豊田章男

著者 :
  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (341ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492503164

作品紹介・あらすじ

週刊東洋経済の人気連載の書籍化企画。

創業家の御曹司であるが故の葛藤、巨大企業の針路を決める重圧……、
知られざる逸話の数々から、その世界最大級の自動車メーカーを率いる男の実像に迫る
一気読み必至のビジネス・ノンフィクション!

トヨタという巨大企業のトップが日々見る風景、挑戦、葛藤を知ることで、
日本人ビジネスパーソンであることに誇りを持てるようになる1冊。

感想・レビュー・書評

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  • ☑︎"安心して長く走れるクルマこそ、結局は、速く走ることにつながる。"
    ☑︎徹底した現地現物主義。
    ☑︎短期的な利益を追うのではなく、長期的な目線で長く緩やかな持続的成長を図る。
    ☑︎"過去の延長線上にトヨタの未来はない。"

  • ジャーナリストの著者がトヨタ社長の豊田章男氏の半生や社長就任時の功績や苦悩などの内面を多くの取材から迫った一冊。

    時価総額25兆円にのぼる日本を代表する自動車メーカーであるトヨタを率いる豊田章男氏が2009年に社長に就任してから現在に至るまでの手腕や豊田家とトヨタに対しての考えや自動車に対する想いなど氏のメディアではわからない裏側を本書でたっぷりと知ることができました。
    若き社員時代に幾多のぶつかり合いの中で結果を上げてきたことやドライバーのモリゾウと経営者豊田章男の2つによってバランスが取れていること、経営の信条を豊田綱領の精神に基づいていることなど人間豊田章男を知ることができました。
    また、イチロー氏との対談にある負け嫌いやトップクラスの舞台で世界を相手にもの同士だからこそ共鳴するものがあることも感じました。

    リーマンショック下でのトップ交代からアメリカでの大規模リコール問題での公聴会や東日本大震災など苦難の時期を経て原価低減とTPSのトヨタにとって生命線といえる2つを徹底したことなど経営者としての手腕やそこに対する氏の想いも書かれていました。
    また、台数だけが右肩上がりで伸びていた時にリーマンショックで打撃を受けた経営を立て直し、世界販売1000万台の大台を突破しても慢心することなく着実に地に足をつける姿勢には凄みを感じました。

    ホッケーで育まれた何事もやってみるという知的体育会系の精神やあらゆる場面でサプライズを仕掛けることやなんでも新しいものにチャレンジする姿勢や豊田家に生まれたものとしての宿命や父や祖父に対する想いなど氏の人となりも知ることもできました。

    生産規模が10分の1ほど違うマツダとの業務提携や後継者問題やモビリティカンパニーへと変わる脱クルマの第二変革期を迎えていることなどこれからの同社の未来についても知ることもできました。

    CASEと言われるEVや自動運転など今までの車から更なる発展が求められる今、車が移動するだけじゃないサービスを提供する企業として今後どのように発展していくのか期待するとともに創業家からまたサラリーマン社長に戻るであろう次の社長に氏がどのように継承していくのかも気になる一冊でした。

  • 日本が誇る自動車メーカーの1つ「トヨタ」
    歴史ある大企業でありながら、現代では珍しい一族経営を継続している企業の社長
    「豊田章男」とはどんな人なのか?知られざる本性が描かれている。

    0から1を創り上げる技術と、それを発展させていく技術、自社の柱にする技術、衰退する技術・・・、事業成長のサイクルが何万回とありながら、成長を続けるトヨタ。
    そのサイクルは時代を重ねるごとに短期決戦が多くなり、且つ技術の発展から海外企業との競合など、大企業とて油断できない環境下に置かれている。

    その中で社長に抜擢された豊田章男とは、
    無類の車オタクであり、「モリゾー」というあだ名のレーサーとなり、SNSやYouTubeを駆使し自らが発信源となる「トヨタの社長」というマスコット的な存在にもなる。多数の顔を持つ人物であり、皆が描く大企業の社長とは少々違う印象を持つ。
    その軸にあるのは「もっといいクルマづくり」の実現であり、その軸からブレていないことが本書を通じて理解できる。

    本書に度々書かれていたが、どんな壁があろうとも「とりあえず一度やってみよう」という精神があるからこそ、さらなる成長を遂げているのだと思う。

    日本が世界に通用する自動車技術、それは絶やすことなく、常にトップであり続けてほしい。と応援したくなる一冊でした。

  • 自分史上初鳥肌が立った本

  • ・トップの覚悟
    ・過去にとらわれない発想と行動
    ・自分の目で見て肌で感じる大切さ
    ・周りへの気遣いとサプライズ
    ・世のため人のため

  • 経営を継ぐ事を義務付けられた創業家の苦悩、孤独、差別は計り知れない。
    現地現物を大切にしてブレない行動理念とフレキシブルな傾聴姿勢を持つカリスマ経営者。天賦の才によるところも大きいが人を作り上げるのは日々の努力と想いの強さ。
    経営者は皆が読んで自分の行動と当てはめて考えてみて欲しい。

  • ちょっと夜中のlineは嫌だけど、ビジョンあふれる、学ぶ気持ちを忘れない良い社長だ。日本の宝とも言うべきトヨタの正当な継承者が、このような人物であることが奇跡だ。でもトヨタ車って高いよね。

  • トヨタ自動車は、物心ついた時からずっと知っていたが、この本を読むと会社の成り立ちや大企業の社長の苦悩など、全然知らないトヨタの顔を知ることが出来た‼️創業家の2代目、3代目は周りからの見え方が違っていて。傍から見れば羨ましくもうつるけど、実際は違う世界があるんだなと気づきになった。トヨタ自動車がどういう世界観を実現しようとしているのか分かり、トヨタが身近に感じた本でした。あっという間に読み終わって勉強になった。

  • チームとは、という話が非常に印象的だった。
    味方でもあるし敵でもあるという。
    まさにその通りだと思うし、これからのVUCA時代を生き抜くにはそうあるべきだと思った。
    どんなに小さな組織でもリーダーたる人は読むべき一冊。

  • 豊田社長の人物像、創業者一族としての苦悩、取り組んで来たこと、取り組もうとしていることはよく理解できた。

    ただ、事実や起きたことが中心に描かれていたように思われ、膝を打つような表現が少なく、途中からやや退屈に感じてしまった。

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著者プロフィール

片山 修(カタヤマ オサム)
ジャーナリスト
愛知県名古屋市生まれ。経済、経営など幅広いテーマを手掛けるジャーナリスト。鋭い着眼点と柔軟な発想力が持ち味。経営戦略、マネジメントにも造詣が深く、長年の取材経験に裏打ちされた企業論、組織論、人事論、時代論には定評がある。2001年から2011年まで学習院女子大学客員教授を務める。
『時代は踊った――オンリー・イエスタディ‘80s』(文藝春秋)、『ソニーの法則』『トヨタの方式』(以上、小学館文庫)、『本田宗一郎と「昭和の男」たち』(文春新書)、『ふるさと革命――“消滅”に挑むリーダーたち』(潮出版社)、『社員を幸せにする会社』『技術屋の王国――ホンダの不思議力』『豊田章男』(以上、東洋経済新報社)など、著書は60冊を超える。

「2021年 『山崎正和の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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