るものが変わってくる。
    したがってMBAで何を学べるのかという問いに明確に答えることは難しい。本書のように経験談を凝縮することでしか伝えることはできないのだと思う。

    本書でもっとも刺さったのは、ハーバードの授業での「リーダーシップ」に関する内容。

    ボリュームも多くないため2、3時間で読めるし、非常におススメです。

  • 人から信頼されるリーダーとして、真正authentic であることを心がける。
    何事も正直に伝えることが一番。相手にとって受け入れがたい決断をしたは、逆にストレートに言うこと。それと同時に相手に礼を尽くすことを忘れてはならない。スタンフォード大 グロースベック教授。

    自分らしいリーダーシップのスタイルを見つける。
    ペンシルバニア大ウォートンスクール

    言い訳しないトレーニング。
    No/but できません、そうはいうもののこういう事情が。から、Yes/and やりましょう、それにはこういうことが必要です。と考え方を変える。

    リーダーシップとは人をコントロールすることではない。人によりよい影響を与えること。
    自分のことを理解し、本当の自信を持つことが成功するリーダーへの第一歩。など。
    リーダーの4つの力
    1.セルフリフレクション
    自分自身の優先順位を理解し自省する力2.バランス
    物事を多角的に見る力
    3.自分本来の自信
    自分自身をありのまま受け入れ、日々改善する力
    4.真の謙虚さ
    他人を尊重する力

    1.1日20分、セルフリフレクションの時間を持ち、自分の価値観の優先順位付けをする。優先順位は10項目考える。
    2.昨日に比べて今日何が改善出来るか毎日考える。
    3.1週間に1回、自分の時間の使い方を振り返る。仕事、家族、自省、健康と睡眠、趣味と読書、社会活動の6つに分けて考える。
    ノースウエスタン大学 ハリークレマー教授

    失敗から立ち直る秘訣は、早く失敗して、早く修復すること。
    INSEAD

    自分が率いるチームのメンバーの顔、名前、読み方わ経歴を覚えることはいわゆる帝王学の基本。
    ハーバードビジネススクール

    リーダーは常に誠実であれ、清廉であれ。
    リーダーには強いオーナーシップ。つまり自分はリーダーであるという当事者意識が不可欠であり、オーナーシップを持つことは、チームメンバーに対して、心から思いやりを持つこと。
    スタンフォード大ロバート・ジョス教授

    紹介されている各大学の日本人卒業生からのインタビューを元にまとめられたもの。刺激的な環境であることは容易に予想がつく。自分で同じような環境を作ることは難しいが、できなくはない。時折見返すこと。

  • 【ハーバード】エリートが泣く、リーダーシップ論
    【スタンフォード】修羅場の人間関係を学ぶロールプレイ演習
    【ウォートン】ゴールドマン・サックス出身者に起業を決意させたマーケティングの授業
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    【コロンビア】マーケティングの公式は現場で学べ
    【MIT】路上生活者からも学びを得る--思い込み打ち破る方法
    【シカゴ】看板教授が教える実践的起業力
    【ミシガン】欧米流が常に正解ではない--グローバル人材の条件
    【ダートマス】リバース・イノベーションの権威から学ぶ--新興国から先進国へ逆流する革新
    【デューク】声とジェスチャーが9割--アップルCEOも受けたプレゼンの授業
    【UCバークレー】オープン・イノベーション--特許・技術を囲い込まずに「顧客の声」を聞く
    【LBS】ヨーロッパ人の徹底した“歴史と伝統の売り方”
    【INSEAD】失敗から立ち直る秘訣「早く失敗して早く修復せよ」
    【ハーバード】自分を赤裸々に語って自分を知る「真のリーダーシップ開発」
    【スタンフォード】リーダーは組織の鏡であり象徴である

    欧米の有名ビジネススクールで学んだ日本人留学生たちから聞いた「最も印象に残った授業」を紹介。
    経営学の知識を詰め込むだけではなく、キャリア・世界観を変えるほどのインパクトのあったものばかりだ。
    さらに、こうした授業を受けた留学生たちが、最終的にどのような選択をしたのかも紹介している。
    読めば、ビジネススクールがいかに「自分を変えるものか」が実感できる。

  • まあまあ。近年のリーダシップが、知識ではなく、内省に傾いていることはよくわかった

  • やっぱ行きたいなぁ

  • 自分の信念を確立し、それをさらけ出すことによって人を動かすことこそがリーダーシップである
    起業家精神とは、今、自分の手元にあってコントロールできるリソースの限界を超えて起業の機会を絶え間なく追い続けること
    プレゼンテーションでは、
    1.具体的なストーリーを伝える
    2.顧客の声や調査結果を具体的に伝える
    3.チームメンバーの役割を明確にし、適切なアドバイザーを見つける
    失敗から立ち直る秘訣は、早く失敗して、早く修復すること

  • 結局のところ、MBAを学んで一番印象に残るのは人それぞれ。
    でも、あまりモノやカネ系の話ではないことが多いのかもしれない。

    思考系やヒト系、それは人生観を変える出会いなのではないか?

    グロービスでは「能力開発」に加え、「人的ネットワーク」「志の醸成」があるが、これはストンと胸に落ちる完璧なフレームワークだと改めて痛感した。

    キーワード:MBAをとることが目的ではなく、プロセスこそが大切。MBAを手段に、可能性を信じられる人になる

  • ハーバードやスタンフォードなど世界的に有名なMBAの大学17校ぐらいを実際の日本人体験談で紹介

    リーダーシップが如何なるものか?
    という体験談がメイン

    体験談を語る人達の経歴が高く、さらに30歳前後であることに驚いた。

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著者プロフィール

1998年3月 一橋大学法学部卒業
1999年8月 マールブルク大学(ドイツ)法学部公法・国際法専攻(LL. M)修了
2000年3月 一橋大学大学院法学研究科公法・国際関係専攻修士課程修了
2003年8月 マールブルク大学法学部公法・国際法専攻博士課程修了(Dr. jur)
外務省勤務,明治大学法学部専任講師・准教授等を経て,
2021年10月 明治大学法学部教授(現在に至る)

「2021年 『EU海洋環境法』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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