知名度ゼロでも「この会社で働きたい」と思われる社長の採用ルール48
- 東洋経済新報社 (2013年7月26日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (221ページ)
- / ISBN・EAN: 9784492261071
作品紹介・あらすじ
私たちは、リクルート社で採用業務を担当していた経験を活かして、
現在は新卒採用や幹部社員のヘッドハンティングなど、
人事・採用に関するお手伝いをさせていただいています。
その中で、中小企業の経営者の方からよくお聞きするのは、
「新卒採用はうまくいかない」という声です。
既存技術の伝承、新しい技術の開発、海外での事業展開、
事務作業の効率化、工場のソフト化など、
小さいけれど、高い技術力を持った優秀な会社には、
新たに取り組みたい課題が山のようにあると思います。
そのために優秀な学生を採用しようとコストを増やしているのに、
結果を出せないと嘆いている経営者の方も多いのではないでしょうか。
日本経済もようやく明るい兆しが見えてきましたが、
経営環境だけでなく、新卒採用に関しても、
中小企業の苦しい状況がまだ続いています。
でも、知名度がないから、小さいからという理由で、
新卒採用がうまくいかないというのは間違いです。
小さい会社でも優秀な学生は必ず採れます。
実際に、今年採用コンサルを行った、ある中小企業では、
数人の採用枠のうち、京都大学生4人に内定を出すことができました。
本書では、私たちが実践している優秀な学生の採用術を解説します。
この採用術を実践すれば、優秀な学生を採れるだけでなく、
会社が成長する仕組みも作ることができます。
井上和幸・曽和利光
感想・レビュー・書評
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採用担当必読。神本。
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採用は難しい。
いろんな指標も、手法もあります。
この本では、その中でも『外注なしで社内で努力できる』ものを凝縮してくれています。
これを実践すれば、採用はかなり改善するはずです。
なのに、新卒採用って変わりませんね… -
<読む前のキモチ>
主任が読んだ感想を見て、読みたくなった。
人事担当ではなくても、「現場社員の協力、採用後のフォロー」なら、現場社員の私にもできることが書かれているのでは…と思うていたり。
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<読んだ後のキモチ> -
ひょんなことから著者の曽和さんとお会いする機会ができたので、お会いする前に読んでみました。私は人事担当ではないので、通常の採用についても詳しくないのですが、ここで書かれている「大企業の採用」については以前いた会社も考えるとそのとおりだと思いますし、そのやり方では確かに知名度が低い会社では採用は難しいだろうというのは想像つきます。
私は営業の仕事もしていたので、思ったのは「採用は営業と一緒だ」ということです。応募者をお客様と考えて、そのお客様の求めていることを真摯に考えてアクションする。それはお客様の言いなりということではありません。きちんとこちらの主張も伝えたうえで縁があればお付き合いが始まる。ということでしょうか。
書かれていることはとても基本的なことですが、やり切るのは難しいでしょうね。それがきっと曽和さんがコンサルとして必要とされていることなのでしょう。ちなみに曽和さんはとても気さくな方で楽しくお話出来ました。 -
採用担当者は読むべきだと思う本でした。
優秀な学生は、大手企業に就職する傾向がある。
個人的な考えだけど、大手企業には、潰れないだろうというよくわからない安心感、知名度というブランドと他者の憧れのまととなる自己満足、金額の大きな仕事を担当できる、優秀な人が多いので刺激しあえる、給料が高いなど、いいことが多い気がする。
その中で中小企業が高学歴な、優秀な人材を採用は難しいだろう。
そこでどうするかというところがこの本の趣旨。
