- Amazon.co.jp ・本 (281ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492521359
作品紹介・あらすじ
経営戦略とは何か、どう具体的に役立てるか。新進気鋭の経営学者が、戦略理論を数多くの実践事例をもとに解説。戦略をどうビジネスに役立てるか、同じ業種なのに、なぜあの会社の業績はいいのか、かつての花形産業はなぜ競争力を失ってしまったのか、などの疑問の答えをみつけるヒントを与えてくれる。
感想・レビュー・書評
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本書『競争戦略論』の目的は,「企業間で業績の違いはなぜ生まれるのか」をわかりやすい形で整理することである.経営戦略論の全体像を明らかにするために,著者らは「内-外」と「要因-プロセス」の2 軸で分類する枠組みを提唱している.この2 軸に区分されるそれぞれのアプローチの名称を「ポジショニング・アプローチ」「資源アプローチ」「ゲーム・アプローチ」「学習アプローチ」としている.本書を読む前にこれら4 つがそれぞれどこに分類されるかがわかれば,これが記述されている箇所は読む必要はないだろう.あるいは,第1 章に書かれていることで十分であろう.
戦略論の4 つのアプローチについて簡単にまとめておく.ポジショニング・アプローチとは企業の成功にとって都合のよい環境に身を置くことである.資源アプローチとは企業業績の差異の源泉を,企業内にある経営資源に求めることである.ゲーム・アプローチとは企業の成功にとって外部の構造的圧力が影響を与えるとしたら,企業はその構造を変えようとすることである.学習アプローチとは経営資源,とりわけ知識や情報といった「見えざる資産」が蓄積されるプロセスそのものに注目することである.
本書でも述べてあるが,どのアプローチが優れているかなどは実際の企業にとっては意味のないものである.企業の今後の戦略を構築するさいには,4 つのアプローチそれぞれの立場に立って考えることが必要で,バランスよく使うことである.このことを「日本のデジタルカメラ産業」を例として説明している.この章を読むことで4 つのアプローチに優位はなく,バランスよく考えることが重要であることがわかる.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
戦略論は沢山あるが、全体像を理解したい方にお勧め。
ポジショニング戦略、ケーパリティ戦略。それだけではない。チャネル戦略、プラットフォーム戦略、ランチェスター戦略などなど。
一つずつ学んでいては全体像掴むまで時間がかかる。
本書は戦略論の全体像を提示してくれる貴重な一冊だ。 -
目次
第1部 戦略理論の基本
第1章 経営戦略の理論とは
第2部 競争戦略の4つのアプローチ
第2章 ポジショニング・アプローチ
第3章 資源アプローチ
第4章 ゲーム・アプローチ
第5章 学習アプローチ
第3部 複眼的戦略アプローチの応用
第6章 戦略思考のバランス
第7章 会社戦略
終章 日本企業の問題と戦略の重要性
補論 企業の「一般戦略」 -
↓戦略初心者ですが、大枠はつかめたんじゃないかなと思います。戦略論をひと通り学んだ後に、また読みたいと思います。
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現在の企業戦略論を、大きく4つに分類しています。
これを読むと、戦略論の大きなブロックが理解できると思います。
最初にこの本を読んで概要を理解し、その後、各ブロックの原典に当たれば、理解しやすいのではないでしょうか。
同じように戦略を分類しているものにミンツバーグの戦略サファリがあります。
(まだぱらぱらとめくった程度で言うのもなんですが、、)あれは、日本語訳が破たんしているのと、挙げられている各セオリーの解釈がミンツバーグ流(異なった視点で示唆を与えている)なので、原典を十分理解した上でないと曲解する可能性が高いと思います -
よい本だとは思うが、書いてあることのわかりやすさのわりに上級者向きの本。他の本で戦略を勉強してから、全体像を再度つかみたい人向けか。
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授業で扱った後なのでそれほどの感動はない。とりあえず、ポジショニング・アプローチ、資源アプローチ、ゲーム・アプローチ、学習アプローチはおさえておきたい。誠実な社会貢献が第一ではあると言っても、不当な攻撃から身を守るための戦略論は大切だと思う。
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戦略論の基礎的な本。内容も専門的なことではなく、大衆に分かりやすく書かれています!
1年生の導入ゼミ2で使用したテキストで、青島先生が書かれています。 -
一ツ橋の教授陣によって書かれた経営戦略の名著。
経営戦略といっても、知識を得るためではなく、その結論に至るまでの着眼点に注目。
洗練された情報と、帰納・演繹的な思考プロセスは読んでいるだけで参考になる。
頭を使ってみようという入門書に最適。