京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。―― 文化・アイドル・政治・経済・歴史・美容の最新グローバル日韓教養書

  • 東洋経済新報社
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  • Amazon.co.jp ・本 (450ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784492212509

作品紹介・あらすじ

「なるほど、韓国人の本音はこういうことなのか。日本人もたしかに言われてみればそうだよな」。中立的な立場から、日
韓それぞれの本音と考え方の違いを、わかりやすく、読みやすく解説。著者にしか書けない渾身の書き下ろし。

40年間、世界中で日韓関係を考え続けてやっとわかった教訓を凝縮!  教養と国際感覚がいっきに高まる!

感想・レビュー・書評

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  • 著者は在日3世。京都の洛星中高から慶応大、京都大学院。
    韓国の精神的な宗教は儒教。ここに日本との大きな差異が発生する。儒教では先祖の魂は不滅なので、責任は死んだくらいでは終わらない、という事らしい。腹切りで責任は終了する文化の日本とは、戦後処理問題一つとっても考えが異なる一因。
    まぁこのような世間的には対韓国批判の中心的な問題には、正直個人的に興味が薄い。
    この本を読んでみたかったのは日本と韓国の経済状況がごく最近逆転したことだ。会社でも意外と知らない人も多かったが、為替の要因も有るけど一人当たりのGDPや平均給与は2022年に韓国に抜かれた。しかし韓国では若者の失業率の高さか問題になっている。韓国では給与の格差が激しく、例えばサムスン電子の給与はマッキンゼーより高額!日本では有り得ない給料を新卒に払い、世界中から優秀な人材を集めている。著者がMBA留学のフランスで日本の大手4大総合商社がキャンパスリクルーティングに来たのに、なんと日本語で会社説明会を行ったという…。
    国内政治もまたしかりで、過去20年以上世界の主要国の中で日本だけが経済的成長や所得の伸びを成し遂げられない政府が、現在でも高く支持され国を支配していることはかなりの異常事態だと著者はいう。
    まさにガラパゴスで世界の常識とはかけ離れた経済センス・政治センスが如何なく発揮されていると言えよう。
    政治的に韓国はアジア圏としてほぼ唯一の政権交代を成し得る二大政党制を実現している。他の国は日本を含め事実上の一党独裁政治ではないだろうか。つまり韓国はアジアで真っ当な民主主義を実現出来ているただ一つの国と言えるかも知れない。これは政策の大きな転換が普通に起こる訳で、これも日本との考え方に大きな差を生んでいる。
    また著者は韓国での反日運動の実態を余すところなく紹介し、その運動の余りにお粗末で的外れな手法が、日本の反韓運動にとり大きな助けとなっている現状を痛烈に批判している。
    それにしてもかつてはエンタメも日本のアイドルがアジアを席巻していたのに、今はK-POPや韓国映画・TVが世界中で高く評価されている。日本が圧倒的に優位である漫画・アニメ界隈も、クレジットに多くの中国・韓国系の名が書かれており技術の習得も急速に進んでいるようなので、うかうかしてはいられない。
    ここ数年韓国ヘイトが激化しているようだが、それもこれも根本的には日本経済が半島に対する優位を急速に失っていることにあると思う。米国のトランプ支持者と同一の思考だ。逆に韓国側は産業・経済からエンタメに至るまで日本を抜きつつあることから、反日的な思考は減衰していくことだろう。

  • 在日コリアン3世。有名人らしいが。
    両国に向けた相互の考え方や対立の原因など両面からの視点による解説は読み易い。
    両国とも跳ね上がりの言動を取り上げて一喜一憂するのが問題ではあるのは正しいだろう。

    懸念点は、韓国がゴールポストを動かすのは米国と同じ二大政党制故、そしてちょいちょい出てくる「真の謝罪」という概念。

    最初の国民性からして身内擁護/外部批判のダブルスタンダードで、同じ発言でも誰が言ったかが問題だと、同胞に普通に言われてしまう辺りはダメかも、と思ったコトは否定できないw

    特段新しい何かがある感じではないが、過去には触れず、あと半世紀くらい放っておくしかないのかな、という印象。

  • 私の好きなムーギーキムさんによる日本と韓国の考察。
    どちらの立場もわかるキムさんが、多くの文献からフラットに書いているので信頼できるソース。
    日韓は秀吉の朝鮮出兵あたりから関係がこじれていたんだなとわかる。
    歴史的な経緯や現在の韓国の教育の状況から、速やかな関係修復は難しそう…
    偏った報道や韓国人の気質の理解不足により、自分も含めて多くの方が両国にとって損する思考に陥ってしまっているのかもしれない。
    韓国と関わりを持つことがある場合に再読したい。

