- Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492444573
作品紹介・あらすじ
2018年以降、米中貿易戦争が世界経済に大混乱をもたらした。
2020年、新型コロナウイルスの感染が世界に広がった。
感染源とされる中国では経済活動が徐々に平常化しているが、欧米をはじめ各国では依然、予断を許さない。
これらのできごとを通じて見えてきたものは何か?
中国は人類の長い歴史において世界の最先端にいたが、
16世紀頃から状況が変わり、とくにアヘン戦争以後は衰退がめだっていた。
しかし、最近の中国の躍進ぶりを見ると、昔の歴史が復活してきたように見える。
超長期の観点で見ると、これは「歴史の正常化」なのだろうか?
歴史の正常化とは、単に中国が大国化するというだけでなく、社会の基本原理に関する対立が復活することなのかもしれない。
分権的で自由な社会を作るのか、集権的で管理された社会を作るのか。
米中経済戦争やコロナとの戦いの本質は、未来社会の基本原理をめぐる戦いだと捉えることができる。
われわれは、いま、歴史の重要な分岐点にいる。
感想・レビュー・書評
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タイトルと内容が不一致だ。中国は世界を「管理」しようとしているという内容の本である。貿易戦争をしかけたりして世界を攪乱しているのはアメリカのほうだ。しかし、著者は80歳なのに、こんなに頭が回転してるなんてすごいことだ。
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非常にリアルタイムな出版だというのが第一の印象。且つKindleでの無償公開とされ、この未曾有の状況に対して世の中に発信をされたいのだろうと感じ読みました。
新しいテクノロジーの活用において、中国は世界をリードしている。やっかみじゃないが中国だからという声も耳にする。
米国は世界経済における中国の重要度が高まり、その技術の軍事転換を恐れての、強行的な関税政策などを実施。これはトランプ大統領の言動について理解できない部分が多かったが、目からウロコという感じでした。
今後中国が覇権を握るのか?という点について、ローマ帝国の寛容政策になぞらえて説明されているが、人材を集められるという点では本当に重要である。国家権力が絶対的である社会主義国家であれば、海外留学先から帰国せずそのまま職に就くケースが有能な人ほど多くなるだろうが、世界第二位の経済大国に変わった中国においても、様々な意味で変わっていて、特異に見える制度であるもそれが故に最新テクノロジーを有効活用できるという環境。
そういう環境に価値を求める有能な人材も多いであろうと著者は言う。
コロナ収束が見え隠れし始めたが、安易に緩めるのはよろしくない。が経済的ダメージも大きく、立ち直れない方々もたくさんいらっしゃるかもしれません。そんな時にこそ力を合わせて乗り切るべきだし、政治家、政府には強いリーダーシップを期待する。 -
現代中国の特殊性を、自国民(漢民族だろう)に銃を向けた政権が維持されている国と考えると、確かに色々なことが納得ゆく。
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【電子ブックへのリンク先】
https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000089982
学外からのアクセス方法は
https://www.lib.muroran-it.ac.jp/searches/searches_eb.html#mel
を参照してください。 -
竹中平蔵がデジタル資本主義という言葉を使っていたが、この本では、データ共産主義が論じられる。信用スコアリングや顔認証など、国家に対しては人権保障の無い中国において、非常に親和性のあるテクノロジーだと思う。更に、サイバー空間を支配するためにも、デジタル人民元を国家が管理し、治安維持を名目に、国民監視システムを機能させる。本著でも取り上げられているが、まさに、ジョージオーウェルの1984、ビッグブラザーの世界観だ。
民主主義国家がDX化で対抗しようとしても、個人情報を扱われる事への不安や拒否権の発動で、共産圏ほど上手くいかない。新たな資本主義において、データ活用によるEBPMや金融商品管理、CtoCのようなマッチングの効率性は期待したい所だが、完デジタル共産主義vsデジタル資本主義のどちらに軍配が上がるかだろうか。数ではなく力で決める政治か、多様性とマイノリティに翻弄される政治か。ポイントは民主主義における多様性を武器にできるか否かだが、同じ国に多様な間口がある方が、味方を増やしやすい、というメリットがある。後は経済安全保障も含めたミリタリー分野での得失だろうか。
ファーウェイや半導体問題、対するレアアース規制。ドローンにAIを実装しての軍民融合体制。国家が暴走する時、それを人民の力で防ぐ機能がない事は恐怖だ。大躍進政策や文革、天安門事件の前科がある。それが日本の隣国であるという事実を改めて認識しなければ。 -
中国の直近の技術と動向について中立的な立場で述べられている。簡潔で読みやすく、短時間でポイントを得ることができる。
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まあまあ面白かったが、この表題がいいのかどうかという内容。使われているデータが微妙に古いので今現在読むのには中途半端かも。
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タイトルの撹乱は大袈裟すぎ。脅威なのはよくわかった。中国に対するアメリカの立ち位置が著者なりの解釈で書いてある。一意見としては参考になった。