狙いは、環境の変化が激しい世の中でも泳げる見込みがあり、大企業の選考から競合しない人。
例えば、新設学部に入学した人やマイナースポーツに興味が惹かれる人を採用する。この人たちは、環境の変化に対応できる人材と見ることができるので、そういった人たちを中心に採用する。(大企業からすると、新設学部は採用実績が少ないので取りづらいと思われる。)
また、第一次採用が終わったあとに採用活動を行うなど、時期をずらすとか、会計士や弁護士の勉強をしていた既卒者、海外留学生を採用するのも手。
そして、これと思った優秀な学生へは社長との面談を設けて社長にビジョンを語ってもらうと内定辞退しにくい。
エースクラスの社員と会話するのも有効。
一方で、こちらから学生を取りに行くのだから学生の負担を避けるべく、会社セミナーは動画とするなど気遣いは必要。
まあいろいろやりようはあるってこと。
今までの待ちの姿勢じゃ欲しい人材の採用なんてできないぞって。 -
実力があるが知名度が低い中小企業の採用戦略。
超有名大学卒=優秀というのは違和感を覚えるが、
スカウト型採用の重要性を感じた。
スカウトやフォローのHowToはともかくとして、
全社として採用を取り組むことが前提であり、
そのためには、社長が先頭に立つ必要がある。
私個人の新卒採用に関するスタンスと近いが、
弊社の採用に関するスタンスとは大違い。
私は採用を本業としていない一従業員だが、
まずは社長と、採用と人材育成の重要性について話し合いたいと思った。 -
新卒採用市場把握のために選びました。
特に印象に残った、ためになったのは以下の部分です。
・フィラディス(小さな会社)が目指すのは、自分達よりも優秀な人材を入社させる”分不相応な採用”。
・知名度の低い小さな会社は、市場でノーマークの優秀な学生を狙うブルーオーシャン戦略(地方大学、女性、中堅大学、専門、高卒、既卒者等)
・レッドオーシャンの中にも小さな会社が採用出来る人材もいる(新しいものにすぐ手を出したり、他人より早く行動する人はリスクテイク出来る人=小さな会社にも飛び込む)
・面接では志望動機ではなくて、選社基準、選職基準、就社基準を聞く
・学生の労力を減らし、心理的なハードルを下げれば、優秀な学生が集まる、というのが新卒採用プロセスの鉄則。エントリーシートの簡略化、スピード感のある進行など。
・エピソード(成果)を聞くのではなく、習慣を聞くべき。なぜそのような習慣になったかも含めて。
・問題解決能力は、その答えが対処療法なのか根本治療なのかでわかる。
・優秀な人材はひくてあまた。内定後のフォローは
その人の価値観、個性、環境、強く影響を受けている人などを鑑みて、丁寧に行う。ただの心理テクニックでもダメ。
・”分不相応な採用”をするための社内環境を作らなくてはならない。分不相応な採用をするということは、社員の意識も、制度も、文化も何から何まで変えていくことと同じ意味。採用8割、場2割。
以上、他にもこの本全体的にそこまでするのか、というくらい”小さな会社はこちらから取りに行かなければならない”ということが書かれています。フィラディスに全てがフィットしないにしろ、これまでの中途採用とは意識を変えて取り組む必要性を感じています。 -
覚書
12 すくすく系の若者を積極的に評価する
18 人気企業の採用終了後にチャンスがやってくる(二の矢、三の矢作戦)
20 習慣になるまで努力したエピソードを聞く
21 なぜそうしたのかで優先順位がわかる
22 天井の雨漏りをどうするかで問題解決能力がわかる
25 エピソードに隠れているプロセスを聞き出す
26 学生に求める能力の定義を共有する
27 初期選考では基礎能力だけジャッジする
33 フォローで聞くのは「主観、妄想、思い込み」
38 人気企業を志望する学生の口説き材料
40 「この会社で働きたい」との言葉を学生からもらう
42 入社前のキャリア志向をリセットさせる
48 現場のスター社員がキャリアイメージを見せる -
数年前、某筋でお世話になったので読むことに。内容自体はもはや関わりの薄くなった分野なのでなんともという感じではあるものの、面白くはあった。