デジタル資本主義

著者 :
  • 東洋経済新報社
3.84
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本棚登録 : 214
感想 : 29
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492396414

作品紹介・あらすじ

デジタル革命は資本主義の“常識”を覆す。
その変化はGDPという従来の指標では捉えきれない。
新たに生み出される経済社会は、巨大企業が支配し、ロボットが雇用を奪う「純粋デジタル資本主義」になるのか。
あるいは個人のスキルや未稼働資産が価値を生み出す資本となる、「市民資本主義」か、
多くのモノが無料となり、労働と余暇の区別も消滅した、SFのような「ポスト資本主義」なのか。
大胆なシナリオを描き出す。

感想・レビュー・書評

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  • 本書の論点というか、流れというか、主旨をとらえることができませんでした。
    デジタル資本主義という言葉をどうとられるかですが、中国ですと、デジタル共産主義になりますし、資本にハイライトをせずに、デジタル化している世界に焦点を当てるべきではなかったのでしょうか。扱っている技術についても総花的で難しく、もっとわかりやすく深堀してほしかった。

  • 最も印象に残った点
    今後企業がデジタル化の中でも利益をあげていくには、労働生産性ではなく知的生産性をあげていかなければならない。デジタル化が進むにつれて多種多様なデータが手に入るビッグデータ時代が到来する。そのデータをいかにして価値に転換するかがカギであり、知的生産性の高い企業が競争優位性を高めていく。

  • 「GDPという指標でみると経済は停滞し、賃金も伸びないが、その一方で生活者は生活の質の豊かさを享受している-この現状をもう少し掘り下げて考えると、デジタル化はGDP統計では見えてこない何かを我々にもたらしているのだということに気づく。」p2 GDPのピンボケ現象p56
    - ワイガンドのアマゾノミクスという本は読むべきらしい。そのp148とp25に引っかかりを感じる

  • 消費者余剰、生産者余剰、懐かしい。中小企業診断士受験の際にも再度とらえ直した事を思い出した。GDPの指標の理屈は知っていたが、最後に足し合わせることに疑問を感じていたが納得した。消費者余剰がデジタル化により増加したことは、人類にとって喜ばしいことである。生産者余剰の減少が回り回って消費者の所得に反映されるのはその通りだが、デジタル化により眠っていた資産が有効活用されるシェアリングやP2Pサービスが確立されたいま、老後も案外安価に楽しめるのかもしれない。しかしそれは資本財においてのこと。人間の本質的欲求はそれでは満足出来ないはずであり、その点は別の書籍に譲るべきだろう。なかなかの示唆に富んだ書籍である。

  • 登録番号:1027141、請求記号:332.06/Mo45

  • 【図書館の電子書籍はこちらから→】  https://kinoden.kinokuniya.co.jp/tit.library/bookdetail/p/KP00013104

  • 図書館で借りた。考えないとな色々

  • 2020/02/28:読了
     何か情報は沢山あるけど、ピンとこない。
     184ページの A,B,C,Dをもう少し深掘りすればいいのかな?
         不平等       平等
    拘束  B:国家        A:共同体
        (略取と再分配:   (互酬:
         支配と保護)     贈与と返礼)
    自由  C:資本       D:デジタル・コモンズ
        (商品交換:      (シェアリング)
         貨幣と商品)

     出所:柄谷行人「世界史の構造」のフレームを
        もとにNRI作成

  • 世の中を豊かにしているデジタル技術が今の資本主義や民主主義にどんな影響を与えうるのかをまとめている。
    GDP推計の限界と他の経済指標の模索。
    消費者余剰(お買い得感)の向上と生産者余剰の減衰に関してシェアリングエコノミーを起点として語られている。
    今デジタル技術によってどんな変化が起きているのか、また、これから起きようとしているのかがわかりやすく書かれている。
    デジタル技術に対する各国の考え方は文化や宗教などにより多様であり、資本主義の奴隷として活用するか、ユートピアチックな共有財の経済を作り上げるか、間を取るかはこれからの私達次第である、

  • デジタルがもたらす未来について、今まではディストピア的な思考しか持ち得てなかったのですが、この本を読んで、別の可能性があることを示唆してもらいました。
    社会を構成する一人一人の主観、思いがデジタル社会のありようを導いていくとの主張に深く考えさせられました。

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著者プロフィール

森 健(モリ タケシ)
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長
野村総合研究所(NRI)未来創発センター、グローバル産業・経営研究室長。ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス(LSE)経済学修士課程修了。専門はデジタルを含むグローバル経営環境分析。共著書に『デジタル資本主義』(2019年度大川出版賞)、『デジタル国富論』(いずれも東洋経済新報社)、『グローバル・ビジネス・マネジメント』(中央経済社)などがある。

「2022年 『デジタル増価革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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