  • 韓国の方がどのような文化や考え方をもっているのかを楽しく学べる。
    著者は昔、日本のテレビにも出ていたらしいが、ちょくちょくユーモアのある発言が入っていて飽きずに読みやすい。

    自分自身はこの本の通りの、「すぐ水に流す無責任な日本人」の典型なのだが、この本のおかげで「遠い過去までさかのぼる、しつこい韓国人」の考え方や文化的な背景を少しは学ぶことができた。

    まだ行ったことはないが、コロナが明けたらぜひ韓国に遊びに行って、その雰囲気に触れながらビビンバでも食べたいと思った。

  •  投資家の比較文化エッセイ。とても丁寧で平易に、すれちがいの原因を解説している。
     著者のもくろみ通りに、(そこそこの柔軟性と知性を備えた)若者に推薦してしまいそう。
     東洋経済のわりにタイトルが長い(「サブタイトル + タイトル + サブタイトル」)。

    【書誌情報】
    ムーギー・キム (投資家。コラムニスト。作家)
    出版社:東洋経済新報社
    2022年7月1日 発売
    ISBN:9784492212509
    サイズ:四六/並/450

     日本人と韓国人の本音と考え方の違いを、中立的な立場からわかりやすく、読みやすく解説。著者にしか書けない渾身の書き下ろし!
    [https://str.toyokeizai.net/books/9784492212509/]

    【目次】
    はじめに [003-020]
    目次 [021-040]

    ■前編 日韓両国の文化的違いと、日韓関係の変化 

    第1章 日韓の人間関係の違いとは?
    1 「食の違い」 食文化の違いでわかる、国民性の違い3大ポイントとは?
    2 「言語の違い」 たいていの知人は、皆家族呼ばわり?
    3 「礼儀・感情表現の違い」 涙の使い方でわかる、感情表現の違いとは?
    4 「家族関係の違い」 身内の呼び方の違いでわかる、公私の優先度の違いとは?
    5 「接客文化の違い」 接客文化でわかる、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)の違いとは?

    第2章 なぜ韓国人は過去にしつこく、日本人は無責任なのか?
    1 なぜ韓国人は、歴史的にしつこいのか?
    2 なぜ日本人は、過去を水に流し無責任に見えるのか?
    3 韓国人の対日観は、なぜ400年前に遡るのか?
    4 日韓関係を古代まで遡るとバレる「真実」とは?
    5 両国の国家的象徴比較

    第3章 なぜ隣国とは永遠に揉めつづけるのが当たり前なのか?
    1 日本と韓国の経済格差は、なぜ急速に縮小したのか?
    2 韓国が「ゴールを動かす」ようになったのはなぜか?
    3 「メディアの自由度」がアジア一高くなった韓国
    4 世界中で排外主義が蔓延するなか、日韓関係はどうなるのか?
    5 なぜ、どこの国も「ゴメン」と言えないのか?

    ■後編 日韓の溝を、間にいる在日コリアンの視点で埋めてみた 

    第4章 ここがヘンだよ韓国の怒り方東西南北分断国家・韓国の反省点とは?
    1 「コリアン・アンガー」の問題点
    2 韓国が、無関係な人を問題に巻き込む理由とは?
    3 「トリプル・ジャパニーズ・アンガー」とは?
    4 「本音の国・韓国」は、「建前の国・日本」を理解できない?
    5 韓国は「南北分断国家」ではなく「東西南北分断国家」?

    第5章 ここがヘンだよ日本の建前不思議な議論の3大パターンと4大レトリック
    1 今時の和風韓国人の、日本に対する意外な本音とは?
    2 なぜ韓国とほかのアジア諸国は違うのか?
    3 ガラパゴス歴史認識は、どのようにして強化されてきたのか
    4 どのようにすれば、自分の偏見と内集団バイアスに気づけるのか
    5 日韓関係2000年の歴史を、10ポイントにまとめてみた

    終章 日本と韓国をムラサキするには

    おわりに [441-449]

  • ニュースではわからない韓国民の日本に対する感情や歴史観がよくわかる。但し、中立的な立場を装っているが、結構韓国よりの主張が強い印象を持った。

  • 在日コリアン三世の著者が、日本と韓国の関係について書いた読み物。

    ソフトカバーながら造本がなかなか凝っている。全体のテーマカラーは、本書のキーワード「ムラサキ」をイメージした紫。これは韓国アイドルBTSのファン用語で「相手を信じて愛し合おう」という意味(p5,p240)だそう。
    表紙の題字やイラスト、袖では、日本が紅、韓国が紫で表されている。見返しも表紙の方は紅、裏表紙の方は紫と色違い。色使いやサブタイトル「和風韓国人」が示すとおり、日本を知る韓国人という立場で書かれた本だと作りから伝わる。

    本の作りと言えばもう一つ、レイアウトがハウツー本っぽい。著者の本業がコンサルタントであるためだろうか。細かい小見出し、キーワードがいちいちフォントと網掛け(網掛けも紫)で一文が短く、極めつけは各章の最後にチェッククイズがある。
    個人的な好みとしては少々あざとくて鼻につく感じも覚えるが、読みやすいことは間違いない。

    前編は、韓国と日本の文化や国民性の違いを比較している。この手の話題は本来きわめて繊細緻密な研究を要するものと思うので、本書のように幅広い範囲を扱う一般書の場合には、著者の属性に関わらず話半分くらいの気持ちで読むのが健康だと思う。その前提の上でだが、結構面白かった。
    感謝を重視する日本人と謝罪を重視する韓国人、過去を水に流したがる日本人と遡って理非曲直を糺したがる韓国人という指摘。どちらが良いとかではなく、こういう基本傾向の違いがあるかもしれないと思っておくと、無用な喧嘩を避けられそうだ。

    後編は、日本と韓国の間の、主に歴史をめぐる対立について。
    「反日」「反韓」いずれも、それぞれ自国内の都合で相手国の過激な部分だけが喧伝されることによって、互いの誤解を深めている部分がある。
    ・日韓とも「隣国の反発が起きるとわかっている行動をとって、自国のナショナリズムを刺激して得票につなげる政治家がいる限り、国家間の外交はどうしても、国粋主義的傾向が強い人同士の対立に支配されがちだという構造的な問題があるのだ。(p248)」
    ・(他の国との関係ではそんなことがないにもかかわらず)合意したことが守られないと日本側が感じるのは「韓国の保守と革新(正確に言えばその中高年層)が、植民地時代の対日関係で、分断されている傾向があるからでもある。(p295)」。
    このへんの指摘はなるほどと思った。

    歴史認識については、日本の一部の人になされる主張と、それに対する韓国側の反論とを一つ一つ並べて書いている。
    一部の人と書いたが、挙げられたテーマに明確に意見を持つ日本人はそれほど多くなく、実際のところ大多数はあまり認識していないと思われる。
    同世代の韓国人から「今更日本人に謝れとかは思わないが、知らないことに腹が立つ」と言われたことがある。反論のすべてに納得する必要もないだろうが、そもそもこうした問題に関心を持つこと、他者はこう考えているという視点をインストールすることは有効。

  • 京都生まれの、在日三世が、あらゆる日韓関係本に目を通し、それって違いますよね、歴史がわかってないか情報が古いか、発想が偏ってますよね。両方の国をよく知り、さらに在日としても実績のある私が、本当のところを書きましょうという本。

    だと思う。

    いや、うざ過ぎて、早々に閉じたから。

    文章がうざい。
    体裁がうざい。
    言ってることが「それってあなたの感想ですよね」レベルで、うざい。

    日本人が、泣いて謝ると許されるとか、韓国人が謝罪に真実があるかに拘るとか、何言っとるんじゃ。

    すみません、本論が違う方なら、それは私が読んでないからです。

  • マスコミとかSNSからはなかなか読み取れない両国の違い、とてもわかりやすかった。

  • 分厚く、様々な視点から日本と韓国の考え方の違いについて論述されている。非常に面白い内容だった。日本にも残っている朱子学や儒教の考え方や武士道の考え方。文化を取り入れるのが上手いためかよしなに進んでいる歴史もなんとなくわかる気がした。対して韓国、韓国側の意見や印象も最もでソウルに行った時に感じた感覚を思いだした。説に朝鮮半島の統一と日本との関係良化を祈るばかりである

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著者プロフィール

ムーギー・キム
京都大学経営管理大学院博士課程にて、日本と韓国を含めた企業の社会的責任(CSR)を研究中。投資家・コンサルタント・実業家。京都府生まれの在日コリアン3世。
慶大総合政策学部卒後、INSEAD(フランス・シンガポール)にてMBA取得。在学中は上海のCEIBSに交換留学。大学卒業後は、欧州系・米国系の金融機関およびコンサルティングファームに勤務し、日本および韓国のプロジェクトに多数参画。香港移住後は、日本および韓国を中心としたアジア一帯でのプライベートエクイティ投資業務に転身。その後シンガポール勤務、INSEAD留学、日本と韓国でのバイアウトファンド参画を経て、シンガポールおよび東京で起業。
ビジネス書作家・コラムニストとしても知られ、主著の『最強の働き方』(東洋経済新報社)、『一流の育て方』(ミセス・パンプキンとの共著、ダイヤモンド社)などは各国で翻訳され、著作の累計部数は国内外で70万部を超える。また、元駐英・駐日全権大使である羅鍾一教授の著書の邦訳などにも携わる。

「2022年 『京都生まれの和風韓国人が40年間、徹底比較したから書けた!そっか、日本と韓国って、そういう国だったのか。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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